支那麺はしご

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朝から歌舞伎の日。八月納涼歌舞伎は三部制なので、今日は1部と2部を一気に観てしまう。なぜ、8月は三部制なのか? というと、夏休みの時期ということで、初めて歌舞伎を観る人でも楽しめるよう、上演時間は短く、肩の凝らない新歌舞伎や新作歌舞伎中心の上演になるからです。暑い時期とあって、基本、エライ人は夏休みなので、演者は花形といわれる若手・中堅が中心になります。1回当たりのチケット料金も少しだけ安くなるし、それもあって、初めて歌舞伎を観るならば、8月から観るのがおすすめとは言えるかもしれません。

なーんて話を、8年ほど前、初めて納涼歌舞伎を見に行ったときに、教わったのです。芝居が終わった後に行った呑み屋の席で隣り合った、中村屋さんの追っかけをしているおねえさんに。だから私は、納涼歌舞伎を見に行くと、必ず、そのおねえさんと中村屋さんを思い出します。今は、そのお店も、中村屋さんもいないって、なんだか信じられないんだよなぁ。

1部は長谷川伸の新歌舞伎で「刺青奇偶」。中車さんと七之助さんで、ほっこり夫婦をやられています。ただ、基本いい人なんだけど、博打が止められないと言う人物造形は、今のご時世、相当難しい。中車さんはさすがの説得力なんだけど、でも、どこかで腑に落ちないのよ…。あとは、舞踊二題。勘九郎くんの「玉兎」はご愛敬、「団子売」は猿之助さんが可愛らしくてよかった。

2部は夫が合流。なぜかというと、「修禅寺物語」がかかるからです。夫思い出の戯曲。詳しいことは知らないけど、中学生の時の学芸会で、この戯曲を編集、演出したんだそうで。つうか、渋すぎないか?中学生で、芸術とは? って話に興味を持つって、どういう子なのよ。

私もこの7年で観るのは2度目だと思うのですが、尺は手頃なのに滅多にかからないのは、多分、話が難しいから…だと思うのですが、果たして今回の上演もそんな雰囲気。初日は最後の見せ場で笑いが起きたそうですが、笑った人を責められない…と思いながら観ました。やっぱり難しい。大和屋さんも猿之助さんも熱演で言うことないのですが、これは小説で読んだ方がしみじみしそう…と思ってしまった。ともあれ、プロの手による「修禅寺物語」を観た夫、いろいろ思うところもあったようで、感慨深そうでありました。

2部のキリは「東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖」。去年の猿之助&染五郎の弥次喜多(YJKT)の第2弾なんだけど、去年よりも数段面白かった。「四の切」を観たことがある人だったら、何粒でも楽しめる、美味しい娯楽舞台でした(結末はAパターンでした)。竹三郎さんがこれでもかとおちょくられていて、大笑い。85なのにああいうノリにも対応できて素敵です。しかし、澤瀉屋さんのファンはリアクションでかい人が多くてビックリ。みんないい笑い声でした。私もつられてたくさん笑いました。楽しかった。

で、2部の前に夫と合流して腹ごしらえ。歌舞伎座近くの支那麺はしごでラーメンと焼売。夫はだんだんめん(担々麺)、私はさんほんめん(酸紅麺)。名前の通り、すっぱからいラーメンで、酸辣湯麺に近い感じ。無化調がウリのひとつなんですが、味はしっかりしているものの、脂も少なめで変な後味もないので、好きなお店のひとつです。焼売もあっさりやさしい味で美味しかった。

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