日別アーカイブ: 2015/05/24

駅弁とワンカップ

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大宮駅で少しのんびりしたとはいえ、8時には帰宅。そこそこ旅行の回数を重ねるとものぐさ夫婦も少しは賢くなるもので、帰宅したら、まずはさておき、着替えと荷物整理をしてしまう習慣が付きました。

全部片付けて、着替えもして、さっぱりしてからようやく最後の駅弁タイム。直江津を離れる際にホテルハイマートで受け取った、「鮭めし」と「するてん」。色々食べたけど、最終的には、我が家では、「鱈めし」「鮭めし」「するてん」が1番のお気に入りだと言うことが分かったのでした。なお、ハイマートの駅弁は、ホテルと直江津駅だけでなく、上越妙高駅内の駅弁屋(山崎屋)でも販売しています。皆様も、北陸新幹線に乗った際にはぜひお試しを。美味しいよー。

駅弁のお供に鮎正宗の鮎カップ(鮎正宗の普通種)。

私は、いろいろこんまいものをちまちま集めるのが好きなタチなのですが、ここ数年、こそこそと続けている収集品の一つに、ワンカップがあります。柄が可愛いからというのが第一ですが、もともとお酒が好きで、色んな種類を飲んでみたいけど、でもそんなに強くない私にとっては、うってつけのお土産なのです。

無地のガラスカップにラベルを貼ったものは不可、ガラスに直接プリントしてあるものだけに絞って集めているのですが、意外とこの条件厳しいようで(やっぱり、直接プリントしてあるカップって単価が高いんでしょうね)、ここ5年ほどで20個ちょっとしかないのですが、しかし、かなりしまう場所に困るようになってきました(何とかせねば…)。

鮎正宗の鮎カップは、時々購入する日本酒のネットショップで扱っていて、買ってしまおうか、どうしようかと数年悩んでいたブツのひとつだったので、直江津の商店街の酒屋で見つけた際に即買い。現地で買うことにこだわりがあるわけじゃないですが、まぁ、直接買えるならそれに越したことはないよね、とは思います。清流を泳ぐ鮎の絵が、爽やかな印象。味もそのイメージ通りにすっきりしており、瓶で買ってもすぐに呑み切れそう。するてんのお供にも最高で、楽しい旅を反芻しながらの晩ご飯でした。

これだけ休むと、明日はもう会社かよ、だるいなーという気持ちもなくはないものの、さぁ頑張りますかという気持ちのほうが強く出る。やっぱり、しっかり休むって大事だなぁ。

上越方面へ旅に行っていました(3日目)

最近は旅行と言っても1泊がほとんどで、ときには日帰りで済ませてしまうこともままあるなかで(昨年の八戸日帰り旅行[]は私の中では伝説)、2泊となるとなかなかに贅沢な気分。十分に中年と言われる年齢になってみてようやく実感するのですが、「自由時間が沢山ある」ということは最大の贅沢だよな…とつくづく思います。

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我が家は朝4時起床なので、基本、旅行先でもその時間に起きます。朝食はまだだし、やることもないので街中を歩く。ちょうど、「旅情のまち 日本海・直江津 まちあるきガイドマップ」というパンフレット(地図)を貰っていたので、せっかくだから、お勧めの見所を順に廻ってみることに。

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直江津はもともと砂丘を固めて作った街だそうで、海辺に向かうにつれて登り坂になっています。ならさずにあるがままに固めた土地の上に街を作っているので、起伏が多く、道の入り組み方が複雑。不思議に人の気配もあまり感じられなかったため、白昼夢の中にいるような…そんな雰囲気に満ちていました。

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直江津の1番のシンボルとも言えるのが、旧直江津銀行前のライオン像だと思います。直江津銀行自体は、明治43年に取り付け騒ぎを起こし、大正4年には解散していて、それ以降建物は地元の実業家に買い取られて近年まで事務所として使用されていたそうです。

