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昆布巻とキャベツのサブジ

夫がいないのなら、あれ食べに行こう、これ作ろうとか、色々考えていたのに、結局、夫がいないうちにあれを食べてしまわねば…的な、掃除ご飯に終始してしまった。

お正月の出し殻昆布がたくさん残っているので、それを食べきるために、塩鮭を芯に昆布巻きを作っていて、それを食べる。お正月の昆布巻きは私は好きなんだけど、夫が全く食べられないので、今年はパスしていたのでした(夫は体質的に海藻類が食べられない)。鰊を巻いて、昆布がでろっと柔らかくなるまで甘辛く炊き上げたののも好きなんだけど、塩鮭でさっぱり作るのもよろし。

これは『祝いの料理』で覚えたもので、もうひとつ昆布巻きと言えば、有元葉子さんの、たらこを巻いた昆布巻きもあるけど、何度か作ってみて、私は昆布巻きは魚を巻いたもののほうが好きかな、という結論に至った。鰊か鮭かは、甲乙つけがたい。

あとは半端に残っていたキャベツをサブジに。私は、キャベツのサブジは好きなんだけど、夫は…(略)。要は、私は加熱したキャベツも結構好きなんだけど、夫はキャベツは生で食べるのが好きってことなんだと思う。キャベツの甘みが嫌いなのかもしれない。

明治チョコレートが、パッケージを50種類で出すというキャンペーンをやっていて、その中にお相撲のイラストもあるというので、探して買ってみた。明治ブラックなんて、久しぶりに食べるなぁ。

ついでに、歌舞伎柄もあったので、買ってしまった。まんまと、企業の思うツボ。

自作のおせち

美山荘の素敵なおせちは、昨日のうちに食べきってしまい(はかない…。でも賞味期限を考えると、だらだら食べるわけにもいかない)、今朝からは私が作ったおせち。

きんとん、叩きごぼう、煮しめ(海老芋、金時人参、牛蒡、れんこん、焼き豆腐、生麩、こんにゃく)、数の子、炒めなます。あとは、大分から送ってもらったかまぼこに、伊達巻。

年々自己流になりつつあるけど、いくつかの料理には一応お手本とするものはあって、叩きごぼうは『有元家のおせち25品(旧版)』(有元葉子)、煮しめと炒めなますは概ね『祝いの料理』(土井善晴)、数の子は『きょうの料理2007年12月号』(辰巳芳子のこれだけは作りたいおせち)、なのでした。もっとラクに作れるレシピも持っているのだけど、なんだかんだで、作り始めの頃に覚えたレシピに戻ってしまう。

数の子と炒めなます

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ごく一部の珍味を除いておせちは食べ終わってしまったので(賞味期限が1月1日なので)、もはや2日から日常です。とはいえ、全くおせちを作らないのもなぁ…と、夫リクエストの数の子と、例年おせちを作る中で結構気に入っているひと品である炒めなますを作っておいたので、お雑煮と一緒にそれを食べます。

数の子は『きょうの料理』2007年12月号に載っていた辰巳芳子さんのレシピで、炒めなますは『祝いの料理』のレシピで作っています。本当は三杯酢を使うのですが土佐酢を使うのも例年通り。ほんのりした酸味でたくさん野菜が食べられるので、食べるとなんだか体がほっとするのです。

おせち

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あけましておめでとうございます。今年も無事、おせちを作って食べるお正月を迎えることができました。只今徹底的に食っちゃ寝の正月を過ごしております。取り急ぎ、写真だけのアップでご容赦下さい。今年も、マイペースで自分で作って食べる毎日を過ごしていきたいと思っております。今年もどうぞ、ゆるゆるとお付き合い頂けますと幸いです。

一の重

一の重(左上から時計回りに)

今年は絞り込んで10品。会社の仕事納めが一般的な日よりも1日遅いので、あまり時間がかけられないと踏んで絞った&量も控えたのですが、結果的に、よかった気がします。今年はほとんどのものを三が日で食べきりました。品数を絞るにあたって、夫に「絶対欲しいのはなに?」と聞いたところ、「数の子ときんとん!」と元気よく言われました。というか、その2品だけでいいと。あとは、叩きごぼうとごまめはあってもいいそうで、それ以外は「雑煮さえあれば、あとはいらない」と言われました…。こんな人と一緒に、毎年、おせちを食べてます…(でも、一応頑張って全種類食べて、感想を言うように心がけているようです)。

