三州屋

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ルテアトル銀座で上演中の二月花形歌舞伎の第二部、「女殺油地獄」を観に行っていました。配役は、余兵衛を染五郎、お吉を亀治郎、余兵衛の母おさわを秀太郎、余兵衛の義父徳兵衛を彦三郎。

映画や舞台にもなっているかなり有名な演目ですが、私、今回の筋書きを読むまで、あらすじもなにも、全く知りませんでした。なので、筋書きを読んでから舞台を観ましたが、なんつーか、妙に現代的な話だなぁ、と。余兵衛ってのは、やたらと自意識が肥大化した存在とでもいうのかなぁ。そこを傷つけられるとキレて相手構わず暴力をふるい(しかしながら、自分より大きな者に対しては滑稽なほど臆病)、最終的には殺人まで犯す。

作られたのは享保年間ですが、江戸時代中は1回しか上演されなかったというのは、なんかわかる気がします。この話、なんか、娯楽じゃないもん。基本的に胸糞悪い話。ただ、いろいろ思わされるところも多い話ではあります。

今回の上演では、その辺を考慮しているのか、気分良く帰れるよう、いろいろ気を使った演出がされています。おちゃらけてると見えなくもないですが、私個人としては結構ありがたかったかな。それにしても、この話、プロットがすごくきれいで、ほんとに江戸時代に書かれたものなのか、と(もちろん上演に際して補綴などはしているんでしょうが)。あと、金の話が結構細かく設定されていて、なんかリアル。そういう意味でも、いろいろ面白かったです。

で、今日は三州屋でカキフライ食って帰るんだーと決めていたので、舞台が終わってからそそくさと小走り気味に三州屋へ。満席状態でしたが、幸いカウンターが空いていたのでそこに。

ビールで食べるか、ごはんにするか、入った時の気分で決めようと思ってましたが、最終的には生ビールとともに。後、一緒にあさりのバター蒸しも注文。んまいーと内心ルンルンで食べてたら、隣に座っていたおじさんに「いい注文してるねー」とほめられました。いやはやお恥ずかしい。

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