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豚ヒレ肉のラー油ドウチ炒め

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豚ヒレ肉を買ってきたら、普段だったら問答無用で「ヒレカツ」になるんですが、やはりそれ以外のレパートリーも欲しいと常々思っていたところ、『陳建一の四川料理』に、豚ヒレを使った料理があるのを見つけた。

豚ヒレを使った料理と言うと、あっさりした味わいを活かした、あっさりさっぱり料理が多い印象ですが、実のところ、その手の料理はあまり夫の好みではない。最近気づいたんですが、夫は肉の脂が嫌いなのであって、肉料理が嫌いなわけではない。というか、むしろ好きだと思う。夫が中華料理を好むのも、そういうわけなんじゃないかと思うようになった。中華料理って、案外、お肉の脂をきちんと落としながら調理するものが多い印象があるので。それに、夫は、植物油でギトギトなのは、あまり気にしない。

ともあれ、見た目は全くおいしそうじゃないのですが、これ、夫にはとても好評でした。ヒレ肉って炒めるとパサっとしちゃうけど、これはしっとり柔らかくて、調味料もしっかり絡んで、いい塩梅。

下味をつけた豚ヒレ肉を油通しし、香味野菜、具になる野菜(本ではまいたけとほうれん草でしたが、火の通りやすいものだったら、なんでもいいと思います)と一緒に、ラー油で炒めるというもの。油通しはちょっと面倒だから、なんなら、しなくてもいい。でも、下味は、ちゃんと、本の通りやったほうがいい。ということで、下記備忘録。豚ヒレ200グラムの分量です。

  • 塩 小さじ1/4
  • こしょう 少々
  • 老酒 大さじ1
  • 溶き卵 大さじ2
  • ※下味をなじませた後に、片栗粉大さじ1 1/2、サラダ油大さじ1

このひと手間が大違い。味付けは、長ねぎ、しょうがのみじん切り、ドウチジャン、ラー油、砂糖、老酒、しょうゆ、スープ、酢、うま味調味料、片栗粉。うま味調味料と片栗粉は省いたけど、あとは本のとおり。隠し味程度に砂糖と酢をつかうところが、プロっぽいなぁと思いました。しょうゆだけでもおいしいと思うけど、酢と砂糖が加わることで、なんとなくお店の味っぽくまとまる。

奥は、『陳健一のうま辛でごはんがおいしい四川料理』にあった、「たくあんとかまぼこの炒めもの」。塩抜きしたたくあんとかまぼこの千切りを、ねぎみじん切り、しょうがの千切りと一緒に炒めたもので、味付けは、紹興酒、塩のみ。陳家の定番料理だったそうで、陳建民さんは奈良漬けで作られていたそうです。それも、結構おいしそうかも。

焼豚

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豚もも肉ブロックを使って焼豚を作ってみる。参考にしたのは陳建一さんの『うま辛でごはんがおいしい四川料理』にあるレシピ。ただし、本は肩ロースブロック500グラムでの分量だったので、半分にして作りました。備忘録として、下記に、私が作った分量をまとめておきます。

  • 砂糖 半カップ(きび砂糖70グラム)
  • 塩 小さじ1/2
  • 五香粉 小さじ1/2(なかったので、クローブパウダー、シナモンパウダー、花椒、陳皮を適当に入れる)
  • しょうゆ 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 甜麺醤 大さじ1
  • 豆板醤 大さじ1/2
  • 甜醤油 大さじ1/2(なかったので、陳皮、桂皮、山椒を加える。本には巻末に、甜醤油の作り方も載っています)
  • ねぎぶつ切り 1/2本分
  • しょうが 1/2片

まず度肝を抜かれたのが砂糖の量。半カップも使うの勇気がいったわ…。最初は単純に100グラム使おうと思ったんだけど、あまりにも多すぎるので、カップに半分ふわっと入れて計ったら70グラムだったので、ああそれでいいやと。甜醤油(テンジャンユ)がなかったのでスパイスだけ入れてカットしていますが、これも中国独特の甘い醤油なので、全体的にド甘な味つけです。ただ、後で検索してみたら、ケチャップマニスで代用できたっぽいので、使えばよかったかなぁ。

ともあれ、揉み込んで部屋に半日転がしておいたものを、200度のオーブンで40分。ももなんで、みっちりしまってぱっさぱさ。ジューシーとはほど遠い仕上がりになりましたが、脂っ気ゼロなので何枚でも食べられるのはまぁよいところ。香辛料をたくさん使ったので風味はよく、”らしい”味わいに仕上がって、案外美味しかったので、今度は肩ロースで作ってみようと思いました。

