タグ別アーカイブ: 神田裕行のおそうざい十二カ月

ひやしなす

新潟では、十全なすのほかに、紫水なす(タキイが開発した十全なすと水なすを掛け合わせたF1種)と言うのも買っていて、生で食べるだけもなんだかなぁと、取り合わせて煮物を作る。せっかくなので、いつもの田舎煮ではなく、『神田裕行のおそうざい十二カ月』にある「ひやしなす」のレシピで。

これは、干しエビの出しを使い、甘みに、多めの三温糖とみりんを使った、ちょっと甘めの煮物で、変な言い方だけど、市販品っぽいというか、お店の味っぽい感じに仕上がった。普段作っている田舎には、酒、しょうゆ、水だけで、甘み一切ゼロだから、いつもとは対極の味。水なすなので、トロっとする感じはなくて、さっぱりしていて、いかにも夏向きのお惣菜でした。おいしかったけど、この甘みが夫はあまり気に入らなかったようで、ほとんど手を付けなかった。いつもの田舎煮のほうが好きなんだってさ。

あとは、生で割って、塩とオリーブオイルで。十全なすと紫水なすで食べ比べてみたけど、あんまり違いは判らなかった。どちらもおいしい。ヒガシマルうどんスープで作るキャベツの浅漬け、挽き肉ともやしの炒めもの。

豚のしょうが焼き

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そんなのよく知ってるよ! といいつつ、実はよく分かってない…と言う料理は実は多い。わたし的にその筆頭は、しょうが焼き。しょうが焼き自体は大好きだし、時々自分でも作るけど、作る度に、いつも「正しいしょうが焼きってどんなのなんだろう…」と悩む。

悩む理由は多分、お肉屋さんに行くとよく見かける「しょうが焼き用の肉」の存在だと思う。あの、ロースを3ミリほどの厚さに切ってあるやつ。あんなに堂々と「しょうが焼き用」ってラベルを貼られて売っているけど、わたし自身はあんなお肉でしょうが焼きを食べたことは一度もない。ちょっと立派すぎませんか? といつも思っていた。実際、わたしの知っているしょうが焼きは、豚こまか、もしくはロースの薄切りを使ったものだったハズ。ひとり暮らしをしてからは、玉ねぎも加えて作るのが定番だったし、確か大学の学食にあったのもそんな感じだったし、ゼミ合宿で食事当番の同級生が作ってきたのもそんな感じだった。肉が薄くて玉ねぎ入り。

神田裕行のお総菜十二カ月』を読んでいたときに、「豚のしょうが焼き」があって、そのビジュアルが正に「正しい」しょうが焼きっぽかったので、これは本の通りに作るしかないと思って、チャレンジしてみました。そのために、お肉屋さんではじめてしょうが焼き用の肉を買ったのですが、その際に1枚で50グラムもあると知りました。うちだとひとり2枚が限界やな。

作り方は至ってシンプルで、バットに、生姜すり下ろし一片分、酒、みりん、しょうゆを大さじ1ずつよく混ぜたものに両面で3分ほど漬け込んだら、ゴマ油をひいたフライパンで、両面が軽く焦げ目が付くまでしっかり焼くだけ。え、それだけ? って感じでした。

「正しい」しょうが焼きを食べてみた感想は、美味しいけど食べにくい…でした。夫は早々に調理ばさみを取り出し、ちょきちょきと一口大に切り分けて食べておりました。味は美味しいけど、食べやすさも料理のうちなので、悩ましいなぁ。わたしとしては、しょうが焼き用のお肉を使うなら、もう少し分厚いお肉にして、ナイフとフォークで食べるのがいいかなぁ…と思ってしまった。でも、それだと、しょうが焼き(和食)じゃなくてポークジンジャー(洋食)ですよね。

ご飯は食べずに、キャベツをたくさん食べます。なので、同じ本に載っていたマヨネーズドレッシングも作る。マヨネーズ、酢、みりん、薄口しょうゆを小さじ1ずつ混ぜたもの。これね、かけてみて思ったけど、ちょっと市販のポテサラをイメージさせるような味。でも、やっぱり、しょうが焼きにはポテサラも添えたいよね…と思って、作ってしまった。玉ねぎ、きゅうり、茹でにんじん、ハムのはいった、ド定番のもの。あると嬉しいのよね。

冷やしなす

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ものすごい久々に残業でちょっと疲れたので、並べるだけご飯。というか、残業なくても、そうするつもりだったんだけど…。

夫のお昼用に作っていたんだけど、私もひとつ食べてみたかったので、冷やしなす。『神田裕行のおそうざい十二カ月』に載っているレシピにほぼ忠実に作ってみたもの。味見もせずに夫用のおかずにするってどうなのよ…と思いましたが、神田さんのレシピで大外しすることもなかろう…と思っていたので、あまり心配はありませんでした。が、実際に食べてみてビックリ。これ、おーいしー! なんでもっとたくさん作らなかったんだ、と思うくらい好きな味。

ごま油で炒めて、干しえびの出しに甘めの味つけをした煮汁で炊いたもの。とろんとろんのなすに品のいい甘辛い汁がしみて、しみじみとした気持ちになる。夫からは「不思議な味。中華?」という感想が来ていたのですが、確かに中華っぽくもあるかな。ひとつ困ったことに、たっぷりの煮汁で炊くので、なすを食べ終わってもなお、煮汁が大量に余っているのです。これ、なんとかなりませんかねぇ。そうめんのつゆにでも使うか…。

鶏ハツが激安だったので、それでねぎオイポンドレ和えを作ってみたのですが、これはこれで結構イケた。でも、不思議だけど、この料理は、砂肝の方が合う気がする。歯ごたえかしらねぇ…。

あとは、アスパラのごま和え、小松菜のオイル煮、キムチ納豆。

大分からまたしてもいろいろ送っていただきまして、早速荷物の中からかぼすを取りだして、焼酎の割りモノに。美味しいですー。毎年ありがとうございます!

