はり重

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初日は団菊祭の夜の回を見に行きました。

演目は、「蘭平物狂(らんぺいものぐるい)」、「弁天娘女男白波(べんてんむすめめおとのしらなみ)」浜松屋見世先の場、稲瀬川勢揃いの場、「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」の3本。久しぶりに夫も一緒に見ました。

「蘭平物狂」は、もともと「倭仮名在原系図(やまとがなありわらけいず)」という時代物浄瑠璃の四段目にあたるものだそうですが、わりに早くに通し上演されることはなくなってしまい、四段目だけが歌舞伎で残ったんだそう。主役の蘭平さんは、刀を見ると記憶がなくなって狂っちゃうという奇病の持ち主という設定で(でもこれは敵を欺くための仮病)、その部分が前半の見どころなのですが、案外タルイ感じで話は進みます(蘭平の息子繁蔵が非常にかわいらしく、むしろ前半は繁蔵に持ってかれてる感じも)。が、後半の大立ち回りはほんとに派手。20分にわたって延々立ち回りが続きますが、松緑丈の身体能力の高さにはほんとに驚きっぱなしでした。すげえよ。

「弁天娘女男白波」は、弁天小僧菊之助が「知らざぁいってきかせやしょう」って長ツラネを言う部分が有名ですけど、今回上演されているのも浜松屋見世先の場と、稲瀬川勢揃いの場なので、話の筋よりも見どころをつまみ食いしながら楽しむって感じでした。弁天小僧菊之助は菊五郎、日本駄右衛門は団十郎、南郷力丸は左団次。生で観れてうれしいよ。

「春興鏡獅子」は1時間近くもある長唄舞踊なんですが、わたくし初めて見るんですけど、ほんとに楽しかったです(夫は寝てましたけど)。菊之助丈がほんとにきれいでした。日本舞踊ってのは即物的な振り付けが多いので、唄がわかっていなくてもまぁそれなりに楽しめるって部分もあって、見るのは結構好きですね。日舞に限らないでしょうが、きれいな人が踊るとより美しく。ってなわけで、うっとり。

普段は弁当持参ですが、今日はそうもいかないので、松竹座隣の「はり重」でビーフカツサンドを奮発しました。観劇前にお店に行くと、「和食弁当ですか、洋食弁当ですか」と聞かれたので、いえいえサンドイッチでと注文すると(弁当は3000円前後するのでさすがに頼めん)、「ほな、次の幕間に合わせて作りますんで、最初の幕間になったら取りに来てください」と言われてびっくり。出来立てを食べてもらいたいので、こういうシステムになっているのだそう。3階席って実質5階にあるんで階段ダッシュは少々しんどかったですが、ほかほかのカツサンドはほんとにおいしかったです。牛肉っておいしいんだなぁ…と柔らかいお肉をかみしめながら堪能しました。

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