歌舞伎座にて

2018-01-06 12.13.06

寿初春大歌舞伎…というか、高麗屋三代同時襲名公演を観に、歌舞伎座へ。今月はもろもろイベントが多く、昼夜一気の観劇。お正月公演ってのはそれだけで独特の雰囲気があっていいものですが、さらに襲名公演で、しかも三代同時と、おめでたさも三倍で、ロビーはより一層の華やかさに包まれていました。なんにつけ、お祝いってのはいいものです。

松本幸四郎が松本白鴎に、市川染五郎が松本幸四郎に、松本金太郎が市川染五郎にお名前が変わるわけですが、名前が変わるだけで何が変わるんだ…と思いきや、やっぱり何か変わるんですよねぇ。不思議なものです。

お祝いムードにつられて、久しぶりに売店でお弁当を買いました。刷毛じょうゆ海苔弁山登りの海。築地か銀座シックスの売店でしか買えないと思っていたら、昨年末から歌舞伎座の売店でも少し売るようになっていたのでした。「ド定番を丁寧に」がコンセプトだそうですが、確かに、どれもすごく気が利いていて、とっても美味しかったです。特に、鮭と海苔がとてもおいしい。副菜は、ちくわ磯辺揚げ、れんこん大葉もち、白滝たらこ、ほうれん草ナムル、玉子焼き。ただ、すごく派手な味付けでもあるので、お酒なしに全部食べるのはちょっと大変だったです。個人的には、塩分を半分くらいに抑えると、もっとしみじみと美味しい感じになるだろうな…と思ったけど、市販のお弁当でそれは、無理なんだろうなぁ。

昼の部の最大のお目当ては、白鴎が松王丸を演じる寺子屋。武部源蔵は梅玉、千代は魁春、戸波は雀右衛門と安定の布陣で楽しかったです。

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昼夜一気に見るときは、夜の回のチケットも劇場内でもぎってもらうことが多いのですが(つまり、外に出ない)、今日は昼夜の間が1時間あったので一旦劇場から出て、松屋まで夕食を調達しに出かける。正月休み明けの三連休の初日だからでしょうか、行きの電車もそうだったけど、銀座の街中もなんとなく人出がいつもより穏やかな感じ。混雑の程度がこれくらいで済むのなら、週末ももうちょっと頻繁に外出してもいいのになぁ…と思う。

お昼に食べた海苔弁が案外お腹に残っていたので、さっぱり系で…と、メルヘンのたまごサンド。メルヘンって1パックだとちょっと物足りないんだけど、2パックだと多いのよねぇ。ここが悩ましいところ。ただ、今日は、本日最大のお楽しみである勧進帳に向けて、ちょうどいいお腹具合にするのが大事なので、1パックで我慢。その代りデザートがてらに、りょくけんでりんごを買いました。スリムレッドという品種で皮ごと食べられるとあったので、ちょうどいい。かじってみると、しゃくしゃくしていい歯ごたえだし、いい塩梅に甘酸っぱく、果汁が多くてジュースを食べているようでした。

夜の回は、最初の演目が角力場だったんですが、山崎屋与五郎と放駒長吉の二役を猿之助がやる予定だったのが愛之助に代わったのですが、これが結構儲けものでした。愛之助のあほぼんって好きなので、楽しかったなぁ。勧進帳は、本当に素晴らしかったです。幸四郎の気迫と弁慶の気迫が重なり合って、襲名の最初の公演だからこその緊張感がこちらにも伝わってきて、いつもとは違う雰囲気の勧進帳でした。新幸四郎のこれから続く長い旅路の最初の一歩を見ることができて、観劇冥利に尽きるとはこのことです。吉右衛門の富樫も眼福でした。

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