カテゴリー別アーカイブ: 歌舞伎の日

ローザ―洋菓子店

2018-07-03 10.47.04

国立劇場に歌舞伎を見に行くついでに、ローザー洋菓子店に行ってみる。ここは水色を基調としたレトロかわいいカンカンに入ったクッキーボックスで知られた店で、クッキーもとてもおいしいということで、一度行ってみたいお店なのでした。ただ、行ってみたいわぁと思って10年以上経ちますが、平日しかあいておらず、開店して2時間ほどでほぼ買うものはなくなってしまい、しかも半蔵門にある(うちから遠い)、という厳しい条件から、なかなか行けずじまいだったのでした。ようやくチャンスが来た。

グーグルマップを頼りに行ってみると、なーんだこんなところだったのか、と言う場所だったのですが、おそらく過去に3回ほどこの店の前を通っています。でも、全く気付かなかったのは、看板がなく、店内の照明もほぼなくて、ショーケースにもほとんど商品がないという外観ゆえだと思います。知っている人だけくればいいという雰囲気が清々しいなと思いましたが、お店の人もそういう雰囲気で、ちょっと気が弱かったり、店頭でグズグズしがちな人は、予習なしで行くと結構つらいかもしれないです(意地悪ではないです。愛想がないというのが正解かも)。ただ、この界隈のほかのお店で、モノを買ったり、食事したりしたことが何度かありますが、どこもそういう感じだったので、この街自体がそういう雰囲気なのかもしれません。古い街だものね。

で、最初からクッキーボックスを買うのはあまりにも贅沢…ということで(そもそも予約しないと買えない)、袋詰めのクッキーを狙っていったのですが、開店1時間後に入ったところ、もうすでに「本日のクッキーは売り切れ」の札が立っていて愕然。どうやら、私の直前にいたおじさんが、全部買い占めた模様。そういう売れ方もあるのね。やっぱり9時半に行かないとだめなのね。

ショーケースの中には、シュークリームが2種類と、コーヒーゼリーだけ。えーーーとショックを受けつつ、シュークリームを2個買って、その足で、国立劇場へ。

幕間に食べようかなと思ったのですが、少し時間があったので、ふと、1個くらいいいよね…と、生クリームの入ったシューを食べたら、いやはやびっくり。ものすごくおいしい。シューの皮はここまで焼くかと言うくらい焼かれていて、ものすごく香ばしい。焦げ手前だけど、焦げてない。その中に生クリームがぎっしり。生クリームだけなのに、凄くおいしい。がつがつ食べて勢いづいて、カスタードシューも食べたけど、生クリームのほうが好き。食欲不振だったのに、あんなでかいシュークリームを2個も食べてしまった。おいしいものってすごいわ。

歌舞伎もよかったんですが、今日は、シューのインパクトがすごかった。

おむすび権米衛

2018-06-20 12.56.45

六月大歌舞伎の昼の回に行ってきました。妹背山って、いじめのシーンが苦手でいつも悲しくなるんだけど、そのあとの文屋、野晒悟助のおかげで、いい気分で帰ってこれました。菊之助さんは、六歌仙を全部踊るつもりなのかな? 先月の喜撰より似合っていて、とても楽しかった。野晒悟助はさすが菊五郎劇団と言うべきアンサンブルで、これはまた見たい。最後の傘を使った立ち回り、見ごたえがあって楽しかった。

お昼は、おむすび権米衛の、豚味噌玄米おにぎり、鮭玄米おにぎり。2個は多かった…、今度は、1個とゆで玉子とか、少し工夫して買おう。あと、私はやっぱり、おにぎりは海苔を巻いてあるのが好きなんだな、と思いました。

歌舞伎茶屋

2018-06-08 17.15.24

汐留で所要を済ませて、六月大歌舞伎の夜の部を見に歌舞伎座へ。用事が押して、生意気にもタクシーで「歌舞伎座まで!」をやってみたが、6丁目の交差点で思いのほか時間を食ってしまい、案外、電車で行くのとそんなに変りなかったかもしれない。

地上からダイレクトに入場してしまったため、コンビニによる余裕がなく、やむなく館内でお弁当を調達。1Fの売店は赤とんぼのサンドイッチか、汎のビーフヘレカツサンドか、あとは吾左衛門鮓が何種類か…だったけど、サンドイッチって気分じゃなかったし、吾左衛門鮓はちょっとごつい。2Fの売店だと、赤飯弁当かお稲荷さんとあって、赤飯弁当はお値段が立派だったので、消去法でお稲荷さん。あんまりにもお腹が減っていたので、最初の幕間は15分しかなかったのに、ぱっと食べてしまった(おかげで、2度目の幕間は30分あったので時間を持て余してしまい、ジャンボ歌舞伎揚げを食べてしまった)。ちなみに、3F売店では、地雷也の天むす弁当が販売されていました。

