おにぎり

おにぎり by nekotano

Bunkamuraシアターコクーンで行われている、市川海老蔵自主公演「ABKAI(えびかい)」を観に行きました。昨年までは、シアターコクーンの夏の歌舞伎公演と言えば、「コクーン歌舞伎」でしたが、これからは「えびかい」になっていくのでしょうか…。

演目は、復活狂言の「蛇柳」と、新作狂言の「疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。(はやてのごときしろいぬ どとうのはなさきおきなのものがたり)」の2本立て。特に後者は、脚本に宮沢章夫、演出に宮本亜門を迎えて、「日本むかしばなし」を戯曲化すると言う、それなりにチャレンジングな内容。とはいえ、「蛇柳」にしても、歌舞伎十八番に選定されている1本とはいえ、ほぼ脚本が残っていない状態で作り上げたそうで、これまたほぼ新作狂言のようなものなのでありました。

まずは、「蛇柳」からでしたが、ほぼ新作だと言うのもあってか、綺麗に整理されていて非常にわかりやすいお芝居(舞踊ですが)にだなぁと思いました。その分、場面場面のデジャヴ感も結構あってインパクトとしては薄い。ただ、最後の演出には驚きました。これ以上書けないけど、「えっ、ウソー」って思いましたよ、まんまと。

「疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。」、元ネタのベースは「花咲爺さん」だそうで、それに「桃太郎」の一部が絡んできます。この作品では、海老蔵さんは、犬、悪いお爺さん、最後に出てくるお殿様の3役をやられていますが、本当は良いお爺さん役がやりたかったんですって。宮本さんが説得して、最終的に犬をやることになったそうですが、1幕観ただけでも確かに、「ああ、これは、海老蔵さんが犬をやらなければ面白くないなぁ」と思いました。だって、犬が一番いい役でしたもの。

ちなみに、この舞台には愛之助さんも出演しておられ、いいお爺さん役を演じておられましたが、ちょうど前日に『半沢直樹』を見たばかりなので、大変不思議な感じがしました。

宮本亜門さんはもともと歌舞伎はかなりご覧になられているそうで、それだけに、いいタイミングで歌舞伎の得意技を次々と繰り出した演出をされていて、歌舞伎を見慣れた人もそうでない人も無理なく見られるお芝居になっていたと思います。その分、ちょっとまとまり過ぎかなぁ…と思いましたが、最初だから手探りの部分もあったのかもしれません。

とはいえ、すごく楽しかったので、この自主公演、来年もされるのであればぜひ観に行きたいなぁ…と思いました。

東急本店の地下で何か買って行けばいいや…と思ったら、なんと工事中で、あんまり選択肢がなく…、目についたおにぎり専門店で鮭とカリカリ梅。

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