AU BON VIEUX TEMPS

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ホテルをチェックアウトした後、お使い物を買うために日本橋タカシマヤまで移動。せっかくオーボンヴュータンに来たのだから…と、ちんまりと自分たち用のお菓子も買い、「安藤忠雄展ー挑戦ー」を見るために、国立新美術館へ。本当は、国立科学博物館で開催中の「アンデス文明展」に行きたかったのですが、月曜日って公立・私立問わず、美術館・博物館は軒並み休みなのよね。休みじゃないのって、国立新美術館くらいなのよ。

…だからなんでしょうか、安藤忠雄展、平日だというのにとんでもない人でした。正直なめてた。もっとすんなり見られると思っていたのですが、入ってすぐの、模型とパネルが延々と並んでいる展示エリアが長蛇の列。みんなじっくり見るものだから、牛歩よりも進まない。係員の方は並ばないでどんどん進んでくださいというけど、並ばないとパネルの説明文が読めないから、皆なかなか列を崩さない。私はあきらめて、ここの展示はスキップしました。ちょっと残念でしたけど、でも、これ以降も見るべきものは多いのです。

次が、今回の展示の最大の目玉である、代表作の一つ「光の教会(茨木春日丘教会)」の実物大模型(?)。本物には、正面の十字のスリットと向かって右手の開口部にはガラスがはめられていますが、音声ガイドの本人談によると、建築家は当初はガラスなしの吹き抜け状態を予定していたそうです。なぜなら、寒さをしのぐために皆で身を寄せ合いながら祈りをささげる…そういった行為こそが信者たちの一体感を強めより祈りという行為が純粋性を増すと考えたからだそうですが、施主の「安藤さんそれは無理だ、寒い」の一言で却下となったとのことでした。また、予算が厳しいという条件を逆手にとって、屋根のない建物を作ろうとしたそうですが(理由は開口部にガラスをはめないほうがいいと思ったのと同じ)、寄付をしてくれる人が出て屋根が付いてしまった、残念だ、とも言っていました。

ここからが笑ってしまったのですが、しかし私はあきらめない、いつかはこのガラスを取ってやろうと思っている、あきらめたら人間そこでおしまいなんです、と力説。この展覧会では実現してやろうと思って、ガラスを入れておりません、とのことでした。正直言って、本当に寒かったです。ここで牧師さんの説教を聞くとか、ちょっと無理だな…と思いました。

この展覧会、展示自体もいろいろ興味深いものが多くて楽しかったのですが、本人が大阪弁で喋りまくっている音声ガイド(展覧会に際してロングインタビューが行われたものをぶった切って音声ガイド風に再編集している)がめっちゃ面白くて、楽しかったです。とにかく「あきらめたらアカン」「がんばれ」という言葉がやたら出てくる音声ガイドで、声だけ聞いていると、単に大阪弁でがなりたてているおっさんに見えてしまうのだけど、よーく聞いていると話し言葉なのにやたらとわかりやすくて、やっぱりただものじゃないなぁ…と思いました。

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光の教会の内部。人が多くて敬虔な雰囲気はゼロでしたが、寒さと光の鮮やかさは体感できました。

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光の教会の、外側から。ガラスはまってないです。脇からも中に入れます。

展覧会で紹介されていた建築で興味深かったのは、頭大仏殿(真駒内滝野霊園)と上海保利大劇場とフォートワース現代美術館。どこも遠いので実物を見に行くのは無理そう…。頭大仏殿くらいは何とか見に行けるかな。

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カフェテリアでコーヒーを買い、買ってきたシュークリームとエクレアをかじる。いろいろ満ち足りた気分。

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