お稲荷さん弁当、正直、あんまり期待せずに買ったんだけど、とってもオーソドックスな味で、おいしかった。お稲荷さんだけかと思いきや、玉子焼き、かまぼこ、鶏のから揚げ入り。ちょっとうれしい。

で、何を見に行ったかと言うと、夏祭浪花鑑ですよ。そもそもこのお芝居がすごく好きなのですが、しかも団七が吉右衛門ならなお楽しみ。よかったですねぇ。7年前に初めて見た(平成23年六月大歌舞伎)時の峻烈な印象と比べると、やはり年を取られた…と思わなくもないのだけど、やはり格好良い。私にとっては、吉右衛門そのものがヒーローなので、かっこいいという感想しかないのだ。

もうひとつは、巷談宵宮雨。私は観るのは初めてなのですが、宇野信夫の脚本だから、絶対面白いだろうと思いましたが、ものすごく好みの話で、期待通りに面白かった。こういう感想は人には言いにくいのだけど、初見でパッと思ったのは、わー、「8時だョ! 全員集合」みたいだー、でした。でも、ただドタバタ話というわけではなく、うっと思うところがある。お金にまつわるそれぞれの人間のさもしさみたいなものが、見終わった後にじわじわと迫ってきて、なんともいえず、面白い芝居でした。これは再演されたら、夫も連れて行こうかな。

おむすび権米衛

2018-04-26 12.10.59

四月大歌舞伎の昼の回に行ってきました。この日は千穐楽だったので、平日といえども結構混んでるのかしら…と思ったら、意外といい感じに全体的に隙間があって、快適に観劇できたという意味では結構な感じでした。両隣ともびっしり人がいるっていうのは結構しんどいものでして、今日くらいの隙間があると狭い三階席もつらくないし、トイレも売店も、ロビーにあるベンチにも、気楽に行けていいな。劇場からすると、もちろん大入りのほうがいいに決まっているでしょうが、私からすると、人が少ない空間はありがたいばっかり。

演目は、「西郷と勝」と、「裏表先代萩」の通し。「西郷と勝」はもちろん大河ドラマにかこつけて…という部分があるんでしょうけど、だったら、「西郷と豚姫」もやってくれればいいのに、と思った。錦之助の勝海舟はすごくよかったが、しかし、やはり、一番良いところで寝てしまった。どうも、真山青果をきちんと全部見るのは難しい。

「裏表先代萩」とは通称で、本当の題名は「梅照葉錦伊達織」(河竹黙阿弥)というのですが、時代物の名作「伽羅先代萩」(奈河亀輔)を下敷きに作った「桜舞台幕伊達染」(四世鶴屋南北)というお芝居を書き換えたものだそうです。つまり、「伽羅先代萩」→「桜舞台幕伊達染」→「梅照葉錦伊達織」ってこと。「伽羅先代萩」はコテコテの時代物ですが、「桜舞台幕伊達染」は、小助という小悪党を登場させ、「先代萩」のストーリーの合間に、小助を主役としたサイドストーリーを挟むことで、時代物と世話物を交互に見せる構成になっています。こういう構成のお芝居を歌舞伎では「テレコ」といい、「互い違いにすること」「あべこべ」という意味なんだそうです。だから「裏表」ってつくわけです。表は時代で、裏は世話。

なんでこんな複雑な構成にするんや…と思いましたが、実際に見ると、面白い。そもそも「伽羅先代萩」の話って結構重いので見るほうもそれなりに覚悟が要りますが、今回は世話から始まるので、アハハと笑えるのが、個人的にはうれしい。しかも、この幕(大場道益宅)がとってもおもしろかった。大場道益をやっていた團蔵さん、最高。最終的には、妾に来てもらいたい人にはフラれるし、殺されるし、お金取られちゃうんですけど。で、この後、おなじみの「御殿」「床下」で、そのあともう一度世話で「小助対決」、最後にまた時代で「仁木刃傷」でシメ。気楽にみられる世話物に、重厚感のある時代物、荒事も少々、江戸時代版の法廷シーンまであって、色々盛りだくさん。まさにエンタメやなぁという感じで面白かったです。そうそう、最後の幕の「仁木刃傷」で、最後大望を遂げた渡辺外記左衛門(東蔵)が息も絶え絶えに舞を舞うシーンがあるんですが、いつもそこが腑に落ちないのですが、今回も微妙に不思議な気分だった。なぜ死にかけているのに舞わねばならんのだろう。舞っている外記を見て、細川勝元(錦之助)が「めでたいのうー」というのが、どうも納得いかない。ちゃんと通しでストーリーを把握しとかないとダメなんだろうなぁ。

