まい泉

まい泉 by nekotano

歌舞伎座で行われている、「杮葺落四月大歌舞伎」を観に行ってきました。私には珍しく、初日の観劇。

私は歌舞伎座が閉幕してから観に行くようになったにわかなので(前の歌舞伎座には2回しか行ったことがない)、実は歌舞伎座のことはよく分かりませんが、最初に中に入った感想は「あんまり変えなかったんだなぁ」というものでした。何故なら、以前に行ったときに感じた感想と全く同じ感想だったからです。なんていいますか、ごみごみしていて狭い。

客席からの見え方に関しては少々改善されているようで、確かに、三階席からもギリギリ七三は見える。あと、手すりの位置は結構考えられているようで、視界を邪魔されることがなくてありがたい…と思いました。個人的には、その劇場であれ、三階席の最前列は手すりの位置が高すぎて非常につらいのですが、今の歌舞伎座はかなり低く取り付けているようです。三階の最前列ってのは、敬遠したい席のひとつだったのですが、これなら大丈夫かも…。

ちなみに、テレビでは散々「席の幅や前の座席との間が広くなって、ゆったり見られるようになった」と言われていましたが、それは一等席だけのようです。三等席は相変わらず。二回もちらっと観に行きましたが。二等も結構きつそうでした。だとすれば、ロッカーの数はもう少し増やしてくれてもいいのになぁ…とは思います(地下にはたくさんあるのですが、不便です)。

この日は東銀座に10時半ごろ着いたのですが、地下道から直結してくれているのはありがたいのですが、入場するには地下道からいったん地上に出る必要がありまして、その手段は小さいエスカレーターひとつ(歌舞伎座のエスカレーターは高齢者仕様なのか、猛烈に遅い)。地上に出るまでが大行列。正面玄関から入るしかないのですが、あいにくの雨でして、ここでも大混乱。客はもちろん、案内するほうも覚束ない感じで、11時に開演できるのかよ、って感じでした(できたのですが)。

こんなおめでたい日ですから、1階ロビーにはさぞや豪華な面々が顔をそろえているのだろうなぁ…と思ったのですが、もう、そんなの確認する余裕なんてちっともなく。かろうじて、冨士純子さんと、菊之助さんの奥さん(瓔子さん)を拝見。幕間の時に、塩爺(塩川正十郎さん)を見かけたくらいでした。隣に座った女性たちが「吉兆が三階にできたから、これから有名人を見る機会が増えるかもね」と言っていましたが、そうかもしれません。ちなみに、彼女たちは、扇千景さんを拝見したそうです。

あ、そうそう、私は三階席東側のほぼ最後列エリアにいたのですが、山川静夫さんがいらっしゃいました。大向こうさんとして臨席されているようで、席にお座りにならず、立って観劇。最初の出し物の際には、市川染五郎さんに向かって、「染高麗!」と声掛けしておられました(聞いたことない掛け声だったのでちょっとびっくりした)。当然ですけど、今日の大向こうさんは普段の五割増しって感じでした。おかげで、幕間中、ロビーの椅子席は大向こうの爺さんたちに占拠されて、座る場所がなかった…。

一部の演目は「壽祝歌舞伎華彩」「お祭り」「熊谷陣屋」の3本。

「壽祝歌舞伎華彩」は、そもそも、藤十郎さんが鶴、團十郎さんが亀になって踊る、いわば三番叟的なものだったのだと思いますが、團十郎さんが亡くなられてだいぶ構成を変えたようです。中身についての云々はよく分かりませんが、藤十郎さんの不思議なオーラを感じられただけで、十分魅力ある舞踊だったと思います。

「お祭り」は「十八世中村勘三郎に捧ぐ」と添えられていますが、もともとは勘三郎さんが踊る予定だった演目です。鳶頭は三津五郎さんが務められましたが、さすがの存在感。この演目であれば、「待っていたとはありがてえ」のひとこえが眼目ですが、さすがに今回はなし。その代りに、勘九郎さんの息子さんの七緒八ちゃんが入場。あとで2歳と聞いて驚きましたが、まぁなんとも立派な初お目見えでした。ふと見渡すと、お客様で泣いている方、多かったです。こういう部分が、歌舞伎が他の演目と違うところなのかな、と思いました。

個人的に一番楽しみにしていたのが、「熊谷陣屋」。さよなら公演でこの演目を見て歌舞伎にハマったので、どうしてもこれは観なきゃなりません。

配役はかなり変わってしまったのですが、熊谷はさよなら公演同様吉右衛門さん。相模は玉三郎さん、藤の方は菊之助さん、義経は仁左衛門さん。うーむ、豪華すぎる。前回は、藤十郎さんの相模に心打たれたので、彼じゃないことに少しがっかりはしたのですが、玉三郎さんだったら問題なし。っていうか、丸本歌舞伎やる玉三郎さんを観るのって、初めてかも…。

熊谷陣屋自体は、さよなら歌舞伎以降も何回か見ていますが、やはりこれだけのクラスの役者さんがやると、観た後の満足感が段違い。観に行ってよかった…。

今は三部制になっているので、1回あたりの公演時間が短く、お昼を食べるかどうか迷ったのですが、結局、まい泉のお好み弁当を買いました。ヒレカツサンドとお寿司とクリームコロッケって、くどくね…と思ったのですが、実際そうでして、サンドイッチとコロッケだけ食べて、あとはパス。今度は弁当持参で行かねば、と思った次第。

まい泉」への2件のフィードバック

  1. tetu

    こんばんは。
    お久しぶりです。美由紀です。
    あいかわらずおいしそうなお料理ばかりで、ブログ読んでるとおなかがすいてきましたー。

    母がこの日のブログを見て、「ニュースでnekotaさんがテレビにうつるんじゃないかと思って探してたら
    やっぱり行ってたのね!」ということを伝えてくれ、とのことでしたのでコメントさせていただきました(笑)

    ところでシフォンケーキ。作っていますが、あと一歩!という感じでなかなか良いご報告が
    できません・・・。(以前よりは上手くなったと思いますが)
    この中途半端な出来具合が私の人生を表しているようで笑えます。

    夏は作るのが厳しそうなので、それまであと少しぼちぼちやってみようかなーと思います。
    こどもたちが頂いた本をながめて「次はこれー」と待っていますので(笑)

  2. nekota 投稿作成者

    お久しぶりです、
    たくさんため込んでいてお恥ずかしい限りで…。
    少しずつ書いてるのですが、写真だけは続々量産されるので、追いつかない…(笑)。

    歌舞伎座の初日、お客さんもそうでしたが、カメラ持った人も沢山いて、実は私も内心、どこかにチラ写りくらいはするのかな…と思ったのですが、そんなことはなかったです(笑)。
    私が見た有名人は、塩爺と山川静夫さんだけでしたが、中田英寿さんなどもいたそうで。夫には、「せっかく行ったのに、みらんかったんかー」と言われましたが、みらんかったよ…、残念です(笑)。

    シフォンですけど、ここまで頑張っているのを聞くと、ひょっとすると、実物はもう十分問題ないデキなのではないか…と思うようになってきました(夫は「美由紀ちゃんは、凝り性やなー」と言ってます)。
    私は「自分に課すハードルは常に低く」が基本なので、私がシフォンだと思っているシフォンは、もしかすると、シフォンじゃないのかも…と感じ始めてます(笑)。なんとか近いうちに作って確認せねば!

    ところで、なかしまさんはシフォンも美味しいですが、クッキーもかなり美味しいですよ。
    シフォンが一段落したら、クッキーもぜひ。

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