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コンビニのいなりずし

国立劇場で行われた、第25回伝統歌舞伎保存会研修発表会を観に行ってきました。普段は、歌舞伎座と国立劇場で上演される歌舞伎公演を観ていますが、実は、歌舞伎ってそれだけじゃなかったりします。南座とか大阪松竹座以外にも、例えば、赤坂ACTシアターや明治座、文化村といった、普段は現代劇を上演する劇場でも、歌舞伎公演が行われることがありますし、巡業で各地の市町村のホールで上演されることもあります。また、役者さんの自主公演や、今日のような研修発表会も結構あります。

意外とあちこちでやっているのよねーと言いつつも、実際のところは、こういう公演は1日限りや、やっても数日程度だし、会場も小さめのところが多いし、いわゆる後援会に入っていたり、関係者の方が観に行くものなので、逆にチケットは取りにくかったりします。ただ、これは、伝統歌舞伎保存会という無形文化財としての歌舞伎の技術を持つ人たちで構成されている文科省認定の業界団体が主催する研修発表会なので、私のような門外漢でも、比較的チケットは取りやすいのが、ありがたいところです。とはいえ、この公演もやっぱり発売開始数時間で売り切れてしまうので、私も行くのは今年が初めてだったりします。

ちょっとしっかりご飯を食べるというタイムスケジュールじゃなかったので、コンビニのおいなりさん3個入りで、簡単に済ませる。

席は全席自由席で早く来た人から自由に座れる仕組みですが、いわゆる「いい席」の一部は、関係者席としてキープされていましたし、毎年ご覧になっている常連さんが大半を占めている印象で、どの席に座るべきかは少し迷いました。最終的に、東寄りの席にちんまり座りましたが、小ホールだったので、どこに座ってもいい席なのはありがたい。普段3階席ばかりなので、1階席ということ自体が新鮮。

左手に花道がありますが、これは、本公演で上演していた「菊一座令和仇討」が両花道で上演していたからで、今回の演目では使われていません。

今回の演目は、「仮名手本忠臣蔵」の五段目(山崎街道鉄砲渡しの場、山崎街道二つ玉の場)と、 六段目(与市兵衛内勘平腹切の場)。その後、菊五郎一座によるトークショー「お楽しみ大喜利」の二本立てでした。一時期はやたらと仮名手本ばっかり観ている印象があったのですが、ふと気づくと、そういえば観てない。特に最近は新作ばかり見ていたこともあって、妙にこういうThe歌舞伎のような演目に飢えていたので、めっぽう面白かったです。幸い、国立劇場の仮名手本忠臣蔵の3か月通し上演を見たことがありますが、あれ、面白かったので、またやってくれないなぁ。

帰宅途中に、伊勢丹新宿店の地下に寄ったら、エルメの店でクロワッサンを売っていたので、2個買って帰る。

明日の朝用にと思っていたけど、夫が「すぐ食べる」というので、いつぞやのシチューと一緒に、早々に、簡単に晩ご飯にしてしまう。

豆のスープ

夜は軽く、作り置きしていた豆のスープ(大豆水煮缶、玉ねぎ、豚肉、トマト缶)と、エルメで買ってきたクロワッサンで。スープと一緒にナチュールを半分こ。

食後のデザートがわりに、季節のクロワッサン(名前忘れた)を半分こ。焼き立てじゃなくても、美味しいのでした。

そして、ここで一気に、お正月の食卓は終了したのでした。こうやって強制的にお正月気分を引き離すのも悪くないので、来年もやろうかしら。

Heaven

パン食いの夫が昨日、モーレツにパンを食べたかったのにぐっと堪えたのは、今日、エルメのPetit Déjeunerを食べに行くからでした。場所はもちろん、ピエール・エルメ・パリ 青山店の2階にあるサロン・ド・テ Heaven

おせちに飽きたころのプチデジュネはさぞおいしかろう…と思いながら2カ月前に予約したわけですが、実際、ナイスタイミングだったように思います。4日というと、絶妙に正月休みの会社も多く、青山通りは車も人も少なめでした。