ところで、もともと「桜舞台幕伊達染」が作られたのは、三代目菊五郎が、四世南北に「おれも、仁木弾正をやりたい。世話で」と言ったのがきっかけらしいので、仁木弾正と小助は二役なのは当然として、その上で、政岡か八汐を含めた三役で演るのがお約束のようです(今回、菊五郎さんは仁木弾正と小助の二役。政岡は時蔵、八汐は彌十郎)。まさしく悪の華ともいえる仁木弾正と、愛嬌はあるけどケチな小者の小助を同じ人間が演じるところが面白さのひとつなんでしょうが、よく考えたらこの構成、夜の回の「絵本合法衢」と同じやん。で、南北で伊達騒動をテーマにしたお芝居といえば「慙紅葉汗顔見勢(伊達の十役)」のほうが有名ですが、こっちのほうが先に書かれたもののようです。伊達騒動そのものがどれだけ客受けするネタだったかともいえますが、今も昔も庶民はスキャンダル好きってことなんでしょうかね。

ということで、今日のお昼は、おむすび権米衛の玄米おにぎり、豚味噌入り玄米おにぎり、鶏の唐揚げ。幕間が3回あったので、ちんまりと食べました。

麻婆たけのこ弁当

2018-04-09 18.34.53

お昼に作った角煮のタレ味ではなく、いつもの麻婆の味付けでたけのこと豚肉を炒めたものも作っていました。ミニ丼の体で、お弁当にして持っていきます。からし菜のオイル煮をそえましたが、これ単体で食べると癖のある苦さが、結構おいしい。お昼は、混ぜたのがいけなかったんだな…。

今日は、四月大歌舞伎の夜の回を見に行きました。演目は、絵本合法衢の通し。仁左衛門が大学之助と太平次の二役を演じるのですが、今回で一世一代とのことで、ことのほか楽しみに出かけました。南北好きだし。一世一代というのはこの役はこれで演じ納めですと宣言することなんですが、以前テレビで「年を重ねることがよい味になる役もあるが、そうでない役もある。そうでないお役の場合は、自分で線を引かないと。そうしないと、いつまでも演じ続けてみっともない姿をさらすことになる。本当はいつまでも演っていたいのだから。」と言った意味のことを話していたが、役者の美意識と欲ってのはアンビバレンツなこともあるのだなぁと、ちょっと印象深かった。

数年ぶりに見て、まず最初に思ったのは、まぁよく人が死ぬ話だよってこと。南北さんはサイコパスを書くのが好きなのかなと思うくらい、主人公の二人は何のためらいもよろこびもなくばさばさと人を殺す。愛嬌満点の太平次パートがなければ結構しんどい話のような気もするのだけど、でも太平次も金の亡者でサイコパスなんだよなぁ。ほんと人って不思議だよ。

最後は、大学之助が仇討されておしまいなんだけど、決定的瞬間はなしで、切り口上でシメ。切り口上って最初観た時はびっくりしたけど、いかにも芝居っぽいし、見終わった後の後口がいいので、結構好きです。

豆の煮物入りおこわ握り

2018-03-05 12.37.52

三月大歌舞伎の昼の回を観に行っていました。今回の演目は、国姓爺合戦、男女道成寺、芝浜革財布の三本。久しぶりの愛之助もうれしかったですが、今回は何よりも、芝翫が素敵だった。国姓爺合戦の甘輝もよかったし、芝浜革財布の政五郎もチャーミングで最高。落語と違い、ラストはほんまもんに「エエ話」で終わっており、観終わった後も爽やか。いい気分転換になりました。

幕間は、豆の煮物入りおにぎりをかじる。ホントはきれいなお弁当もいいなぁと思うのだけど、お腹一杯になりすぎると眠くなるからなぁ。4時間居眠りすることなく座り続けられる最低限の体力維持を最優先に考えると、市販のお弁当は量が立派過ぎるのだ。

