日別アーカイブ: 2015/05/22

上越方面へ旅に行っていました(1日目)

上越方面に旅行に行っておりました。

今年のゴールデンウィークは夫はベラボーに忙しかったので(そのわりに、日帰りで水戸に遊びに行ったりもしましたが)、うちとしては、ここがゴールデンウィーク的な感じなのであります。さほど遠くではないので、1泊でもよかったのですが、夫が「久しぶりにたっぷり旅を満喫したい」というので、思い切って2泊に。わたくしも、生まれて初めて、有給休暇を取っての3連休なのでした(今まで有給とかボーナスとか手当とか、そういうものが存在する会社で働いたことがなかったの…)。
結果的に、2泊してよかったねー、と帰りの電車の中でうなずき合う、大満足の旅行になりました。

行き先は上越市直江津地区(上越市の観光のページ )。

最大の目的は、直江津駅で売っている駅弁を食べることです。というのも、わたくし、『駅弁ひとり旅』という漫画を未だに後生大事に読み返しているのですが、そこで紹介されていた駅弁(鱈めし、するてん)が何とも美味しそうなこと(直江津の駅弁が紹介されているのは11巻)。うーん、いつかは行って食べてみたいなぁ…と思いつつだいぶ経ちましたが、ようやくその希望が叶うことになりました。

ちなみに、直江津駅の「鱈めし」というのは駅弁好きにはつとに知られたもののひとつのようでして、駅弁マスター・ヨネスケもわざわざ直江津まで行って食べた感想をエッセイ(農林水産省/駅弁紀行 第21回)にものしていたりします。

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Maxときの車内で、大宮駅の新幹線ホーム内の売店で購入した「ひと口 牛たん 麦ご飯」(こばやし)を食べる。

駅弁食べに行くのに、その前に駅弁食べてどうする…と悩んだが、しかし、お腹が減ったので。スパイシーな炙り牛タンの薄切りを麦ご飯で挟んで一口大にカットしたもので、おおよそ想像通りの味。手軽で美味しい。
夫にも勧めたのだけど、数年前(もうだいぶ前)に仙台で牛タンを食べ過ぎてお腹を壊して以来、牛タンには全く興味を示さなくなっており、今回も見向きもしなかった。まだ牛タンへの苦手意識は継続しているようです。

目的地直江津駅へは、大宮から上越新幹線で越後湯沢まで出て、ほくほく線(北越急行)に乗り換えて向かいます。行ってみたいと思いつつ実行するのに何年もかかったのは、微妙に、首都圏からのアクセスがよくないイメージが強かったから…というのもあったのですが、大宮から越後湯沢までってたった1時間。思っていた以上に近くて、あっという間でした。

ほくほく線の超快速「スノーラビット」で終点直江津まで。越後湯沢から直江津までは14の駅があるけれど、停車駅は六日町駅ただひとつ。1時間弱で直江津に着く。南関東エリアから日本海側に出るのは昔はかなり時間がかかりましたが、今や3時間ほどで行けちゃうものなのですね。

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ろくな写真が撮れませんでしたが、車窓からの景色は、雪山をバックに、チロルっぽい建物が密集する地区もあり、なかなかよい雰囲気でした

超快速というのは、特急ではないんだけど、快速よりも速いという意味合いで付けられたようですが、つまりは、「特急料金なしなのに、ほぼ特急列車」ということ。運転開始は今年の3月なので、まだ2ヶ月ちょっと。だから、車両もきれいで心地よい。しかも、ほくほく線は(ちょっとトンネルが多いんだけど)車窓からの景色が長閑で素敵。駅弁食べながらのんびり過ごすってのも相当よさそうです。(車両が)新しくて、便数も少ない(超快速は1日1便)からでしょうか、平日にもかかわらず、乗り鉄、撮り鉄とおぼしき人(ほぼ中年男性)がちらほら見受けられ、停車した折には皆先頭車両に殺到して、電車の正面を撮影しておりました。

