資生堂パーラー

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新橋演舞場で催されている8月花形歌舞伎の1部を観に行ってきました。今月は3部制なので1回あたりの上演時間が普段より短め。これくらいの長さだと観るほうはラクでありがたいです。

今回の演目は「花魁草」と「櫓のお七」。

「花魁草」は北條秀司原作の新歌舞伎で、元は七世尾上梅幸に当て書きされたものだそう。安政大地震で焼け出された吉原の女郎と芝居小屋の大部屋俳優が出会い栃木でつつましく暮らしていたのだが、あるとき芝居小屋の座元とその贔屓客がやってきて芝居に戻らないかと言う。それを聞いた女は男を江戸まで送り届けた後こっそり姿を消す。6年後、淡路屋という屋号をもらって大成した男は、栃木まで巡業に出て大々的な興行を行う。その晴れ姿を遠くから見た女はひとり涙するのだった。

まぁそういう話なんですが、女性の心理が細やかに書かれていて、正直ちょっと泣けました。劇中でも出てきますが、この女郎はいわゆる「可愛い女」というやつで、彼女の決断は今時流行らない生き方ですし、自分自身もあまり好まない考え方ですが、それをあれこれ言うのはヤボってもんでしょう。情の深い女という役が福助丈にぴったりという印象でした。

「櫓のお七」は、八百屋お七をテーマにした舞踊で、人形振りで見せるのが見どころです。人形振りは、阿古屋に出てきた岩永左衛門(猿弥)に続き2回目でしたが、岩永はちょっとした道化として人形振りで見せていたのに対し、こちらはそういうお笑いは一切なし(その前段は侍女とのコミカルなやり取りで笑いを誘っていましたが)。まさに人形浄瑠璃をそのまま持ってきたような、不思議な踊りでした。

ところで、私はこれを見ている最中、「ガラスの仮面」の「石の微笑」を連想してしまいました。話が全然違いますし、あれは人形振りじゃなくて、ホントに人形の役なんですけどね。顔も体も人形になっての踊りはさぞや大変だろう…と思いながら見ていました。楽しかったです。

今月の歌舞伎は、全部友人と一緒に見るので、もちろん今日もご一緒。彼女は普段一等でしか見ないから三等で大丈夫かいな…と思ったが(三階席から見る舞台の小ささに驚いていた様子だったが)、まぁ我慢してもらおう。彼女によると、十月花形の「義賢最後」は「めっちゃおもろいよー!!」ということなので、これは頑張っていい席を取らなくては…と気を引き締める。

で、舞台が終わってから資生堂パーラーへ行き、お昼ごはん。メニュー見て「5000円もするカレー(伊勢海老入っている奴)あるよー、うひゃー」などと言いながら、結局オムライスとミートクロケットを注文。「シェアしたいんです」というと、きれいに半分にして出してくれます。ありがたや。

しかしですね、このオムライスは、ホントのホントにおいしかったです。近いうちにまた食べたいです。

ガラスの仮面 (第5巻) (白泉社文庫)

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とっておきの銀座 (文春文庫)

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