このライオン像、確かにかなりフォトジェニックで、どう撮ってもそこそこサマになる。市のホームページによると、建物を買い取った高橋達太氏が日本橋三越前のライオン像を真似て造ってと注文して作らせたものとありました。三越でライオン像がお披露目されたのが大正3年、高橋氏が直江津銀行を買い取ったのが大正7年頃という話なので、「三越=ライオン」のイメージはすでに当時相当広く知られていたのでしょうね。
せっかくなので、日本橋三越のライオン像は誰が造ったのかな? と調べてみると、当時の三越支配人・日比翁助がイギリス視察旅行の際にトラファルガー広場のライオン像をモデルに、イギリスで作らせたものなのだそうです。そういえば、わたくしは大昔にトラファルガー広場に行ったことがあるので、このライオン像も写真に撮っているはずなのですが、今はどこにあるのやら…。それはさておき、トラファルガー広場、日本橋三越、直江津銀行と、3つを見比べてみると、少しずつ違うのが面白いなぁと思います。

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しかし、この建物、相当に和洋折衷。洋館の上に瓦葺き。イニシャル入りの飾り瓦がモダンです。
また、煉瓦造りの建物というか、煉瓦の壁も直江津のモニュメントのひとつ(元々は建物だったけど朽ちてしまって壁だけが残っている)。直江津の街は常に海風が吹くため、ひとたび失火があるとあっという間に街中を焼き尽くされてしまうというデメリットを持っています。そのため、明治以降になると、経済的余裕のあるところは煉瓦造りの建物や煉瓦の防火壁などを作ったそうで、街中にはその残骸がちらほらと見られます。

こんなあれこれを見ながら1時間ほどぶらぶらしてホテルに帰還。朝食を食べて、予約した駅弁を引き取って、チェックアウト。最終日の最後の目的地、春日山城(跡)へ向かいます。

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まぁ、なんとも、不便なところにある城で…(便利なところにある城ってのも問題だけど)。車があればラクチンですが、電車オンリーの観光客にはなかなか行くのにハードルのある立地です。
幸い春日山城周辺をつなぐ観光バスがあったのでそれに乗って、いざ! と、麓に到着して、待っていたのは、急な階段(階段の両脇に「公明正大」「大義名分」の石碑が建っているのがなんとなく上杉謙信っぽい感じ)。

ただ、「城」といっても、山城だし、しかも、今は本当にただの山になっておりまして、あちこちに立つ「○○跡」の看板を見ながら、想像力逞しく脳内再生していくしかないわけです。
かなりきれいに整備されてはいるのですが、とはいえ足下はあまりよろしくなく、旅行に行くたんびにさー、トレッキングしてるよねー、とハァハァいいながらひたすら急な階段や坂道を上ります。一応観光地なので、地元のそこそこ若いカップルがデートがてらにいらっしゃっているのを数組見かけましたが、彼女たちは一様にサンダル&日傘で登り切っておられて、若いってすごいなぁ…としみじみ感じ入った次第です。

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本丸跡に立つと、想像以上に見晴らしがよく、かなり広範囲を見渡せます(直江津の海までしっかり見えた)。春日山は標高180mほどだそうで、昨日高田城の櫓から見たときには「ちんまりした山だなぁ」と思ったのですが、下から見るのと上から見下ろすのでは、だいぶ印象が違います(左の写真は数百メートル離れたところから撮ったものですが、ちんまりしてるでしょう)。
かつてはここに建物があって、名だたる武将がそろって話し合いなどをしてたのね…と思うと、不思議な気分になる。

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春日山山頂からの素敵な景色を見ながら、きょうも駅弁を頂きます。天気がよくてよかったなぁ。
ハイマートの駅弁も食べられるのはあと2回だから、悔いなく食べたいものを食べておこうね…ということで、夫は「鮭めし」、私は「鱈めし」。
鱈の甘露煮の甘辛味に、半生たらこの塩辛さ、酢の物の酸味、それにほんのり昆布のうまみを含んだご飯。このバランスがとてもよくて、最後まで食べ飽きない。漬物も、わさび漬け、奈良漬け、はじかみと、わたし好みなものばかりなのもいい。
「鮭めし」も大変に美味しいとのこと。よかったよかった。