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正面からの写真はいまいちだったので、車両横に描かれているスノーラビットさんを激写

終点直江津駅に到着。駅構内に駅弁売り場があって、あぁー、漫画にあるとおりだーと思わずしみじみと見入ってしまったのですが、実は、もうホテルで予約しているので、ここのおじさんからは買えない…。おじさんが「私の一番のお勧めはコレ!」と言っていたのは「さけめし」でしたが、予約していたのは違うお弁当なのよね…、残念。明日食べることにしよう。

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直江津駅を出たところすぐにある「ホテルハイマート」。直江津駅の駅弁はここのホテルで作られているので、駅構内の駅弁売り場で購入するほか、予約してホテルで受け取ることも可能なのです。

 

早速予約した駅弁を受け取って、ぶらぶらする。天気もいいし、屋内で食べるのは味気ないから、どこかいいところはないか…と思いつつ、海方面に向かいましたが、海岸に降りる道が見当たらず、弁当を広げて良さそうな場所も見当たらず焦る。

仕方なく水族博物館の脇の公園で新聞紙を広げて座り、ようやくお弁当とご対面。

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夫は「するてん」、私は「鱈めし」。

ハイマートの駅弁は種類が多くて目移りするけど、やっぱり最初は名物からだよねーってことで。「鱈めし」のパッケージが、鱈漁の写真ってのがなんだか生々しくてインパクトがあるなぁ、と思う。普通、もう少し、食材感のある写真を使うんじゃなかろうか。ただ、このインパクトがまたいい味出してるなぁとも思うのですが。

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鱈めし。

鱈の甘露煮をメインに、半生薄切りの焼きたらこ、鱈と昆布の子和え(結構酸味が強い)、はじかみ、わさび漬け、奈良漬け、梅干し、昆布の炊き込みご飯。お弁当箱は小ぶりですが、ご飯もぎっしり、おかずもバラエティ豊かで十分すぎる量です。

しかし、はなっから「うまいだろうなぁ~」と思いながら食べたにも関わらず、想像した以上に美味しかったのがまた嬉しかったです。なんていうか、最近の「美味しかった!」は、「あんまり期待してなかったけど、でも、実際に食べたら美味しかった」ってパターンの「美味しかった!」が多いので。「期待通りに美味しい!」って、個人的にはかなり嬉しい。

考えるに、このお弁当の一番の素晴らしさは、甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱいのバランスが絶妙なところにあるんじゃないでしょうか。さすが、看板駅弁だけあります。甘露煮の味も見た目ほど濃くなく、これだけで美味しくいただける塩梅。
あと、印象深かったのがわさび漬け。妙に美味しかったのですが、これ、自家製だったのでしょうか。あんまり美味しかったので、帰宅後、わさび漬けの作り方を探してしまいました。

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するてん。

「するてん」とは、一夜干ししたいかの天ぷらのこと。最初は駅弁用に開発されたおかずなのかと思っていたのですが、そうじゃなく、上越地域の郷土料理のひとつなんだそうです。地元の居酒屋さんのお品書きにも「するてん」とありましたし、昔からこの地域では馴染みある食べ物なんでしょうね。

で、するてんは、するてんをどーんとメインにした弁当で、ものすごく潔い内容。たっぷりのするてんの他は、わさび漬け、キューちゃん漬け、ゆで卵、おにぎり(鮭、梅)、オレンジ。しかし、このシンプルさがイイ。するてんは柔らかく、おにぎりも美味しい。夫はことに鮭おにぎりが美味しいと気に入ったようでした。

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食後に上越市立水族博物館へ行き、2時間以上も堪能。
なんとはなにしふらっとはいっただけなのですが、すごく楽しい水族館でした(また行きたい)。園内のあちこちに「完成したときには日本一」みたいなネタがちらほらあって(マゼランペンギン飼育数とか、水槽の大きさとか)、意外と知られた施設なのかも…。今年の4月から実際の管理は横浜八景島に移管したそうで、北陸新幹線の開業を見込んで改装する予定もあるとのことなので、数年後に行ったら、もっと立派な施設になっちゃっているかもしれません。