一緒に盛ったのは、同じ本に載っていた「しいたけのオイスターソース煮」。本では生しいたけを使いますが、干ししいたけで作ってみました。大分から送って貰ったのは肉厚で美味しかったので、こういう煮込む料理に向くかなぁと思って使ってみましたが、いい感じ。中華風の佃煮みたいな感じで美味しい。玉子は同發本店の焼き豚に付いてきたたれに漬け込んだもの。これまたいい。

昨日の残りの、イカときゅうりの和え物に貝割れ菜を加えて盛り直し。夫にはキャベツのせん切りに叙々苑ドレッシング。

揚げ春巻

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生春巻きの皮を使って、揚げ春巻きを作る。鶏挽き肉に、長ねぎ刻んだの、干したけのこ、干ししいたけ、春雨をもどしたのを刻んだのを混ぜて、味つけに紅腐乳をひとかたまり。よーく混ぜて、ぬらしたライスペーパーで巻いてしばらく置く。

イメージしたのは、ベトナム料理のネムザン。なんだけど、ベトナム独特のうっすーいライスペーパーじゃないからか、結構ゴツイ仕上がりになってしまった。ひっつきやすく、なかなかカラリと揚がってくれず、揚げるのに大苦戦。いくつか失敗して、ようやく最初は150度ほどの低温でじっくり揚げ、一度引き出して180度の高温でカラリと揚げ直すのがベストだと分かった。ネットで検索すると「高温でさっと揚げる」と言う表現もあるのだけど、それは多分、ベトナムのライスペーパーを使ったものだと思う。いわゆる普通の生春巻き用のライスペーパーだと、最初っから高温で揚げるのは難しい気がする。なんとかして、戻さず使えるベトナム製の極薄ライスペーパーを入手してみたいものです。

昨日の夜に揚げておいたのを、レンジの「フライ温め機能」でチンし直して、3等分に切って、サニーレタスで巻いて食べます。夫には薄口しょうゆ+レモン、私はナンプラー+水+レモンのたれを添えて。レンジのフライ温め機能って、グリル+スチームを使うんだけど、どっちも超久しぶりに使った。が、想像以上にカリッと温められていて、いやぁ、すごいわ、文明の利器…と思った。結婚した年に買った、パナソニックのスチームオーブンレンジ(「ビストロ」より古い機種)。まだまだ使えるので、頑張って欲しいです。

夫は「レタスできゅきゅっと一口サイズに巻いて食べる」という食べ方は苦手なので、ボウルと叙々苑ドレッシングを出して、レタスは自分でちぎってサラダとして食べて貰いました。私はこういうの好きなんですけどねぇ…。気分はすっかり、鈴木珠美さんの『ベトナム葉っぱごはん』です。昔はふたりで同じものを食べないと…と思っていた部分もありましたが、最近は、手間がかからない範囲で、それぞれに最適化して食べるのもいいだろう…と思うようになりました。

昨日の残りの蒸し鶏とソースで、棒々鶏をもういっちょ。きゅうり2本分をせん切りにして、今日はきゅうりが主役。サニーレタスもたっぷり食べて、今日は生野菜天国でした。

棒々鶏

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数日前から棒々鶏が食べたい…と言う気分だったのだが、夫はあまりこういう料理を好かんので悩みつつ茹で鶏だけ作っていた。「棒々鶏」と言って反応が悪かったら、衣を付けて揚げてしまおうかと思って(高山なおみさんのレシピで、茹で鶏に片栗粉をまぶして揚げる料理があるのだ)。

ただ、幸いにも、そんなに鈍い反応ではなかったので、棒々鶏にしてしまう。棒々鶏ソースのお手本は陳建一さんの『うま辛でごはんがおいしい四川料理』にあるレシピで。最近こればっかりだが、しかし、今まで作ったものがどれもハズレなしだったので、つい頼りにしてしまう。

香味野菜は、長ねぎのみじん切りとしょうがのすりおろし、それに、白練りごま(本当は芝麻醤)、しょうゆ、酢、砂糖、ラー油、ゴマ油。家にある普通の調味料だけなのに、できあがりは市販の調味料のような味になったのが不思議だった。やっぱプロってすごいなぁ。きゅうりのせん切りと茹でもやしを添えて一緒に食べたけど、あー、これに、中華麺も付けたい! と思った。そうだ、去年は冷やし中華を食べなかったから、今年は食べなくては。