鶏そぼろ

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会社でびっしり休みなく働いてしまったため、猛烈に疲れた。珍しく帰りの電車で「びーるのみたい…」と言う強い欲求がわき起こり、飲まずにはいられない気分に(この日、会社で水1滴も飲んでないのでそう思うのは当たり前なのです)。伊勢丹に寄り、奮発してベルギー製のなんだか美味しそうなビールを買い、ありものを並べて簡単に済ませる。ああ作り置きがあってよかった。

買ってきたのは、オルヴァル(Orval)というトラピストビールなんですが、これ、ものすごく美味しかった! 王冠を外したらぶわっと泡が出てきて驚き、いつもの調子で注いだら泡が勢いよく出てきてこぼし…を繰り返してもったいないことをしたんですが、成る程、瓶詰めの際にも酵母を添加して瓶内でも熟成させるんですね。繊細な泡、複数の酸味、程よいコク。バランスがよく飲み飽きない。たいていビールって一口飲んだらもういいやってなるんですが、珍しくひと瓶(330ミリリットル、しかもアルコール度数も日本のビールより高い)しっかり飲みきって、ビールって美味しいんだなぁ…とつくづく思いました。これはまた買おう。

作り置きの、砂肝のオイポンドレ和え、なすの田舎煮、甘長唐辛子とカボチャの煮物。甘長唐辛子をオーブントースターでさっと焼いたものに、鶏そぼろとみょうがのせん切りを添えたもの。

鶏そぼろは『神田裕行のおそうざい十二カ月』にあるレシピで作ったもの。結構控えめな味つけだけどいいのかなと思いつつ作りましたが、一晩置いたらいい塩梅。とにかく水分をきちんと飛ばして丁寧に炒めればいいだけなので、すごく簡単だったし、これは便利。

かつおの焼き造り

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都議会選挙の期日前投票に行き、ついでにクイーンズ伊勢丹をぶらっとまわったら、鮮魚売り場のたたき売りコーナーにかつおがたくさんあった。しかも、2パックで700円だという。ホントは今日は違うものを予定していたけれど、方向転換。皮付きと皮なしと1パックずつ貰って、うきうきしながら帰宅する。ちょうど買ったばかりの『神田裕行のおそうざい十二カ月』に、皮付きのかつおサクを使って作る、「かつおの焼き造り」というレシピがあったのだ。

かつおのサクは冷蔵庫でしっかり冷やしたものを使うのが最大のポイント。血合いを取り去り、皮目に斜めに細かく切り込みを入れ、全体に塩を振る(これが味つけになる)。テフロンのフライパンを熱し、皮目を下に軽く押しつけながら、皮の下にある脂を出しながら、焼きつける。この時、軽く胡椒を振る。脂はこまめにふき取りながら、皮が香ばしくなるまで焼きつける。皮目だけ焼いたら取り出し、1センチの厚みに切って盛り、辛子を添える。

本によると、ステーキのイメージで組み立てたレシピだそうです。うーん、なるほど。私も、叩きを作る時に、焼いた後水で洗うのが嫌で、ジップロックに入れてから冷水に漬けこんでいたのですが、1面だけをしっかり焼きつければ、それで十分香ばしさは付与されるわけで、納得。皮目の温かさ、香ばしさ、中身の冷たさ、さっぱりさのコントラストが、この料理のキモなんだろうな。

夫は、かつおをからしで食べるのが初めてだったらしく、「ものすごく合う!うまい!」と驚いていた。大昔は、かつおといえば辛子だったらしいのですが、そういえばいつの間にか、わさびしょうゆやしょうがじょうゆになってしまったね。ちょっと検索したら、江戸時代には辛子味噌や辛子酢なんかでも食べていたらしいので、今度いいかつおがあったら、それもやってみたい。

薬味は、刻みしょうが、大葉、長ねぎ、ケッパーを出してみたが、しょうがと大葉だけでよかった。個人的には、かつおにねぎ系の薬味は合わないと思う。

もう1サクは香味野菜と一緒にオイルで煮て、ツナ風に食べよう…と思っていたのですが、このかつおがあまりにも美味しかったので、ふつうに刺身にして食べてしまいました。ここ数年、かつおの旬って後ろにずれているような気がする。しかも、いわゆる初がつお的味わいじゃなく、むっちり身が詰まって、程よい脂乗りでうまみがつよく、戻りがつおみたい。最近はぶりもむしろ夏にたくさん出てきて安かったりするし、流通の発達で昔は関西でしか買えなかった魚が普通に買えたりするし、魚に関しては、昔覚えた旬では通用しないことが多くなってきました。わずか数十年でも環境って変わるんだな。

あとは、きゅうりの塩もみ、白ゴマのっけ、オイポンドレッシング。イカとズッキーニと玉ねぎのマリネ。

かつおはものすっごくおいしかったけど、後の掃除が大変だった。匂いの強い魚は、ちゃんと隅々まで洗わないとね…。