お雑煮

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今年のおせちが例年よりもラクだなぁ…と感じるのは、元旦の朝に雑煮とご飯モノ(赤飯か手まり寿司)を作るのを諦めたからかもしれません。

というわけで、今年の初雑煮は2日の朝。特に、故郷の味というのも持たないので、夫好みに、濃いめに取った出しをベースにしたお吸い物に、かまぼことせりの刻んだのと餅(焼かない)だけのもので。私はこれに鶏もも肉の焼いたのに、菜花も入れます。吸い口の柚子も忘れずに。今年も鶏肉は、築地の鳥藤で買ってきた東京しゃものもも肉に1%の塩を振ってフライパンで焼いたもの。ただ焼くだけなのにベラボーに美味しい。美味しいのに、夫は、雑煮にはかまぼこ以外の肉類を入れるのは嫌がるのです。

以前はおせち料理全体に使う出しをかなり丁寧に取っていましたが、今年は、『日本料理の贅沢』(神田裕行)で紹介されていた家庭用の万能だしでほとんどをまかなってしまいました。しかも、今年はいつもの真昆布を買い損ねたので、家に転がっていた日高昆布で。

ただ、雑煮だけは別で、こればっかりは、雑煮用に死守しておいた真昆布を使って、いつも通りのやり方で取る。800ccの水に真昆布1枚(20~24グラム)を一晩漬け、昆布を取り除いて火にかけ沸騰したら火を止めて、鰹節24グラムを入れて1分ほど、汁に甘みを感じたら、すぐにペーパータオルを敷いたザルにあけて漉す。普段は絞っちゃうけど、これだけは絞らない。昆布は南かやべの真昆布、鰹節は秋山商店の血合い抜き薄削りを使います。他にも美味しい組み合わせはあるんでしょうが、うちではこれが定番になっちゃったので、可能な限り雑煮だけはこの組み合わせで作るようにしています。イメージとしては、濃いめに取った昆布出しの上に、鰹節の香りを沿わせる感じ。上記の神田さんの本に言わせると、この出しは「濃く取り過ぎ」なんでしょうが、お正月の雑煮だけは、どうしても、濃く取りたくなっちゃうんですよね。仕上げは、みりんと薄口、塩ですが、鰹節の甘みがあるので、味醂はごく控えめに。ほぼ、薄口と塩だけで仕上げます。料亭の板さんでもないのに、濃いめに取った出しに味付けをするのは、なんだか、妙に緊張します。

鰹節も、買って4日くらいから、香りが飛んで甘みが感じられなくなってくるので、そうなったら、昆布出しの濃度を薄くして(一晩も漬けない)、鰹節は長めに煮出して取るようにします。こうやって取った出しの場合は、みりんと薄口をちゃんと使って、鰹節臭さを抑えつつ仕上げます。

餅は、今年も大分から送って貰った丸餅をレンジでチンして。いつもありがとうございます。美味しく食べてます。

雑煮をしっかり食べるので、おせちはつまむ程度に。定番の、黒豆、田作り、数の子、叩きごぼうに、甘いもの2品。きんとんと伊達巻き。

今年は伊達巻きを初めて自作してみたのですが(有元葉子さんレシピ)、これは、かなり美味しかったです! こんな簡単に作れるんだったら、もっと早く作れば良かった! きんとんは、例年通り、自己流の焼きいもきんとん。大抵失敗するはずなのに、なぜか今年はやたらとうまく出来て、自分でもビックリ。食べた夫もビックリしており、「おせちが一段落したら、また作ってみてください」と言われているので、再現できるかどうか、自分でもドキドキです。以下、作り方メモ。

芋は、安納芋を買いそびれたので、ノーブランドの芋で。切り口から蜜がたれまくっているのを選んで買いましたが、その選び方に意味があるのかどうかは分かりません。同じくらいの大きさのものを2個選び、重量は併せて600グラム強。皮付きで、ホイルなどにくるまず素のままで、150度のオーブンで90分焼いて、厚めに皮をむく。実は、ちょっと焼きすぎたようで、皮に近い部分はかなりかっさかさで、中の水分も相当飛んでしまっていて、そのまま裏ごしするには堅すぎたので、いったん、フードプロセッサーに入れ、クチナシ水を少しずつ加えながらペースト状にする。その後、裏ごしし、重量を量ってから鍋に入れ、重量の30%のグラニュー糖を加えて、やや緩いかな…というとろみ加減で火から下ろし、バターを大さじ1ほど加えて、なじませる。

焼きいもで作るのと、仕上げにバターを入れる、ということで、つまり私の作るのは、きんとんというよりも、スイートポテトみたいな感じなのであります。何年か前も、やばいわ、芋焼きすぎたわ…という状態で作ったきんとんが無性に美味しかったことがあったので、しっかり水分を飛ばしつつ焼くのが、美味しく作るコツなのかなぁ…と思いつつ、まだ確証が持てません。記憶のあるうちに、試しておかなくては。

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