昆布巻は私が大好物なので、毎年私のために作っていますが、今年は手間を省くためにとうとう、中身は塩鮭1本になりました。本当は鯡も好きなのですが、あれは、うちみたいに鍋も火口も少ない家だと大変なんですよね…。もう少し余裕があるときにまた作りたいです。今年は時鮭の甘塩を使いましたが、見た目を考えると、紅鮭の方がよかったかもしれませんが、味的には問題なし。昆布もこれまでに色々試してみましたが、今年は早煮昆布で。分厚めに巻いて、日本酒だけで柔らかくなるまで下煮。塩鮭から味が出ているので、そこをジャマしない程度に、みりん、しょうゆを重ねてゆっくり味を含ませます。含ませまで入れると2日は欲しい。早煮昆布は柔らかく仕上がってこれはこれで好きなのですが、できれば、もう少しトロリとねちっとした感じになる昆布を使いたいなぁ…とは思う。それが昆布の問題なのか、調理時間の違いなのかは分からないけど…。

自分のために作るものはあと2品。龍眼巻ね。土井さんの本では「あなご巻」とありますが、うずらの玉子で目玉を入れているし、龍眼と言った方がおめでたい雰囲気なので、勝手にそう呼んでます。早い話が、うずらのゆで玉子を穴子で巻いて甘辛いたれでさっと煮付けるだけでして、これはすごく簡単。開いているものを買ってくれば短時間で作れるので、例年、最後の最後に作ります。そもそもこれ、私しか食べないし(夫は穴子は泥臭く感じるそうで、嫌い)。穴子はこの時期に築地に行くときれいにさばいたものがお手軽価格でたくさんあります。今年は、1枚100円で買ってきました。穴子は近所の魚やでも買えますが、高いし、身が薄いしで、買う気がしない。だから、年末の築地の買い出しの時だけのお楽しみなのです。あえてのコツは、調理前にしっかり皮の表面のぬめりをこそげ落とすこと。巻き終わったらきちんとたこ糸で縛ること。土井さんの本にあるタレの塩梅は絶妙。一晩冷やすと出てる煮こごりもグー。今年も美味しかった。

自分のためのもう一品は、五色なます。れんこん、にんじん、だいこん、揚げ、干ししいたけ。炒めて、土佐酢(本だと三杯酢)を絡めて手早く味を含ませます。普通のなますは少し苦手なのですが、これだとたくさん食べられていいの。

巻物はおせちの華だと勝手に思っているけど、最大の華はこの八幡巻かな。しつこくしつこく作り続けているけど、今年は相当うまくできた! と思う。夫も大絶賛。とにかく、この料理は丁寧さが要求されるのですが、芯のごぼうと金時人参の下処理から「ていねい、ていねい…」とつぶやきながら作業したのがよかったのか、今年はいい仕上がりで、ホント嬉しい。ちなみに、お肉は、今年はグラム2000円の松阪牛の肩ロース薄切りを使いました。ケチケチ巻いたので、15㎝のが6本で、150グラムで間に合ってしまった。よいお肉を少しだけ多めに買って、残ったのを冷凍し、あとですき焼きなんぞをする…のが、おせちの後の密かな楽しみでもあるので、今年も楽しみ…。

数の子はすごく美味しかったけど、もう単純に、素材の勝利。今年は、北海道産の少し小ぶりでよく締まったものを探し当ててきたので、あとは、塩抜きして出し+薄口しょうゆ+追いかつを乗せしただけ。夫、大絶賛でした。

後は反省点ばかり。

ここ数年懸案の叩きごぼう。どうも、味が薄い、決まらない…と言うことばかり続くので、今年はごく普通のごぼうを使い、本来なら酢を入れた湯で煮るだけのところを、出しに少々味を付けたもので下煮して、叩いた後に包丁でいつもより細めに刻みました。また、胡麻酢の塩梅を少し替え、白胡麻、砂糖の量はそのままに、酢、しょうゆを半分にしました。というのも、レシピ通りの分量で作ると、シャバシャバになっちゃって、ごぼうにうまく絡んでくれないのです。今年は、かなりしっかりめのペーストになりましたが、もう少し改良の余地有りかな…。今思えば、初めての年に作ったのが一番美味しかった。ずっと同じレシピで作っているのに、いったいなんなんだろうなぁ…。

黒豆は、今年も土井式で。とにかく「8時間煮る」のが最大のポイントなのは分かっているのですが、だいたい6時間ほど煮た時点で豆がヤバイくらいに柔らかくなるんですね。なので、例年「これ以上煮ると、溶けるかも…」とビビって止めてしまい、結果煮たりず失敗…と言うことを繰り返しているので、今回は心を鬼にしてきっちり8時間煮含める。ただ、8時間煮た直後に味見してむると、なんともぼやっとした味でがっかり…。ただ、1日おいたら劇的に様変わり、美味しくなっていてビックリしました(結果的には3日以上置いたものが一番美味しかった。ということは、やはり5日前から仕込むのがいいのか…)。ぴんとはりつやのいい見た目、柔らかく、いくらでも食べられる程よい甘さ、家で作る煮豆としては言うことないと思いますが、夫が「もうちょっと、甘っ!! てのが食べたい」というので、そろそろ違うレシピに挑戦する頃なのかな…と言う気がしています(とうとう、蜜煮に挑戦か…!?)。

