タグ別アーカイブ: きょうの料理2007年12月号

自作のおせち

美山荘の素敵なおせちは、昨日のうちに食べきってしまい(はかない…。でも賞味期限を考えると、だらだら食べるわけにもいかない)、今朝からは私が作ったおせち。

きんとん、叩きごぼう、煮しめ(海老芋、金時人参、牛蒡、れんこん、焼き豆腐、生麩、こんにゃく)、数の子、炒めなます。あとは、大分から送ってもらったかまぼこに、伊達巻。

年々自己流になりつつあるけど、いくつかの料理には一応お手本とするものはあって、叩きごぼうは『有元家のおせち25品(旧版)』(有元葉子)、煮しめと炒めなますは概ね『祝いの料理』(土井善晴)、数の子は『きょうの料理2007年12月号』(辰巳芳子のこれだけは作りたいおせち)、なのでした。もっとラクに作れるレシピも持っているのだけど、なんだかんだで、作り始めの頃に覚えたレシピに戻ってしまう。

数の子と炒めなます

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ごく一部の珍味を除いておせちは食べ終わってしまったので(賞味期限が1月1日なので)、もはや2日から日常です。とはいえ、全くおせちを作らないのもなぁ…と、夫リクエストの数の子と、例年おせちを作る中で結構気に入っているひと品である炒めなますを作っておいたので、お雑煮と一緒にそれを食べます。

数の子は『きょうの料理』2007年12月号に載っていた辰巳芳子さんのレシピで、炒めなますは『祝いの料理』のレシピで作っています。本当は三杯酢を使うのですが土佐酢を使うのも例年通り。ほんのりした酸味でたくさん野菜が食べられるので、食べるとなんだか体がほっとするのです。

おせち

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あけましておめでとうございます。

今年も無事、おせちを作って食べる正月を迎えることが出来ました。今年は大晦日にはほとんど作り終えていた上に、元旦もちゃんと、いつも通り早朝には起床していたので、もう少し早く詰め終わるかな…と思ったのですが、やはり、最後のお重詰めに手間取ってしまいました。きれいに詰めるのは本当に難しい。

以下、お重ごとに、今年作ったものメモ。

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【一の重】

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【二の重】

  • れんこんの煮しめ
  • しいたけの煮しめ
  • ごぼうの煮しめ
  • 手綱こんにゃく
  • 八つ頭、海老芋の含め煮
  • 日の出人参
  • 生麩揚げ煮 (角山本店の粟麩)
  • 黄金くわい
  • 銀杏餅
  • 絹さやの含め煮

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【お造り】


全部で28品かな、よく作ったなぁ…と思いますが、今回は今までで一番気分的にはラクでした。あらかじめ大きな紙にざっくりと全体のスケジュールを一覧にしたほか、日ごとにやるべきことリストを作っておいたのが大きかったのだと思います。やることが明確であればあとはこなすだけなので、そんなに辛くはないんですね。おせち作りに限ったことじゃないですが、見通しが見えない状態でやる作業が一番疲れる。

あと、今年は、数品を同時並行で作る…という作業を出来るだけ避けて、1品ずつ作るようにしました。時間的には無駄も多かったと思いますが、最初から最後までを通しで調理するほうが落ち着いて料理が出来るので、私の性格的には却って良かったと思います。焦ってやるとそれだけ疲労感が大きいし、ミスも出る。あがり症で、1つの失敗をいつまでも引きずるタイプなので、出来るだけミスを出さないような段取りで作業を進めていくのがベストだろう…と思ったのですが、多分、それ、正解だったと思います。おかげで、今年は「やばい!」という失敗は2回しかしなかった…と思う。

おせち作りは、28日から本格的に始めて、31日の夕方にほぼ終了。作業時間的には、実質2日半位だと思います。30日の夜中が一番辛かったのですが、詰め終わったお重を見たら、なんか、もう、吹き飛びました。自分で言うのもナンですが、今年のおせちは、相当によく出来たと思います(なんか、毎年自画自賛してますが…)。なんていいますか、今年のは、しみじみと、美味しかった。

それぞれの料理に関してはおいおい別の記事で書いていきますので、以下自分用備忘録がてらに、簡単な作業メモを書いて、今回の記事はおしまいにしたいと思います。

相変わらず、穴ぼこだらけのブログですが、どうぞ、よろしくお願いします。


 