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展望ルームにあった地図。地図って、どこを中心に据えるかで、がらりと印象が変わるよね…とつくづく思う。

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マゼランペンギン。
カメラを向けると喜んでやってくるので人なつっこいなーと思っていたら、カメラのストラップが魚に見えるらしく、それに反応していたようでした。しかし可愛かった…。正面から見ると、うちの黄色い小僧に顔立ちがそっくりで、ああやっぱり、鳥だよねと思う。

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直江津地区ってのは親鸞聖人流罪の地としても知られているところだそうで、ゆかりの場所の一つである五智国分寺に行ってみる(この寺院内にある草庵で過ごしたそうです)。
国分寺の名が示す通り創建は奈良時代ですが、実際は戦国時代に上杉謙信によって再興され、今に至る…という感じのようです。現在の建物は平成9年に再建されたものですが、塔も金堂も質実剛健的な感じで、寺全体が清々しい雰囲気でした。

ところで、直江津地区は国分寺があったことからもわかるように古くから栄えた町だったようで、中世のころにはこの地域を「府中」と呼んだそうです。府中という地名、地域名は全国に結構ありますが、とはいえ、やはり、なんとはなしに親近感が沸くような気もします。

 

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駅前に戻って、駅前商店街をぶらりとし、名物「継続団子」とビール、酒を買う。

「継続」ってどういう意味? としおりを読むと…時は明治36年に、米穀取引所の営業の継続許可が下りたのを記念して作られた…のがその由来だそう。米穀取引所とか、継続許可が出て市民喜びの提灯行列とか、「継続」という言葉が商品名になってしまうとか(たぶん、流行語だったんでしょうね)、時代だなぁ…と思う。団子と聞くとつい餅菓子を連想しちゃいますが、これは、白餡を固めて串に刺したもの。あんこ玉に近いかも。素朴な甘さで美味しい。いろいろ時代がかってますが、お味そのものは、お茶よりむしろ、コーヒーに合うハイカラ風味な気がします。林芙美子の『放浪記』にこれを食べるシーンがあるそうで、それを聞いて私は生まれて初めて『放浪記』を読んでみようかな…と思ったのでした。

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晩ご飯用に予約した駅弁の引き渡し時間まで間があったので、駅構内の駅弁売り場で「甘海老天丼」を買って、つまみながら 一杯やる。冷たいビールが美味しい。

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晩ご飯は、夫は「ほたてご飯」、私は「磯の漁火」。

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ほたてご飯。

白飯の上に、ほたての照り焼き。横半分にスライスしているのがやや興ざめながら、食べやすいので結果オーライといえるかも。ご飯とのバランスが絶妙で、駅弁大会では結構ウケそうな気がします。

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磯の漁火。

「鱈めし」とこのお弁当が、雑誌などでよく紹介されるので二枚看板なのだと思います。二段になっていて、下がおにぎり、上がおつまみ。のんべさん専用弁当といったところでしょうか(それがいいのよね)。
おつまみは、カニの身入りもずく酢、にしんの昆布巻き、サザエの壺焼き、炙り一夜干しいか、甘海老から揚げ、オレンジ。おにぎりは、梅と鮭。わさび漬けにキューちゃん漬け。おにぎりが美味しいなぁ。

お酒は千代の光の純米大吟醸。さらっとしていてすいっと呑めます。怖いなーと思いながらすいすい呑んじゃいましたが、翌日もすっきり、でした。

しかし、よく歩いて、よく日を浴びて(すごく焼けた…)、よく食べた1日だったなぁ。いい休日を過ごしております。

グラノーラ

カテゴリー: 朝食 | 投稿日: | 投稿者:

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 これから旅に出るのですが、とはいえ、起床時間も朝食も、いつもと全く同じです。お皿を洗ったら、もう出発。いってきますー。