夫の平日のお昼用に揚げ浸し(なす、ピーマン、エリンギ)を作ったので、味見に少々。

あとは、つぶ貝が安かったので1パック買って、これは私のおつまみに。小鍋に薄くのばしためんつゆ、薄切りしょうがと一緒に入れて、ゆっくり加熱。5分ほど煮てからそのまま置く。ちびちび飲みながら爪楊枝などで巻き貝の中身を出すのも楽しい作業…なのかもしれませんが、私はあまりこれが上手ではない。見かねた夫が果物フォークを使って全部取り出してくれました。よく考えると、どこに行っても巻き貝の中身を出すのは夫…。いつもすいません…。

ゆで玉子は夫のおつまみです。お酒じゃなくて、りんごサイダーのお供に。

小エビとさくらんぼの唐辛子炒め

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週末の気楽さで、作ってみたかった料理を2つ作ってみる。

手前は、陳建一さんの『うま辛でごはんがおいしい四川料理』にある「小えびとさくらんぼの唐辛子炒め」、奥は氏家昭子さんの『だから、食べたいタイ料理』にある「かにと春雨の土鍋蒸し』のかにをはまぐりに置き換えたもの。

特に「小えびとさくらんぼ…」はだいぶ前から興味津々だったのですが、この料理のためにわざわざさくらんぼを買うというのはちょっとねぇ…と躊躇していたのですが、数日前に買ったアメリカンチェリーが悲しいほどに全くおいしくなかった(甘くなく、やや青臭く、固い)ので、思い切ってあの料理に使ってみるか! となった次第。そのまま食べておいしくなかったのなら、料理に使ってもおいしくないのでは…と少し思いましたが、まぁ、その時はその時よ…と割り切ってのチャレンジでした。

結論から言うと、おいしかったです。しかし、これ、作るの結構大変でした。というのも、さくらんぼは先に衣を付けて揚げるのですが、この衣が蛋泡糊という、卵白を固く泡立てたものを使うタイプの衣なので、まずはこの準備が大変。卵黄、水、薄力粉、片栗粉を混ぜたものに固く泡立てた卵白を加えて混ぜ、種を抜いて薄力粉をまぶしたさくらんぼにたっぷり絡めて低温(120~130度)の油で揚げます。その後、下味を付けたえびも油通し。中華鍋で、赤唐辛子、ねぎ、しょうがに合わせ調味料(しょうゆ、酢、砂糖、こしょう、鶏ガラスープの素、水溶き片栗粉)と一緒に炒めて仕上げます。本当はカシューナッツも入れますが、今回はなかったのでパス。

あんなにおいしくなかったアメリカンチェリーが、衣を付けて揚げただけであんなに甘くなるとは驚きでしたが、えびとの相性も良く、えびと一緒に食べると、そのほんのりとした甘さがえびの甘さとよく合って絶妙な美味しさでした。パイナップル入り酢豚に抵抗がない人は、これも、おいしいと思うと思います。作るのは大変ですが、これは、また作りたいなぁ。

「…春雨の土鍋蒸し」ですが、はまぐりから出る汁を春雨に吸わせたらおいしいんちゃうんか…と思って、これを思いついたのですが、これまたいい読みでした。「プー オップ ウンセン」って、他の料理本でも見ますが、面白いなぁと思うのは、ココナッツミルクではなく牛乳を使うところ。タイ料理でも牛乳をつかうんやなぁ…。はまぐりで十分おいしかったけど、せっかくだから、今度はわたりがにで作ろうかな。

夫からゆで玉子をリクエストされていたので、10個一気に作ったのですが、ついうっかり、黄身を半熟で作ってしまった…。「ほぼ固ゆで」みたいな感じに作りたかったのに…。ゆで玉子に松田のマヨネーズをたっぷり乗せて食べるのが夫の最近のマイブームなのですが、トロトロの黄身では美味しさゼロだったらしく、終始無言で怒ってた。やっぱ、慣れない量で作るとダメねー。

 

にんにくの芽の回鍋肉ふう

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豚肉を解凍していたので、キャベツでも買って回鍋肉っぽい炒めものでも作るか…と思っていたのだけど、夫が「にんめのほうがいい」というので、それで。にんめとはにんにくの芽のことですが、近所の八百屋では常に「にんめ」と段ボール製の短冊に書いて売っているので、うちもその言い方が定着してしまった。

回鍋肉って案外、料理人によってだいぶレシピが違う。今は『よくわかる中国料理基礎の基礎』にある割合がお気に入りなのだけど、実のところ、プロ向けのものだからか、まんまレシピ通りに作ると少し味が濃い。だもので、先日麻婆茄子を作って美味しかったので、再び『陳建一のうま辛でごはんが美味しい四川料理』にあるレシピで作ってみることに(「ゆで豚と野菜の豆板醤炒め」)。本では、キャベツ、ししとう、赤ピーマン、セロリ、ねぎを使っていますが、今回はにんめとにんじん少々のみで。調味料は、ドウチ、甜麺醤、豆板醤、しょうゆ、酒、砂糖、こしょう。豆板醤としょうゆをそれぞれ三分の一ずつ減らしたけれど、うちにはちょうど良かったです。甘ピリ辛のお肉ににんめの甘みの組み合わせがばっちり。夫にも大好評でした。今度は、本の通りの具の組み合わせでも作ってみよう。