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順調に山を下って(夫は古い石垣とか土塁に反応するタチなのですが、二の丸後の当時のものと思われる土塁を見て喜んでいた)、謙信公の像が見下ろす茶屋で「新潟産コシヒカリモナカ」。コメ粒は言われなければほぼ感じなかったのですが、アイスがさっぱりしていて美味しかった。

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林泉寺によって、上杉謙信のお墓を見て、館長さんの解説(非常に流麗かつ臨場感のある解説でした。一通り解説し終わった後、「これであなたたちも謙信公だ!」と太鼓判を押され、別れ際には「謙信公をよろしく!」とグッドラック的な感じで言われたときには本当にそんな気分になりました)を伺いつつ宝物館を見学。
上杉謙信の直筆のあれこれが結構残っているのですが、どれもこれもものすごく男らしい字で、書かれてる文字もなんか男らしいスローガンみたいなものが多くて、なんかスゴイ…。山門にかかってる「春日山」の字も、上杉謙信の手によるものだそうです。上杉謙信には「実は女だった」という(与太系の)俗説がありますが、私も歴史系の与太話は嫌いじゃないですが、あの字を見た後には絶対にそれは信じられん。

ホテルハイマートへ戻って、預けていた荷物と、最後のお弁当を引き取る。3日間、昼夜ひたすらに駅弁をお願いをするなど、たいへんお世話になりました。3日間で14個かぁ…、よく食べたなぁ…。やりきった感半端なし。

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最後に商店街をぶらぶらして、初日から気になっていた「なおえつ茶屋」という珈琲屋さんに入る。聞けば、ふだんは日曜は開けないそうですが、何となく今日はたまたま開けたとのこと。先客が数人いましたが「あら、お客さんが来てくれるなんて、今日は開けてよかったわー」となんとも魅力的な雰囲気の女性が迎えてくれました。
この女性の舞台写真が何枚も飾られていたので、踊りをされてるのかな…と思ったら、この女性、花柳紀寿郎(はなやぎのりじゅうろう)さんという現役の舞踊家で、現在は直江津周辺で月に1回ほどのペースで林芙美子をテーマにした創作舞踊を発表しているほか、神戸などへ踊りを教えに行ったりなどもされているそう。話しの流れで年齢を伺ったら74歳とのお答えにびっくり(10~15は若く見えた)。日本舞踊をされている方って、体幹を鍛えているせいでしょうかね、若々しい方が多いですよね。

絶妙の間合いで色々お話ししてくれるのがとても素敵なのですが、コーヒーがものすごく美味しくて、これまた素敵だなぁ、と。アイスもホットもものすごく好みの味。聞けば、自分で生豆を取り寄せて自家焙煎しているそう。
「どうせ店をやるんだったら、愛するコーヒーを徹底的に極めたいと思って」と仰っておられましたが、独学でもこんなに美味しいコーヒーが淹れられるんだなぁと、私自身も普段あれこれ試行錯誤しているので、いいお手本を見せて貰ったような気分。旅の締めくくりにピッタリの時間が過ごせたような気がします。

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最後の駅弁は、やはり駅弁らしく、ほくほく線の中で食べよーと思っていたのですが、ちっともお腹がすかないので残念ながら持ち帰り。
その代わり、大宮駅構内のサザコーヒーのスタンドで、ソフトクリームとアイスコーヒー。昨年の八戸日帰り旅行の際に食べたのが無性に美味しかった記憶があって、今回もついつい寄っちゃいました。今日も美味しい。

その後、埼京線~武蔵野線と乗り継いで帰宅し、自宅でワンカップ飲みつつ駅弁を食べて旅のシメと相成りました(駅弁は次の記事で)。あぁ、楽しい旅行でした。

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上越旅行記、ようやくおしまい。ふー、お疲れ様でした!