きんとんは、今年も焼きいもから作りました。ホイルなしで150度で90~120分、じっくり焼くのはよかったのですが、皮の近くまでこそげ取って使ったのがまずかったようで、夫が「今年のきんとんは酸っぱい」と。やっぱり、さつまいもは、皮は分厚く落とした方がいいんだなぁ。夫は、焼きいもにすると独特の風味が強く出るから、ゆでたほうがいいんじゃないか、と。うーん、ゆでいもで作るとあまり芋の味がしないから、あえて焼きいもにしてから作っているのだが、どうしたもんかなぁ。

伊達巻きは、去年使っていたかまぼこやさんの特上の鱧入りすり身を買いそびれたので、平目の刺身を叩いて酒で少し伸ばしたもので代用しているのですが、ちょっと物足りない。あと、オーブンに入れられる玉子焼き器がないので、流し缶を使ったのですが、これでは表面の焼き目がつかないので、伊達巻きらしからぬ見た目に。それに、焦げ独特の風味もつかないので、伊達巻きとしては物足りない仕上がりに。来年は、オーブンに入れられる玉子焼き器と鬼すだれを用意して挑みたいと思いました。

二の重

二の重(煮しめ)

今年は煮しめも量を抑えて作りました。初めて、辻調のレシピの煮染めを作ってみましたが、量が控えめな代わりに、味つけはかなりしっかり目。なんていいますか、売り物のような味になりました。

海老芋だけは、例年通りのレシピで。3Lサイズ2個を大ぶりに切り分けて、ゆっくり煮含めました。油断して、びっしりひび割れてしまいましたが、その分味がしみやすくなったのか、大変美味しかった。

あえて量を増やして添えたのが、生麩の煮しめ。村田さんの煮しめのレシピの中のひとつなのですが、ここ2年ほど作る度に夫が喜んで食べるので、今年はとうとう2倍で仕込みました。生麩は、角山本店のあわ麩と道明寺麩。じっくり揚げてから、出し、うすくち、みりんの煮汁に入れて軽く煮含めるだけと簡単なのですが、確かにとても美味しい。夫は、これをご飯に乗っけて、生麩煮しめ丼にして食べたい…と言っています。こればっかり食べるので、一番たくさん仕込んだ生麩からなくなりました。

平目とあわび

お造り

とうとう今年はまぐろもパスし、あわび2個と平目を半身だけ購入。あわびはお店のおじさんが「特上サイズだよ!」というのですが、帰宅して、去年の殻と比較してみると、去年のより2周り以上小さかった。去年買って来たのが出来過ぎだったのか。あわびの見極めは難しい。しかし、じっくり3時間蒸したあわびは、今年も柔らかくて美味しかった。

今年は市場に行くのが遅くなったので白身を買うのは諦めていたのですが、運良く1軒見つけて、前日に捌いたものを貰ってきました。ついさっき捌いたもの並んでいたけど、見てくれが全然違うのに驚く。裁きたてのは白くてきれい、前日のは茶ばんでいると言うか、くすんでいる。買ってきた日(30日)に少し食べて美味しかったけど、今日食べても美味しかった。29日に捌いているから、丸3日経っているのに、より美味しくなっていてビックリ。熟成って、ホント不思議だな。

巻柿

お雑煮と巻柿

お雑煮は、大分から送って貰った餅に、生麩、かまぼこ、せりに、贅沢出しをたっぷり。出しは今年も、南かやべの真昆布に秋山商店の血合い抜き薄削り節を普段の倍使ったもの。

お持ちと一緒に送られてきた巻柿を薄くスライスして添える。優しい甘さが美味しい。案外、これも、お酒に合いました。

あなご巻き弁当

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今年の初観劇は、新橋演舞場の「初春花形歌舞伎」。

海老蔵さん、右近さん、獅童さんで、「車引」「白浪五人男」「七つ面」というラインナップで、なかなか正月らしい華やかな出し物です。時間的にもコンパクトで、正月の銀座で見るにはありがたい。ちょっと、観劇帰りにお茶したり買い物したりしたいじゃないですか。