コンビニご飯

2018-02-24 13.00.47

二月大歌舞伎の昼の回を観に行ってきました。一月に引き続き、高麗屋の三代同時襲名披露公演でして、二月は昼夜とも、幸四郎襲名披露狂言が公演の柱になっています。夜の回は熊谷陣屋でしたが、昼の回は一條大蔵譚。

私はこのお芝居は大好きで、しかも近年若手からベテランまでいろんな方がされるのですが、今回見た印象では、40代以下の役者さんに限って言えば、新幸四郎は結構いい線いってるような気がする。以下は私のごく個人的な好みの話なのですが、このお芝居って作り阿呆の部分がとても楽しいので、それを楽しみにみちゃうんですが、何回か見るうちに、本当に楽しみにしているのは阿呆の部分じゃなくて、阿呆から素に戻った時の怜悧さと阿呆に戻る際の一瞬の狂気を見たいのだな…ということに気付いたのでした。その一瞬の美しさを見たいからこそ、その対比としての阿呆も説得力を持ってアホらしくふるまってもらわなきゃならん、と(何様だ…)。新幸四郎は美形だし、本質は二枚目だけど、三枚目もできるし、お似合いだな…と思ったのでした。

ほかは、春駒祝高麗、暫(海老様がちょっとお元気ない様子…)と、ご祝儀的なお芝居が2題かかり、キリは吉右衛門と雀右衛門で井伊大老。実はこれが一番楽しみで出かけたんですが、絶品でしたね。ほぼ2人の会話だけで進むお芝居なのですが、しみじみと物悲しい、味わい深いお芝居でした。前回は、吉右衛門と玉様(玉三郎)でそれも素晴らしかったですが、今回の雀右衛門は以前よりも可愛らしさをアップさせており、半分聞きわけがよくて半分はそうでない、その無邪気な感じがこのお芝居には合っているような気がしました。

幕間は、ローソンで買ってきた、おぎのや監修のおにぎりセット。玄米入りの梅干しおにぎり、鶏めしおにぎりに、玉子焼き、玉こんにゃくとがんもの煮もの、つくね焼き、漬物。玄米おにぎりと煮ものが美味しかった。そういえば、しばらく、峠の釜めし食べてないなぁ。新宿駅で買えるみたいなんだけどね、あんがい立ち寄る機会がない。

2018-02-24 13.19.48

今月の祝い幕は、草間彌生の絵が3枚並んだもの。通常、祝い幕といえば、「○○丈江」と贈り先の役者さんの名前とか、「ご襲名おめでとうございます」といった祝いの言葉とか、送った人の名前(というか、普通は会社で送ることが多いので会社名)とか、そんな文字も入るものなんですけど、そういうの一切なく、画家の名前だけあるってのが、なんか驚いた。個人のご贔屓さんが幸四郎さんの希望を聞いて贈ったものだそうですが、いろんな意味ですごい幕だなぁと思いました。ただ、せっかく草間さんの素敵な絵を使っているのだから、もっと長くかけておけばいいのに…とは思いました(祝い幕って、なぜかすぐに畳んでしまう)。

えのぱん

2018-02-17 16.01.55

二月大歌舞伎の夜の回を観に行ってきました。今日の晩ごはんは、えのぱんのあんバターコッペと出し巻き玉子サンド。

今月も高麗屋の三代同時襲名公演で、夜の回は、熊谷陣屋、壽三代歌舞伎賑 木挽町芝居前、仮名手本忠臣蔵の七段目(一力茶屋の場)の3本。熊谷陣屋は、新幸四郎が満を持して熊谷を演じるご披露狂言ですが、結構さらっと見てしまった。悪くないんだけど、そういえば先代の幸四郎の熊谷も割にさらっとした印象が強いので、高麗屋の雰囲気なのかなぁとも思ったり。基本的に理不尽な話なので、圧倒的な説得力がないと、面白く観れないのよね。難しいお芝居です。

木挽町芝居前は、口上代わりのご祝儀小芝居って感じで、両花道を使って20数名の役者がずらり並び、黙阿弥調にそれぞれ自己紹介するところが面白かった。私は3階席なので姿は全く見えなかったが、それでも耳だけでも十分楽しめた。私が行った日は羽生結弦選手が金メダルを取った日でもあって、小芝居の中でも「はい、金メダルをいただいたところで…」(菊五郎)、「銀メダルも…」(吉右衛門)といったアドリブも飛び出していていい雰囲気だった。その最中、舞台正面に座った幹部たちは皆うつむいて台詞をじっと聞くという姿の人が多かったが、仁左衛門だけは、都度演者の方向に身体をむけ、それぞれの姿をにこにこ顔でじっくり見ていたのが印象的だった。

