お弁当

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新橋演舞場で催されている五月大歌舞伎の夜の回を見に行ってきました。

今日の演目は、「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」「あやめ浴衣」の二本。

「籠釣瓶花街酔醒」は、吉原で実際に起こった「百人斬りの事件」を下敷きに、妖刀籠釣瓶の因果を絡めて描かれた人情話ですが、最近では籠釣瓶に関するところはカットして、なんで吉原で刀振り回して刃傷沙汰を起こしたの? ってな部分だけを上演することが多かったそうです。今回は、通しということで、籠釣瓶の由来、主人公次郎左衛門がなぜ痘痕顔で生まれたのか、という部分も上演し、最後に大詰めとして立ち廻りもプラス。

次郎左衛門は吉右衛門、治六(次郎左衛門の下男)は歌昇、八ツ橋は福助、栄之丞(八ツ橋の間男)は梅玉。

やっぱり見どころは花魁道中のところで(通称「見染め」といわれるシーン)、ああやっぱ福助丈、きれいだなぁ、と。結果的には、八ツ橋の弱さが最後の悲劇を招いたといえるわけですが、あんまり栄之丞が魅力的に描かれてなかったせいか、身請けしてくれる旦那と間男の間で揺れ動く女心ってのがイマイチ理解できず、「縁切り」のシーンが「八ツ橋、そりゃ、ないよな」って感じで冷静に見てしまったのがちょっと悔やまれます。

個人的には、従来通りの流れで上演してくれたほうが、次郎左衛門が狂気に走る様が理解しやすかったような気もするのですが、それでも前後の流れが分かるのはそれはそれでよかった気もします。いやぁ、なんつうか、切ない話でした。

ちなみに、大詰めは立ち廻りだけを見せるのですが、セットを用意するのに案外時間がかかっており、もう終わりかと勘違いして席を立つお客さんが多数。吉右衛門丈が何度も転んでおり、演出なのか、足の具合がよろしくないのか、どっちかわからずハラハラしながら見ましたが、これがあるとないとでは、最後のスカッと感が全然違うので、あって良かったなぁ、と。でも、なんか、全体的には、悶々とする話でした。

「あやめ浴衣」は、もとは幕末に作られた浴衣のキャンペーンソングだったそうで。あんまり人気になったので、明治になって振り付けもついて、舞踊化されたとのこと。歌詞がわかればなおおもしろかったのでしょうが、見るだけでも十分楽しかったです。衣装が元禄風なので、いつも見る舞踊とはちょっと違う雰囲気。

今日のお弁当は、お昼の残りを詰めたもの。全体的に地味なおかずですが、卵焼きがあるだけで、なんか場が持つ感じ。色合いって大事ですね。

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