言問団子

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今日は、平成中村座の昼の回を観に行ってきました。

わたしにとっては初めての平成中村座、とても楽しみでしたが、いかんせん高い…。上から、お大尽、松、竹、梅、桜の4段階なのですが、一番安い桜でも10500円。これを昼夜見るとなると、予算的にかなり苦しい。

ただ、今月は口開けの月だからとりあえず昼夜観たいし、昼と夜とどっちがお目当てかと言えば、仁左衛門と勘三郎でやる「沼津」がある夜の回。だもので、思い切って夜は竹を取ったので、昼は桜で。それでも、昼夜合わせて25200円。普段、演舞場の昼夜公演を10000円以内で観ている私からすると、相当張り込みました! と言えます。いろいろ事情はあるんでしょうが、この値段、なんとかならんものでしょうか。

桜席ってのは、お大尽席と並んで、平成中村座独特の席区分だそうで、なんと、2階席の幕の内側なんです。つまり、舞台を真横から見下ろす形になるわけでして、何とも不思議な席でした。だから、幕が閉まると、私たちの横にも幕が引かれます。でもって、幕間中は大道具さんたちが舞台を組みなおしているさまが見られるわけでして、これはこれで得難い観劇体験だったかもしれないです。が、基本的に、舞台ってのは、正面を向いてやるものですから、やっぱり観るのはしんどい(表情がよく見えないのでさびしい)。シアターコクーンのコクーンシートよりはマシですが、かなり疲れました。個人的には、1回体験すればもういいやという感想。5月までのロングラン公演ですが、今後は、梅、桜も交えて昼夜観るよりも、松1回で昼夜どちらかを観る…という形になると思います。昼夜どっちも観たい演目だった時はどうしよう……と、今からちょっと心配してます。

平成中村座、11月公演昼の回は、「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」の「角力場(すもうば)」、「お祭り」、「義経千本桜」の「大物浦」「渡会屋」の3本。

「双蝶々曲輪日記」は、「引窓」は観たことがありますが、「角力場」は初めて。濡髪長五郎を橋之助、山崎屋与五郎/放駒長吉を勘太郎が二役で。話そのものは引窓のほうが好きですが、角力場もいろいろ見どころがたくさんあって、観ていて楽しかったです。長五郎は当時の最高位である大関であり(だから貫録がある)、巨漢という設定ですが、そう見えるように衣装や演出にいろいろ工夫がされており、そういうのがいちいちわたしには面白い。与五郎はつっころばし(いわゆる、アホボン)の代表的な役のひとつですが、勘太郎の与五郎は愛嬌があってかわいかった。

「お祭り」は山王祭をテーマにした舞踊ですが、大向うさんが「待ってました!」と声をかけると、鳶頭が「待っていたとはありがてえ」と返すのがお約束でして、勘三郎さんに限らず、休養明けの一発目にかかることも多い演目だそうです。お約束とはいえ、「待っていたとは…」を聞くのはいいものでして、そりゃもう拍手でしょう。今回は、平成中村座ならではの演出ということで、途中で舞台の後ろを開放して、隅田川にスカイツリーを借景として見せる演出がなされたのですが、わたくし、桜席だから見えないのね……。なかなか素敵な演出だったようですが、観れなくて残念。

「大物浦/渡会屋」は、渡海屋銀平実は新中納言知盛を仁左衛門、女房お柳実は典侍の局を孝太郎で。7月の国立劇場(松緑&魁春)で観て以来2度目ですが、役者が変われば雰囲気も変わるもので、全然違った印象を受けました。

幕間にお弁当食べましたが、桜席は撮影禁止なので(ほかの席だったら幕間中の劇場内撮影可能)、写メは撮らず。まぁでも、舞台袖で過ごす幕間は何とも不思議な気分でしたよ。

帰りは、浅草駅までの無料バスも出ているのですが、まぁ天気もいいし、私、お客さんの中では相当若いほうだし…ってことで、スカイツリーを写メりながら、駅まで歩く。ついでに、松屋によってデパ地下探検し、言問団子を買って帰宅。見た目よりあっさりしていてどれも美味。特に、味噌あん(黄色)がすごくおいしかったです。

後で気づいたんですが、この日は一の酉だったんですよね、あぁ~気づいてれば、浅草寺に寄ったのに! と、団子を食べながら地団駄踏んだ私でした。

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