12月中旬

  • 数の子、黒豆、ごまめ、購入
  • ステンレス鍋、包丁、まな板、さらし、購入

28日

  • 野菜直売所と市場(TOC)へ買い出し。八つ頭、三浦大根、金時人参、絹さや、菜花、くわい、れんこん、銀杏
  • スーパー、デパ地下へ買い出し。玉子、ごぼう、さつまいも、鶏皮、塩鮭、日高昆布、かんぴょう、青のり、芥子の実、竹の皮、笹の葉
  • 万能だしを作る、しいたけ戻す、くちなし水作る、鯡を解凍する
  • 鯡昆布巻き、ごぼうの煮しめ、れんこんの煮しめ、しいたけの煮しめ、ごまめ、日の出人参、黄金くわい、きんとん、黒豆戻す

29日

  • 五色なます、鮭の昆布巻き(下煮)、八幡巻き(中身の下煮)、鶏皮焼く(銀杏餅用)
  • かまぼこ、購入

30日

  • 市場(築地)へ買い出し。あわび、平目、帆立貝柱、あなご開き、はもすり身、ゆでだこ、かつおぶし、鶏肉、鴨挽き肉、海老芋、玉子焼、生麩、山葵
  • 日本酒、唐墨餅、購入
  • スーパー、デパ地下へ買い出し。牛肉、鶏レバー、こんにゃく、せり
  • 黒豆、あわびの酒蒸し、たこ柔らか煮、八幡巻き、鮭の昆布巻き、炒めれんこん、生麩の揚げ煮、手綱こんにゃく、たたきごぼう、数の子味噌漬け、銀杏餅、うずら玉子茹でる(あなご巻き用)

31日

  • デパ地下へ買い出し。しょうゆ、日本酒、砂糖、そば
  • 八つ頭、海老芋の含め煮、きぬさや含め煮、伊達巻き、松風焼き、あなご巻き、菜花茹でる
  • 年越しそば作る

おせち

DSC_6865 by nekotano

あけましておめでとうございます。

これを書いてるのはそろそろ5日か…という時間なのですが、おせち自体は、今年もおかげさまで無事、元旦の午前中には、ご覧の通りの状態にまで仕上げることができました。例年、元旦に写真だけはアップしているのに、今年は三が日が過ぎても更新せず、ご心配をおかけしました。スイマセン…。

今年は、前日までの仕込みが予想以上にスムーズだったのが逆に仇となったか(紅白のほとんどを、ソファに座って見られたくらい、余裕かましてた)、当日朝の盛り付け等々にどえらい時間がかかって、ホントにしんどかった…。腹ペコなのに食べられないし、夫は待ちくたびれてガン寝しちゃうし…正月から地獄や…と思いました。もう、来年のおせちは、前の日に重箱に盛りつけるまでやってしまおうか…と思っております。

1枚目の写真がブレブレだったのは、もうヘトヘトで、見返す気力もなかったからだと思います。下3枚も私には珍しく、ばりっばりに補正していますが、まぁ、記録ですから…、変な色合いなのはどうぞご容赦ください。

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以下は、作ったものメモ。

一の重

  • 八幡巻 (有元葉子さん)
  • 龍眼巻 (土井善晴さん)
  • 数の子 (辰巳芳子さん)
  • 田作り (有元さん)
  • 叩きごぼう (有元さん)
  • 昆布巻・鰊 (土井さん)
  • 黒豆 (土井さん)
  • 炒めなます (土井さん)
  • きんとん
  • 玉子焼 (大定)、蒲鉾・赤 (鈴廣)、ゆで絹さや

テキストは例年通り、『有元家のおせち25品』と、『祝いの料理』の2冊。有元さんのおせちの本には『有元家のおせち作り』という本もありますが、この2冊はほぼ同じ内容ですが、決定的に違うのが、前者は甘みをみりんで、後者はメープルシロップでつけている点。個人的には、どっしりした甘さが好みなので、むしろ、古い本のレシピを好んで使っております。

今年のニューフェイスは、龍眼巻。ゆでうずら卵を芯に穴子で巻いてこってり味に煮たもの。個人的にはスマッシュヒット。夫は泥臭くてヤダと言っておりましたが(どこがだー、と思うのですが)、これは、来年も作る予定。

普通のなますだと持て余すので、昨年か一昨年から炒めなますにしてますが、もう、こっちの方が定番になってきました。これは、すごくいいです。

失敗したのが、叩きごぼう。これ作っている時、深夜だったので牛蒡を叩くことができなかったので(叩いていたら鳥が起きてきたので)手で裂いて作ったのですが、どうも、味の染み込みかたが微妙。黒豆も少し煮汁を詰め過ぎたかも。

