はしご

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午前の部は15時50分に終了。午後の部は16時30分からなのでまだ間がある。午前・午後と同じ日にチケットを購入している人は、わざわざ劇場の外に出ずとも、手近なスタッフさんにチケットを手渡せばロビーで待っていていいのですが、ずっと狭い椅子に座りづくめで陽にも当たらないのはいかにも身体に悪い。気分転換も兼ねて、外で早めの食事を取りに出る。

連休初日だからか、今日はそこそこ冒険してもいいやという気分になっていたので、YOUでオムレツサンドを食べる気…でいたのですが、でも、やっぱり店の前を通り過ぎてなんとなくスルー。第2候補にしていた支那麺はしごというラーメン屋さんに入る。ところで、「支那」という表記、私の携帯でも、パソコンのIMEでもATOKでも表示されずに検索して出てきた文字をコピペして貼るという手順を踏んで書いてます。やはりいわくつきの言葉だからでしょうか…。なかなか難しいものです。

話は戻って、はしご(四丁目店)。カウンターだけのこじんまりした店ですが、ほどよく広さがあって清潔感のある店内なので、女性の一人客でも入りやすい。はじめてなので、いちばんベーシックそうな「だんだんめん(坦々麺)」を注文。「ご飯いりますか?」と聞かれましたが、パス。隣のお客さんを見ると、小ぶりのお茶碗に軽めに盛ってくれていて、その程よい量に好感が持てました。足りなきゃ、何度でもお変わりすればいいんだもんねぇ。

5分ほどで出てきましたが、麺は極細のストレート。うちの近所の博多とんこつラーメンよりも細いかも。辛さは程よく、さっぱり程よいコクで最後まで食べ飽きない。とてもおいしかったです。量もちょうどよく、後半の観劇前の食事にちょうどよかったです。太肉や排骨が乗っただんだんめんも気になりますが、シンプルなしょうゆ味の鶏絲麺も気になります。今度はそれにしてみるかなぁ。

エネルギーチャージして、午後の部。「伽羅先代萩」の通しです。御殿・床下だけが名作として何度も上演されていますが、私自身は、観たのは2回かな。初めて観たのは魁春さんが初めて政岡をやられた時だったと思います。うんざりするの話の割に、それなりに面白く観れたな…と記憶していますが、次に藤十郎さんの政岡で観た時はなんかちょっと政岡が非常すぎて引いてしまったという感想。なので、先代萩はなぁ…と思いつつも、でも、玉三郎さんだからなぁ…と思いつつ観てみると、予想以上に面白かった(泣けた)。というか、これ、こんなに現代的な話だっけなぁ…と思いながらの観劇でした。玉三郎さんの政岡はお家のために尽くす前近代的な意味での勤勉な女性ではなく、ごく普通に、子持ちの仕事を持つエリート女性という感じでした。飯炊きのシーンも優雅な物腰できれいだったし(だいたいはここは眠たくなるところなんです)、縁者が違うと、こんなにも印象が違うのかねぇ…とつくづく感じいった一幕でした。

竹の間~御殿の流れで十分満足してしまったからか、最後の対決・刃傷は、個人的にはだいぶ眠たかった。今回は染五郎さんが特に大活躍でしたが、全体的に台詞がキレッキレでなんだかすごかった。ただ、この幕では細川勝元をなさっていたのですが、歌六さん演じる渡辺外記左衛門に対して、「外記、大丈夫か」と何度か声をかけるシーンがあるのですが、そのたびに、「元気? 大丈夫か!!」としか聞こえず、すごくいいシーンのはずなのに、ただただ勝元がエキセントリックな人にしか見えず(お腹を刺されて死にかけている渡辺外記左衛門に舞をひとさし踊らせるという大変にデリケートなシーン)、その辺がちょいと残念だったのでありまし。

ただ、役者さんのために言いますと、3階席はどうしても音がワンクッション何かを通したような音で聞こえるので、何の音でも、ややこもり気味に聞こえます。「外記」が「元気」に聞こえたのはそのせいなのです。歌舞伎座の音響は素晴らしいとよく言われますが、1階とそれ以外の階ではだいぶ違うんですよね。ま、お値段もだいぶ違うので当然なんですけどね。

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