前回と同じ席、同じ皿に出迎えられて、そわそわしながら待つ。

カウンター席が寂しげで、お正月だから…? と思ったのですが、単に遅刻者が多いだけでした。早々と席につく私たちが一番田舎者なんだろうと思いました。

スタートは全員一斉なので、それまで外をぼんやり眺めて待ちます。外に見えるのは青山学院大学の体育館だと思います。昨日は箱根駅伝で総合優勝していたけれど、外から見る限り、特にどんちゃん騒ぎの跡もなく、ひっそりしていました。冬休みだから当然なんですけどね。

さて、スタート。前回も感激した、焼き立てクロワッサンからです。

光を入れて、もう1枚。しっかり焼かれて外側はぱりぱり、中身はもっちり、バターがじゅわー。もうこれとコーヒーだけで最高の朝食だと思います。ほんとおいしい。

前回感激したイスパハンジャムではなく、コンフィチュール・サティーヌでした。ちょっとがっかりしつつも、これはこれで美味しい。オレンジ、パッションフルーツ、マンゴーの組み合わせなんだけど、どれかが突出しているわけではなく、この3つが組み合わさってなんか食べたことない味…という感じなのが、なんかすごい。

前回は季節のクロワッサンでしたが、今回はボストック。

しっとりシロップがしみこんだブリオッシュにアーモンドクリームが乗った、ケーキみたいなパン。しっかり甘いけど、美味しい。

焼き菓子は、ピスタチオのマドレーヌ(名前分からず)。

裏を返すと、おへそというより、おなかがぱつんぱつんです。手に持つとずっしり重い。

中身はフランボワーズのジャムがたっぷり。かなり酸っぱいんですが、これが、ピスタチオの生地とよく合います。

お口直しのサンドイッチ。クリームチーズとガーリック、ハーブ。ホントは3切食べたいけど、もうかなりお腹いっぱいなので、2切れで我慢。

うちはもう、食べる気満々で来ているから、サーブされたらさっさと食べちゃうんですが(焼き立て作り立てだから、すぐ食べるのが一番おいしいし)、他の人を見ると、おしゃべりに夢中で全然食べるほうが進まず、テーブルが渋滞してしまって、食べるのしんどそうという人もいました(パン1個で結構なボリュームなので)。正直、そんなに安くないんですが、その割には、結構せわしないなぁ…とは、少し思うのでした。

フルーツサラダ。前回同様、フルーツのカットがきれい。すごく上等なフルーツポンチって感じ。

ほぼナッツなんじゃないかと思わせる、グラノーラ。お菓子屋さんのナッツって、ローストの具合が絶妙で、美味しいんですよね。

イスパハン風味のソースがかかったヨーグルト。最後に、コーヒーで締め。もー。お腹パンパン。

2度目なので、初めての時のような感激はないんですが、やっぱりおいしかったなーというのが、真っ先に出た感想。パン食いの夫は、もう、俺は、パンだけでいいなぁ、と言っていました。だったら、1階のカウンターでクロワッサンだけ食べるのが正解かも。

焼き立てにこだわらないのだったら、土日だけ伊勢丹のショップにも売っているのだけど、やっぱり焼き立てのおいしさを知ってしまうと、青山で買うのがいいのかなぁと思ってしまう。

青山通りをぶらっと歩いて、目についたカフェでお茶。ホントにお腹いっぱいで、カフェラテ飲むのも結構難儀しました。

帰宅して、夕方近くに、買ってきたマドレーヌとフィナンシェを食べる。あんだけ食べたんだから、もういいよーとならないのが、エルメ様の偉大なところだと思います。もうどっちも名前は忘れてしまったのだけど、焼きがしっかり入って、美味しい。

ピエール・エルメのPetit Déjeuner

ピエール・エルメ・パリ 青山店の2階にあるサロン・ド・テ Heavenで、毎月1回催されるPetit Déjeuner に行ってきました。わたくし、今月はお誕生日月でして、これが、今年のお誕生日プレゼントなのです。ありがとうー、夫。行ってみたかったんだよー。

