コンビニめし

カテゴリー: 店屋物 | 投稿日: | 投稿者:

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アミュー立川で催された、松竹大歌舞伎(西コース)を観に行ってきました。今日観た舞台は、西コース巡業の千穐楽。午前の回にはまだ筋書きが売られていたそうですが、午後の回には全部はけてしまったようで、売り切れでした。残念。

今日の演目は、「雨の五郎」と「すし屋」。特に、「すし屋」は始めて観るし、松嶋屋さんでの座組みなので、ものすごく楽しみにしていったのですが、面白かった!

今日は筋書きが買えなかったので、久しぶりにイヤホンガイドを借りましたが、「雨の五郎」の解説は小山観翁氏。私は観翁サンの解説が好きでして、今日は巡業だからか、いつもに増して肩の凝らない感じで解説してくれて、とても分かりやすかったです。「バックにはお唄が流れていますが、意味は分からなくてもいいのです。赤い着物を着た五郎が元気良く踊っている(歌舞伎では赤い着物を着ている人は「元気がいい、若々しい人」という意味合いがある)。それをスターの片岡愛之助が元気よく務めている。それを楽しんでみていただければ、もう十分なのです」。こういってくれると、初心者の私としては非常にありがたいです。

今日のお目当ての「すし屋」は、「義経千本桜」の三段目に相当します(全四段構成)。これまで「義経千本桜」は、「伏見稲荷(鳥居前)」「渡海屋」「大物浦」(二段目)、「道行初音旅(吉野山)」「河連法眼館(四の切)」(四段目)を観ていますが、三段目を観るのは初めて。

「すし屋」は、おおよそ「椎の木(木の実)」「小金吾討死」「すしや」の三幕で構成されており、主人公は”いがみの権太”という、無法者というかならず者の放蕩息子です(”いがみ”とは”歪み”に通じ、”真っ当ではない”を意味する)。

私はこれまで「義経千本桜とか言いながら、義経って脇役ばっかりじゃん」と思っていたのですが、このお話は「義経をめぐる人々の生き死に」がテーマになっていて、義経を主人公にしたお話ではないってことをようやく理解した次第。なるほど、だから、段ごとに主人公が違うわけですか。やっぱりめんどくさからずに、イヤホンガイドはちゃんと聴くべきですな…。

なので、最後は権太が死んじゃうわけですが、このお話は典型的な”モドリ”(悪人に見えた人間が、実は善人で、今際の際にようやくそれが判明する。歌舞伎の典型的なストーリー構成のひとつ)のお話でして、だから、「木の実」ではほんわかさせられ、「すしや」の冒頭~中盤はコミカルな要素もたくさん出てきますが、最後はすごく切ない。

権太は仁左衛門、弥助実は平惟盛/小せんを秀太郎、小金吾を愛之助、すし屋弥左衛門を弥十郎、弥左衛門の妻お米を竹三郎、弥左衛門の娘お里を孝太郎、平惟盛の妻若葉の内侍を高麗蔵。何度もやっている座組みだからでしょうか、どれもこれもピシッとはまっていて、違和感なく観れました。

これ以上書くと長くなっちゃうんでやめときますが、最後がちょっとタルイ感じでしたが(このお話に限らず、歌舞伎は主要人物が死ぬシーンはすごく長い)、全体的にはすごく面白かったです。私は「沼津」ってお芝居が結構好きなのですが、似た雰囲気がありまして、これもかなり好きなお芝居になりそうだなと思いながら見ました。

幕間も何も食べずに観たので、ヘトヘト。帰宅して、コンビニ弁当で簡単に。最近のコンビニ弁当って、味付け凝ってるなぁ。

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