もうひと皿は、冷蔵庫掃除を兼ねて、半端物を混ぜ合わせただけのサラダ。塩もみきゅうりに、青じそ、みょうがを刻んだの、ほんのちょこっと残っていたケッカソースに自家製ツナを散らし、ツナの漬け油にポン酢を加えたドレッシングを回しかける。案外イケるひと皿になってビックリ。

かつおのたたき

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ふらりとスーパーに買い出しに行って、かつおが安かったし、美味しそうだったので、たたきにすんべと買って帰る。普通に刺身にしてもいいんだけど、なんとなく、周囲を焼き付けてから食べる方が好きなの。面倒くさいんだけどねぇ。でも、これが好きなんだからしょうがない。

薬味は、青ねぎ、青じそ、しょうが、みょうが、白ごま。旭ポン酢でさっぱり食べます。美味しい。

香菜の葉を粗く刻んで、揚げ玉ねぎを加えた、白和え風。薄口しょうゆと石垣島ラー油をかけて食べます。木綿豆腐で作ったので、夫はついぞ手を出さなかった。木綿も美味しいのに。

夫が「昨日の陳建一さんの麻婆茄子もいいけど、俺はいつものウー・ウェンさんの麻婆の方が好きだ。というか、それよりも田舎煮を」というので、今季初の仕込み。元ネタは『おそうざい十二カ月』にある料理なのですが、もうだいぶ自己流になっています。1袋だと一回で食べきられるので2袋(大きめ6本)で作ったんですが、出来上がりを見ると、結局一瞬で食べきられそうな量でした(野田琺瑯のレクタングル深型大に半分ほどの量だった)。

とりあえず、お味見程度に小鉢に盛って出しましたが、「うん、まあ、美味しい」という感想でした。それは、美味しいのか美味しくないのか、どっちなのだ(美味しいものを食べたかったら、もっと具体的に感想を言うべきである)。

今日は1日中微熱があったようで、お酒がお猪口1杯しか飲めなかった。悲しい。

麻婆茄子

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今日は昼夜で歌舞伎観劇なので、2食分の弁当を作って出かける。外で食べたり弁当を買ってもいいんだけど、量が多いので、食後に眠くなるのね…。それに、歌舞伎座って、ベンチが少ないので、ゆっくりお弁当を広げられる場所がほとんどない。自分の席で食べればいいじゃんと言う話ですが、席によっては、人の出入りが激しい。ことに、激狭の3階席で2段重ねの弁当を広げたところに、「ちょっとスイマセン、前を通して下さい」なんて言われた日には、もう、ほんと、困っちゃいます。それもあって、ちっこい弁当箱にコンパクトにまとめた弁当を持参するのが、いちばん賢い…と言う結論になっちゃうわけです。

観劇弁当ににおいのきついものは厳禁と分かってはいるものの、昨日作ろうと思っていた麻婆茄子をどうしても作りたくて、朝から中華鍋。『陳建一のうま辛でごはんがおいしい四川料理』にあるレシピに忠実に作ります。

どんだけ忠実かというと、なすを素揚げするところから。でも、「皮を縞目に剥いてから乱切りして…」と言う部分は真似できなかった。猛烈に油吸い込みそうで。普通に乱切りして、180度でややきつね色になるまで揚げたらバットにあける。豚肉、にんにく、しょうが、甜麺醤、豆板醤、鶏ガラスープ、酒、しょうゆ、砂糖でベースを作って、揚げたなすをいれて煮込んだら、ねぎ、水溶き片栗粉、酢。豆板醤としょうゆを半分強に抑え、それに合わせて砂糖も少し減らしたのですが、結果的に、抑えない方が良かった気がする。なぜなら、なすをしっかり揚げているから。ご飯と食べようと思うと、これだと若干物足りない仕上がりになってしまう。結構悩ましい料理ですな。

食べた感想は、ものすっごく懐かしい、中華料理やさんの味。印象は甘酸っぱくて後から辛い。別に甘くもなく酸っぱいわけでもなく、しっかりご飯に合う味なんですが、隠し味程度にしか使わない砂糖と酢が全体の印象を作っているなという感じ。今度は、この本のエビチリを作ってみたいな、と思いました。きっと美味しいよ。