カウンターとテーブル席から選べますが、夫が予約した時に相談したところ、「お連れ様がいるのなら、テーブルのほうが良いのではないでしょうか」と言われたそうで(ただし、見回したところ、おひとりで来られている方はいなかった模様)、今回はテーブル席で。カウンター席も楽しそうだったけど、長時間座るのは、ちょっとしんどいかな、という感じの椅子だったので、何とも悩ましいところです。

私はこの日のためにとっておきのいい靴(自分的に)を履いて出かけたのに、他のお客さんはみなさん、スニーカーかサンダルで、カジュアルなおでかけ風味。普通に幼児を連れた家族連れなんかもいて(ちゃんと静かにしていてえらい子だった)、おお、さすが青山、貴族の国…と、山猿のようなことを思ってしまったのでした。

案内された席に着くと、もう、お皿とカトラリーがセットされている。ウキウキするなー。

嬉しいことに窓際の席を用意してもらったのですが、日差しが半端なく、結果的にほぼブラインドを下ろしていました。無念。

店内は、シックとポップが同居するような雰囲気で、開放感のあるすっきりとしたデザインでした。写真だと分かりづらいけど、この壁、かわいいというか、いい雰囲気。

店内は、25人ほどでしょうか。コース仕立てなので、一斉スタートで始まります。

まずは焼き立てのクロワッサンから。エルメのヴィエノワズリーは、青山店のほかは、ホテルに入っている店舗(ニューオータニ、リッツカールトン京都)でしか出していないそうです。パリでも数店舗だけらしく、どおりで、外国人観光客のお客さんもちらほらいるわけです。クロワッサンが並んだ大きなトレイを盛った店員さんが回って、お皿にサーブしてくれます。食べる前からバターの香りがすごい。

手に持ったら、ほんのり温かく、外側はサクッと香ばしく、割ると、外側の皮がパリパリと飛び散って、しかし中身はもっちりと伸びの良い生地にバターがじゅんわり。きれいに食べるのは大変に難しいのですが、しかしべらぼーに美味しくて、食べ終わったときにはすでに、「ごちそうさま」と言う気分になりました。1品目から満足感が強すぎる。

クロワッサンのおいしさにしみじみとする間もなく、次。季節のクロワッサンと言うことで、クロワッサン オマージュ(Croissant Hommage)。少し検索すると、クロワッサン イスパハンが出されることが多いようですが、季節ごとに少し違うのかな。

アイシングの上にマロングラッセがトッピングされているだけではなく、 中にはマロンクリームと洋梨のコンポート、洋梨が入っていて、最早パンではなく、お菓子! と言う味わいでした。これも、ほんのり温かくて、ああ、出来立てなんやなぁ…と幸福な気分になります。

奥は、クロワッサンの時に添えられた、コンフィチュール イスパハン。これが、すごくおいしかったです。あとでショップで確認したら売っているんですよね。これは、そのうち買おうーって思いました。

ところで、ネットショップの商品ページを見ていたら、エルメのコンフィチュールって、クリスティーヌ・フェルベールで作っているんですって。そりゃ、美味しいに決まってる。俄然、イスパハン以外のジャムにも興味が出てきました。

まだ、クロワッサンも食べきっていないうちに、次にサーブされたのが、マドレーヌ アンフィニマン マロン(Madeleine Infiniment Marron)。こちらも、先ほどのクロワッサンオマージュ同様、アイシングの上にマロングラッセがトッピングされています。

パッと裏を返すと、立派なおへそ。素晴らしい。

手に持ったらずっしりしていたので、もしやと思ったら、中にはマロンクリームがたっぷり入っていました。マドレーヌ自体しっかり甘く、このクリームもなかなかはっきりした甘さがあって、しかもアイシングですからね、半端なく甘いです。甘党の夫ですら、「ものすごく甘い」と言うくらい甘いですが、しかし、やっぱり、ひれ伏してしまうほどにおいしいのでした。これだけ甘いものを重ねても嫌みのない味なんですよねぇ、バランスなんですかねぇ、すごくおいしいです。

