LE SALON JACQUES BORIE

カテゴリー: 昼食, 外食 | 投稿日: | 投稿者:

私も夫も9月生まれ。ということで、毎年9月が近くなると「今年はどこへ行きたい?」と聞かれるので、コツコツとネタをためておくのですが、今年は「ココかココ!」と言ったうちのひとつは即却下されたので、フレンチになりました(却下された方は、精進料理でした)。

伊勢丹の4F にある、ル・サロン・ジャック・ボリーです。ロオジエのシェフだった方がプロデュースしたカフェ・キュイジーヌとのことでして、ロオジエは一生縁がないけど、百貨店の中のレストランだったら何とかなるかな…ということで、リクエスト。

ワゴンで持ってきてくれるデザートで知られていて、3品選べるパティスリーコンチェルトにしようか悩んだのですが、夫が「折角だから、お食事しましょう。デザートはコースの最後にもついてくるし、食べたければ追加してもいいし」と言ってくれたので、いそいそお出かけしたのでした。

一応予約していったんですが、意外と余裕がある感じ。というよりも、明るい時間帯はお茶をしに来るお客さんの方が多いのかな。しかし、カフェ・キュイジーヌなんていいつつ、ちらほらいるお客さんはみんな、高級店に行き慣れてますって感じの人ばかりだった。だもので、店員さん(ギャルソンと言った方がいいのか)も、皆、私たちに優しい…。

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ランチコースは、「デジュネ レジェ」「デジュネ セゾン」のふたつ。前者が軽めのランチ、後者は季節のランチってかんじでしょうか。前者は、アミューズ、メイン、デザート、カフェ。後者は、アミューズ、前菜、メイン、デザート、カフェ。

それぞれでアミューズとメインを変えており、前者のアミューズはカニを使ったサラダみたいなもの…だったかな、メインは甘鯛とリゾット。後者のアミューズはうにのムース、メインは牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。やはり、セゾンの方が、前菜も入るし、どっしりとした組み合わせ。

レジェのメインの甘鯛は「鱗をぱりぱりに立ててソテーしています」と言われたのに惹かれて、「レジェにするー!」と言ったのですが、夫が、セゾンでもええんやで…というので、うじうじ悩む。うに食べたいし…。そしたら、若いギャルソンが「では、セゾンでご注文いただいて、メインはひとつ甘鯛にするというのはいかがでしょう」と提案。そんなことしていいの? と聞くと、「お任せ下さい」とな。はぁ、なるほど、そんな頼み方もありなのかー。でも、私たちの後からやってきたおじさんと若い女子の二人連れは、「レジェとセゾンと一個ずつなー。前菜はシェアで!」と注文しており、やはり年寄りは一枚上手だな…とも思いました。見習いたい。

ワインを飲みながらしばし待つ。最初は、うにが入ったムース。アミューズとは思えん量です。たっぷり。そして、とってもクリーミー。いきなり最初からリッチです。そしておっちょこちょいな私はお皿に敷かれている半透明の粒を氷かな…と思って口に入れ、ビックリする(塩でした)。

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アミューズを食べ終わった頃にやってきたパンたち。手前の黄色いパンは、上の部分をむしってしまっております。食べる前に撮影せんかい…。でも、これなんだろうねーって思ったんだよ…、ふたりとも…。

ポップオーバーかなと思ったのですが、フレンチでアメリカンスナックもなかろうということで、グージェールと自分に言い聞かせたのですが、でも、この見た目は明らかにポップオーバーだよね。どっちにしろ、美味しいです。ちょっとかさっとしたチーズ味のシュー生地で、これだけでワインが飲める。ただ、調子に乗って食べるとメインの頃に腹がふくれる…と気づき、自重しました。でも美味しい。

他は、干しぶどうとクルミのパン、バゲット。フレンチ系のハードパンのわりに、塩気が控えめで完全に脇役に徹したお食事パン。個人的にはバターをたっぷりのっけて食べたいタイプのパンだなぁと思いました。

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前菜は、オマール海老となすに、アプリコットのソース。

なすのペーストの中にもほぐしたエビ(カニかも)が入っていて、味わいまろやか。アプリコットソースは思ったほど甘酸っぱみは強くなく、クリーミー優先って感じ。ほんのりとした甘さが、なすの甘さと、エビの甘さを包んで、ホッとする味だなぁと思いました。オマール海老の爪の部分もいるのですが、さくさくした歯触りが不思議(殻から外しても、ちゃんと身は爪の形をしているんだねぇと、変なところで感心してしまう)。エビなのに。これまたしっかり量があって嬉しい。

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メインの前に、白ワインから赤ワインへ。アミューズ、前菜とも塩気が強いという感じは全然しないのに、不思議とワインが進みました。しかも、今日は早起きして散歩をし、しっかり食べて消化してからここに来ているからか、飲んでも酔いが回ることがなくすっきり。1年に1回ほど異次元の消化力を発揮する日があるのですが(といっても、ボトル1本程度ですが…)、今年はどうやら今日だったようです。ありがたいことです。

メインは魚なので白にすべきなんでしょうが、赤が飲みたかったので「軽い味わいので…」とお願いしたら、シラーベースのものをもってきてくれました。私のイメージではシラーってもっと色が濃くてどふっとした味わいって思い込んでたのですが、これはすっきり。次に来た甘鯛とも違和感なかったです。牛ほほ肉の赤ワイン煮にも。

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メインを待つ間に、Christofleのカトラリーだー、と思いながらパチリ。大きさの割に軽やかで使いやすい。

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甘鯛のソテーとリゾット。タイを使った焼き物はフレンチのランチではよく見ますが(タイのポワレとか)、甘鯛なのと、鱗を松笠焼き状にしてあるのが嬉しい…。鱗の部分に少しきつめに塩を付けており、それをアクセントに全体を美味しくいただきます。鱗美味しい、カリカリが楽しい、もちろん、身も美味しい。

リゾットはクリーム味かなぁ。ランチだからでしょうか、結構しっかりした量。ものすごくリッチにクリームを使っているのがよく分かりました。量が…というより、油脂の力で一気にお腹がふくれる感触が襲ってきます。リッチクリーミィーなリゾットのおかげで、結果的に、ワインは白じゃなくて赤で正解だった気がする。よかった。

半分食べて、牛ほほ肉の赤ワイン煮と交換。これがまたとても美味しかったです。写真は後で。

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最後にデザート三品盛り。伝統的なコーヒー風味のオペラ、赤桃のタルト(タルト ペーシュ ヴィーニュ)、バニラアイス。この赤桃はフランスから輸入したものを使っていると言っていましたが、ホームページを見ると「コート デュ リヨネ地方の特産品」とあったので、ここから取り寄せてるのかな。日本の赤桃とは全く違うものですと強く説明されたのが印象深かったです。

お料理は全体的にとがった味つけをしないようにしている印象があったのですが、このタルト(の赤桃のコンポート)はガツンと酸味を利かせていたので、それがまた印象深かったのかもしれません。というか、バニラアイスのバニラの利かせ方もものすごく派手だったし、オペラのどっしりとした重層感もかなりのインパクト。最後のシメに強烈にフランスを感じたコースでした。今度はパティスリーコンチェルト食べに行きたい(あと、アラカルトにあった牛フィレ肉のサンドイッチが気になる…)。

というわけで、今年もごちそうさまでした。来年も美味しく楽しくご飯を食べられるよう、頑張ります。いろいろ。

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