キリは七段目。由良之助が白鴎で、力弥が染五郎ってことが大事な見どころなんだけど、それ以上に注目は、隔日で「にざたま」が出る趣向。平右衛門が仁左衛門、お軽が玉三郎でして、もちろんそれを狙ってチケットを購入していた(もうひと組は、海老蔵と菊之助)。実際芝居を見ても、主役はこの二人でした(っていうか、主役を食っちゃう勢いでしたが)。

仁左衛門は悪い奴から憎めない奴まで何でもできるけど、今回は憎めない奴。自分の都合で、妹に「死んでくれ」っていう兄って、頭おかしいだろと思うけど、不思議にしゃーないか…と思いながら見てしまう。あと、お軽って、すごくかわいいんですけど、現実に隣にいたら絶対いらっとする女だろうな…と思いながらいつも見ているんですが、玉様が演じる、その何とも言えないかわいらしさが絶品なんですよね。仁左衛門もそうですが、「憎めなさ」を演じるのがお上手なところが、好きなのかもしれない。しかし、にざたま狙いのお客さんは本当に多くって(あたりまえだけど)、幕間の舞台写真売り場は結構なカオスでございました。

えのぱんの、だし巻き玉子サンドは、買ったのがお昼過ぎだったので、食べるころには出しが染み出てパンがベチャベチャになってるかも…と思ったのですが、19時ごろに食べても全く問題なかったです。しっかり塩けのきいた玉子焼きと、ほんのり甘くてきめ細かい食パンがよく合っていて、とてもおいしい。

だるま弁当

2018-01-13 19.30.13

新橋演舞場の初春歌舞伎公演のBプロを観に行ってきました。数年前のコクーン劇場のABIKAI(確認したら2013年8月だった。5年も前…)で見た「疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。」が、装いを変えてまたかかかるとのことなので、どれだけ変わったのか…興味津々でお出かけ。今回は「通し狂言 日本むかしばなし」と題し、竜宮物語、桃太郎鬼ケ島外伝、疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。、一寸法師、かぐや姫、の5幕構成。いずれも脚本は宮沢章夫、演出は宮本亜門。

ぼちぼち耳にする感想が芳しくないものが多かったので正直不安半分でしたが、だからでしょうか、それなりに面白く見ました。浦島太郎と桃太郎外伝は右團次さんの演技力で持っている部分が大きかったですが、うまい人は何をやってもうまいなぁとつくづく実感。美しい笑也さんを拝見できたのもうれしい。桃太郎外伝は鬼が主役で小劇場っぽい感じが個人的にはかなり好きだけど、ただ、歌舞伎かな? といわれるとちょっと言葉に詰まる。花咲爺さんは、悪い爺さんに獅童を迎えたのと、短く整理しなおしたおかげで、話のテンポが良くなった印象。一寸法師は舞踊で見せる趣向で、鷹之資の踊りをたっぷり見られてよかった。なんか、声も見た目もお父さん(私が知っている最晩年の富十郎)にそっくりだなぁ…と驚く。まだ二十歳になってないよね、確か…(18歳だった)。ここまでは面白く見ていましたが、問題はかぐや姫。

そもそも今回は、発端が月の世界の騒動から始まっており、その騒動の結果、鬼石という不思議な力を持った石が地球に落ち、それと同時に月の姫が地上に逃げる。石は様々な物語に登場して物語を展開させ、最後に手にした姫が恋しい人を地上に置いて月に帰る…というのが、物語の本筋。浦島太郎とか桃太郎とか花咲爺さんとか一寸法師はおまけであって、実はかぐや姫の話こそが物語の主題なんだろうなぁ…と気づいたのは見終わった後なのですが(かぐや姫の幼少時を堀越麗禾ちゃんがやった時点で気付くべきなんでしょうが)、もはや最後の幕は海老蔵のお芝居というよりは、天国の奥様に想いを語る堀越孝俊さんとしか見えず、なんともいえずしんみりとした気持ちで劇場を後にしたのでした。