「お口直しに」と、塩味の小さなサンドイッチ。中身は、ディルとガーリックを練り込んだクリームチーズです。

ブルサンのガーリック&ハーブみたいな味だけど、それよりもディルが多くて、にんにくのパンチもしっかり効いていて、普通にワインのつまみにいける味。このタイミングでの塩味なので、やたらとおいしく感じました。1人3切れまでとのことですが、1切れが案外大きくて、2切れで十分でした。

グラノーラ。ここまで散々パンを食べた後に入るかな、とさすがに自分のお腹が心配になりましたが、うちで普段食べているグラノーラと違って(当たり前だが)、ナッツがたっぷりで、香ばしさも強めで(お菓子屋さんのナッツってロースト具合が絶妙で美味しいですよね)、スナック感が強い感じというのもあって、すんなりお収まりました。添えられた牛乳がさらりとさっぱりしていて、全部飲んでしまいました。

フルーツサラダ。グレープフルーツ、オレンジ、フランボワーズ、ハーブ(たしか、バジル)に、シロップがかかっているんですが、これが、すごくおいしかった。果物って、ここまで下処理できるんだーってびっくりしたし、シロップも含めたバランスがめちゃくちゃ調和していて、まぁとにかくおいしかった。ただ、果物を切って、汁に漬けただけに見えるけど、全然違う。ものすごい手のかかったお菓子でした。

ヨーグルト。下に、イスパハンのソース(ちょっと硬めのジュレ)がいます。ヨーグルトは、酸味が少なく、さらりとさっぱり、インパクトの強いイスパハンソースもあっさり食べれてしまった。

バラの花びらも食べられますというので、のぞき込んだら、ちょこんと朝露みたいなお飾りがついていて、こういうところまで手を抜かないのも好きだなぁ、と。バラはそんなにおいしいものじゃないけど、やっぱりイスパハンのアイコンだものね。

最後に、飲み物で締めて、ごちそうさま。紅茶とコーヒーを選べますが、おかわりも可能なので、1杯ずついただきました。

それにしてもよく食べた―。1品1品が粒だっていて、どれもこれも印象深くて、おいしかった。甘党で、パンや焼き菓子好きにとっては、夢のようなコースでした。お店の人もみんなフレンドリーで優しかったし、楽しかったー、夫よ、どうもありがとう。

アムール・デュ・ショコラ

夕方から恵比寿で用事があったので、少し早めに出て、新宿高島屋のアムールデュショコラをのぞく。

アムールデュショコラの冊子は毎年工夫を凝らしていて楽しいのだけど、今年は、最果タヒさん描きおろしの詩と短文が載っていました。この年になって恋愛の詩を読むのは、少々気恥しい気分もありますが、そうでもないと手に取らない文章なので、ありがたいことです。

アムールデュショコラのいいところは、ボンボンを一粒単位で購入できるイートインスペースがあることです(持ち帰り不可)。提供の仕方があっさりしすぎている(お皿でなく、ペーパータオルに乗せるだけ)のと、有料でいいので飲み物も一緒に出してほしい…とは思うのだけど、それでも、気になるチョコレートが単品で食べられるのは、ちょっと嬉しいかな。

写真のは、ピエール・エルメのイスパハン(期待通りの、イスパハン味!)。ほかに、トイスチャーのシャンパントリュフ、ブボ・バルセロナのパンコントマテ(トマトジュレの入ったボンボン。トマトジュレが甘酸っぱくて、予想外においしかった)を食べました。シャンパントリュフがおいしかったので、このあとまんまと3個入りを買いました。

もう少し余裕があったので、調子に乗って、カカオサンパカのソフトクリームも。

ホワイトチョコレートアイスにラム酒がかかったのも魅力的だったんですが、この後予定があるので念のために回避して、無難にチョコレート味。アイスもコーンもおいしかった。

そういえば、高島屋と言えば何年か前に、シェシバタのチョコレートラスクを買って、美味しかったんだよなーと思って、ブースに行ってみたんだけど、今年はラスクは売っていないようでした。残念。