あれこれ気になることを書いているといつまでも終わらないので、とりあえずこんなところで。完璧には程遠いです。

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二の重は煮しめ。今年は、数年ぶりに辰巳式にチャレンジ。辰巳先生の著作でではなく、『NHKきょうの料理 2007年12月号』に掲載されている「辰巳芳子のこれだけはつくりたいおせち」で紹介されているレシピに従って作りました。

煮しめの具は、干し椎茸、鶏団子、牛蒡(堀川ごぼう)、蒟蒻、焼き豆腐、里芋(海老芋)、蓮根、金時人参。

ちなみに、わたしは、『きょうの料理』の12月号のテキスト(おせちの特集号)だけは2005年以降はすべて持っているんですが、2005~2013年までの9冊で一番出番が多いのがこの2007年の号です。次の多いのが、村田吉弘さんが関西風のおせちを紹介する2006年の号。最近は、おせちを作る若い人が増えてきているなんて話も聞きますが、『きょうの料理』を定点観測している限りは、年々、時短テクニックの割合が多くなってきていて、ちゃんと作るというよりは、買うと高いから、作れる範囲で見栄えするものを…というニーズが強いのかな、という印象があります。

ともあれ、この煮しめは、本当に大変なレシピでして、今回も、途中で何度も「なんで、あたしは、こんな辛いことをしているんだろう…」と思いました。というか、数年前に一度やってみた時にあまりにしんどくて、もうやらん…と思ったのですが、昨年の夏にたまたま古い雑誌(『考える人』2011年秋号)を読み返していて、それは色んな作家先生に料理とは? と聞いて回る特集の号で、巻頭が川上弘美さんのインタビューだったのですが、その中で川上さんが「辰巳芳子さんの煮しめは大変だけどおいしいからやります」みたいなことを仰っていたのが実に印象的でして、うむー、じゃぁ、私も今年はやってみようかなぁ…と思ったのでした。

まだまだ未熟ですが、以前に作ったよりは、だいぶマシになったかな。料理って、真面目にやると、大変だなぁ…と、つくづく思わされました。

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お造りといいますか、生もの類。まずは、夫が毎年楽しみにしている蒸しあわび。今年のは、例年よりもやや小振りだなぁ…と思いつつ買ったのですが、その後に別のお店でもっと大きなものを見つけてしまって、内心地団太。来年はもっと上手に買い物してやる! と、心に誓いました。

あとは、スペイン沖で獲れた本まぐろの赤身。部位によってさっぱり味とこってり味と2種類提示されたので、近海物を買わない代わりに両方買ってみましたが、同じ赤身でもだいぶ違うのに驚きました。

さっぱり味は、いわゆるバリバリの赤身。鮪特有の酸味と、かすかな血の味。買って2日目だったので、もう夫は(臭くて)食べられないと言っていましたが、私はまだ全然問題なしでした。こってり味は、腹側に近いところでほんのり脂も回っていて、上等のめじまぐろみたいな感じ。夫はこっちは好きみたい。ってことは、これからはお店に行ったら、腹側の赤身を頂戴といえばいいのか。

あとは、刺身用の帆立を水を抜いてから昆布〆にしたもの、蒸したこのぶつ切り。この蒸したこが、妙に美味しくて、拾いものでした。

雑煮は、とっておきの昆布と鰹節で取っただしに、大分からの餅、菜花、せり、蒲鉾、飾り筍、柚子皮。菜花もせりも正月価格でうんざりですけど、ないと決まらないので、しょうがないですね。

ちなみに、今年夫が一番喜んだのは、大定の玉子焼…。今年はたまたま行列が短かったので並んで買ってみましたが、いつも買う松露よりも、こっちの方が口に合うそうです。

私の手製のおせちの中では、一番はきんとん、二番は数の子、三番は田作りだそうです。確かに、今年の田作りは、私も上手くできたなーって思ったんですよ。どうやら、コツは、最初の乾煎りにあるみたいです。こういう小さなコツも、来年まできちんと覚えていればいいんですけどねぇ。

大分から送ってもらった、日本酒を飲みながら、ひたすら食べて、飲んで、テレビ見て、寝て、いつも通りのグータラなお正月を送らせていただきました。

こんな調子ですが、今年もどうぞ、よろしくお付き合いください。