幕間のお弁当は、せっかく新宿を経由していくのだからと、京王百貨店の駅弁大会に寄って、だるま弁当(群馬駅、たかべん)をチョイス。群馬まで行かずとも大宮駅でも買えるのを知っていますが、でも、食べたことないしね…と選んでみました。だるま型のお弁当箱は、私でも片手で安定して持てる形で、狭い座席でも落ち着いて食べられるのがありがたい。小ぶりなのかと思いきや、中身は結構なボリュームで、薄味の茶飯の上に、鶏八幡巻、鶏肉焼、煮物(こんにゃく赤・黒、しいたけ、たけのこ、山菜)、甘い煮物(栗甘露、花豆)、漬物(小茄子、山牛蒡、山くらげ)が乗っています。盛り付けがおかしいのは私が雑に持ち歩いたからです(すいません)。「黄檗普茶料理風に調理」とのことですが、味のバランスがよく、最後まで美味しくいただきました。さすが名物駅弁。

歌舞伎座にて

2018-01-06 12.13.06

寿初春大歌舞伎…というか、高麗屋三代同時襲名公演を観に、歌舞伎座へ。今月はもろもろイベントが多く、昼夜一気の観劇。お正月公演ってのはそれだけで独特の雰囲気があっていいものですが、さらに襲名公演で、しかも三代同時と、おめでたさも三倍で、ロビーはより一層の華やかさに包まれていました。なんにつけ、お祝いってのはいいものです。

松本幸四郎が松本白鴎に、市川染五郎が松本幸四郎に、松本金太郎が市川染五郎にお名前が変わるわけですが、名前が変わるだけで何が変わるんだ…と思いきや、やっぱり何か変わるんですよねぇ。不思議なものです。

お祝いムードにつられて、久しぶりに売店でお弁当を買いました。刷毛じょうゆ海苔弁山登りの海。築地か銀座シックスの売店でしか買えないと思っていたら、昨年末から歌舞伎座の売店でも少し売るようになっていたのでした。「ド定番を丁寧に」がコンセプトだそうですが、確かに、どれもすごく気が利いていて、とっても美味しかったです。特に、鮭と海苔がとてもおいしい。副菜は、ちくわ磯辺揚げ、れんこん大葉もち、白滝たらこ、ほうれん草ナムル、玉子焼き。ただ、すごく派手な味付けでもあるので、お酒なしに全部食べるのはちょっと大変だったです。個人的には、塩分を半分くらいに抑えると、もっとしみじみと美味しい感じになるだろうな…と思ったけど、市販のお弁当でそれは、無理なんだろうなぁ。

昼の部の最大のお目当ては、白鴎が松王丸を演じる寺子屋。武部源蔵は梅玉、千代は魁春、戸波は雀右衛門と安定の布陣で楽しかったです。

2018-01-06 17.23.55

昼夜一気に見るときは、夜の回のチケットも劇場内でもぎってもらうことが多いのですが(つまり、外に出ない)、今日は昼夜の間が1時間あったので一旦劇場から出て、松屋まで夕食を調達しに出かける。正月休み明けの三連休の初日だからでしょうか、行きの電車もそうだったけど、銀座の街中もなんとなく人出がいつもより穏やかな感じ。混雑の程度がこれくらいで済むのなら、週末ももうちょっと頻繁に外出してもいいのになぁ…と思う。

お昼に食べた海苔弁が案外お腹に残っていたので、さっぱり系で…と、メルヘンのたまごサンド。メルヘンって1パックだとちょっと物足りないんだけど、2パックだと多いのよねぇ。ここが悩ましいところ。ただ、今日は、本日最大のお楽しみである勧進帳に向けて、ちょうどいいお腹具合にするのが大事なので、1パックで我慢。その代りデザートがてらに、りょくけんでりんごを買いました。スリムレッドという品種で皮ごと食べられるとあったので、ちょうどいい。かじってみると、しゃくしゃくしていい歯ごたえだし、いい塩梅に甘酸っぱく、果汁が多くてジュースを食べているようでした。

夜の回は、最初の演目が角力場だったんですが、山崎屋与五郎と放駒長吉の二役を猿之助がやる予定だったのが愛之助に代わったのですが、これが結構儲けものでした。愛之助のあほぼんって好きなので、楽しかったなぁ。勧進帳は、本当に素晴らしかったです。幸四郎の気迫と弁慶の気迫が重なり合って、襲名の最初の公演だからこその緊張感がこちらにも伝わってきて、いつもとは違う雰囲気の勧進帳でした。新幸四郎のこれから続く長い旅路の最初の一歩を見ることができて、観劇冥利に尽きるとはこのことです。吉右衛門の富樫も眼福でした。