唐墨餅

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朝、自作おせちをたっぷり食べて、お酒を飲んで、テレビを観ながらグウグウ寝るという、念願の寝正月を決め込む元旦。昼をパスしたので(というか、昼もだらだら食べていたのですが)、やはり暗くなると、お腹が空いてくる。

元旦の夜は、おせちと言うより、生ものを先に食べちゃいましょうね…お酒も残っているしね…ということで、珍味三昧。お正月用にわざわざ買っておいた、和久傳のからすみ餅を焼き、今回はこれがメインディッシュ。唐墨ってねちっこいというイメージがあるのですが、この唐墨は口に入れるとはらはらほどけて素敵な余韻が広がります。で、お酒を飲むと、ふっと消えて、あー、またひとくち食べたいなー、と思わせるのです。しみじみと美味しい肴です。

左の呉須の絵皿には生もの関係。平目の刺身、帆立貝柱の刺身、あわびの蒸したのに、煮ダコ。全部築地で買ったものですが、今年は、どれもこれも美味しくて、いい買い物だったなぁ…と、にんまりしながら酒を飲む。

特に夫からも大絶賛されたのが、平目。30日の朝に築地の中を目をぎょろぎょろさせながら歩いていたら、白身専門のお店に半身が並んでいて、ああ、白身…、いいな…、と思ったら、お店のお兄さんと目が合って、めでたくお買い上げ。いろいろ選ばせてくれて、特徴やらナンやら教えて貰った上で、それでも一番安い半身を指して「これで十分美味しいよ。今から寝かせて元旦が食べ頃!」というので、北海道産のノーブランドの小さめの半身を買ったのですが、お兄さんの言うとおりでした。帰宅してすぐ、皮を剥いで、骨を抜き、塩はせずに、ペーパータオルを取り替えてしっかり包んで冷蔵庫へ。皮を剥ぐときに少し食べたのですが、もんのすごく堅かった。堅いって言うか、ゴムみたい。味もなんていうか、ナイ。それが、元旦の朝に切り分けてみると、まぁ、なんてことでしょうか、程よい弾力になっていて、うまみも増して、美味しくなっている! 本当にビックリしました。本当に、白身は、少し寝かせた方が美味しいのだねぇ…。

帆立貝柱も夫、大よろこびでした。北海道産の帆立貝柱は、築地のどこでも取り扱っているのですが、お店によって、サイズや量、値段がまちまちなので、やはり目をぎょろぎょろさせながら頭の中で素早く計算しつつ、どこで買うのが一番納得感(お得感ではない)があるかを考える。今年のは、若干割高ながら、大玉15個入りが決め手だったのですが、美味しかったなぁ~。これも、帰宅してすぐ、ピチットで包んで、冷蔵庫へ。帆立だけは、30日の夜からちょっとずつ食べているのですが、日々水分が抜けていって、さくっとさっぱりした食感から、ねっとりうまみの増した味わいに変わっていく過程が面白いです。最終的には4日かけて15玉を食べきってしまったのですが、個人的には4日目のが一番好みだった。夫は多分、反応から察するに、今日の(3日目)が一番美味しく食べたと思う。覚えておこう。

蒸しあわびは、今日の写真こそ扱いは小さいですが、我が家のおせちの中では別格の扱いを受けている一品。なんちゅうても、夫が好物なので、作る方も毎年気合いが入ります。あわびをどう選んだらいいかが毎年悩みどころなのですが、産地だ種類だと覚えたところでどうしようもないので、とにかく、運とカンで買います。ただ、今年は「大きいのを買う!」という目的だけは明確に掲げたので、やはり目をぎょろぎょろさせながら探しました。例年そうなのですが、あわびそのものを見つけるのに時間がかかり、結局今年も市場内を3周してようやく、3店ほどめぼしいところを頭にたたき込み、今度はその店を探すのにまた手間取り…を繰り返して、ようやく購入に至った次第。

小さいの(100グラム台)はね、結構、どこでも扱ってるんです。私の印象では300グラムを超えると、かなり探す感じがしました。最終的に私が買ったのは、0.47キロと見えたので、470グラム。長崎産だそうです。いつも、北海道とか三陸のを買うのですが、もはや産地云々とか分からないので、気にしない。酒ふって、昆布で蓋して、ラップして、今年は4時間蒸しました。作るのとは違う部分で色々大変なのですが、しかし、その手間をかける甲斐のある美味しさです。身は夫に譲って、私は肝をちまちまつつく。

あとは、おせちの中からめぼしいものだけちょいちょいつまんで、ご飯代わりに、八つ頭、海老芋の含め煮。

美味しい肴を頂きながら、ただひたすらに、お酒を飲む。

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