一番のお目当ては「七つ面」でしたが、思った以上に面白かった。ほぼ新作なので、現存する十八番ものと比べると、写実的、観念的であり、ひとことでいうと現代的…というのが、見たときの最初の感想。「あほが観ても楽しめる」というのが私の十八番モノへの感想なのですが(だから好き)、そう考えると、この「七つ面」はほかの十八番モノと比べると、やや高尚な感じはします(とはいえ、そんなに難しい話ではない)。ただ、舞踊部分は海老蔵さんの身体能力あってこその振り付けなので、その部分を観るだけで十分モトがとれるお芝居だと思いました。楽しかったです。

実のところ、まだおせちがいくつか残っているので、それを詰めてお弁当に。私だけが大絶賛のあなご巻きをメインに、松風焼き(これも美味しいのに、夫は一切を手を付けず)、炒めなます。ご飯は白米と、冷凍庫に転がっていた煮ダコの煮汁を使った炊き込みご飯の2色で。

ところで、今回の筋書きは、読み物部分が面白くて、アタリだった。歌舞伎の筋書きって、ただ、役者さんのインタビューとかプロフィールをまとめただけのものが結構あって、内心不満を持ちながら買っているのですが、今回は文句もなしに黙々と楽しく読みました。いつもこうだったらいいのになー。

おせち

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元旦、二日ともに、朝晩だけの1日2食だったのですが、今日は不思議と昼近くになって空腹を覚える。今年はカレンダーの並びが良すぎて、明日はもう仕事始めなのですが、なんとなく無意識に身体が日常のペースに戻ろうとしているのでしょうか…。

もちろん、食事はまだまだおせちが続きますが、意識的に野菜モノを中心に盛り込む。煮染めは当然のこととして、おせちの具からは、叩きごぼうと炒めなますは、ことにたっぷりと。おせちの味付けは甘辛い味付けのものがおおいので、酸味は結構、箸休め的に重要。

とはいえ、さすがに私も、なますを大量には食べられないので、数年前から作るのはやめて、炒めなますにしています。れんこん、にんじん、だいこん、しいたけを胡麻油で炒めて、土佐酢を回しかけて手早く炒めて、入り白胡麻をたっぷり。最後に、柚子の絞り汁を回しかけてなじませます。本では三杯酢とありますが、うちはしっかりかつおを効かせた、土佐酢で。これ、私が大好きなので、これだけは分量を倍にして作るのですが、夫はほぼ食べませんので、全部私が平らげます。

もうひとつ、酸味の野菜は、叩きごぼう。有元葉子さんの本のレシピで作っておりますが(このレシピの胡麻酢が美味しい)、数年前から急に美味しく作れなくなってしまい、どうしたものか…と途方に暮れています。なんていうか、仕上がりが水っぽくなってしまうのです。なので、今年は、他の料理本のも参考にしながら、なんとか、「まぁ、マシ…」くらいにまで仕上げる。

今までは、丸のまま八分通りまで茹でてから叩きつぶし、食べやすい大きさに切り分けてから、胡麻酢で和えていました。今年は、すでに5ミリ角に切り分けてからさっと茹で、布巾の上に並べて軽く塩を振ってから、すりこぎで軽く叩いてから切り分けて、胡麻酢で和える。と、和える前に、一手間入れました。初めて作ったときの「うわー、美味しい」までとは行きませんでしたが、ここ数年の中では、だいぶマシな仕上がりになりました。叩きごぼう、酢を使っているにもかかわらず、夫が自発的に食べる数少ない料理なので、なんとか、もう少し美味しく作れるようになりたいです。

雑煮と煮しめ

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まだまだおせちを食べます。ご飯代わりに、餅をたっぷり入れた雑煮を作り、朝は根菜類を中心に、せっせと食べます。

今年、夫が、「うまいなー」と言ってくれたのは、伊達巻き、きんとん、出し漬けの数の子、海老芋の含め煮、日の出人参、粟麩の揚げ煮、くらいかな。

ことに、粟麩は気に入っていたようで、作った量のほとんどを夫が平らげました。これは、土井さんの本には載っておらず、2009年だったかな、『きょうの料理』のテキストでみた村田吉弘さんの煮しめの具のひとつだったのを真似してみたもの。粟麩は角山本店のを使いましたが、半解凍で1.5㎝幅に切り分けて、素揚げしたものを、万能だし、うすくち、みりんで味付けした煮汁で煮込むだけ。

実は、調理している最中に、揚げたての粟麩をつまみつつ作っていたのですが、いやぁ、揚げたての麩って、なんて美味しいんでしょう。外がカリット、中がとろっと。軽く塩ふって、フーフーしながら囓ったのが、最高に美味しかった。出来上がりも美味しかったのですが、この調理途中の、揚げたての麩の美味しさも印象深い一品なのでした。

もうひとつ、つまみ食いしたときが一番美味しかったのが、餅銀杏。殻から出して薄皮まで剥いてから、カリカリに焼いた鶏皮を入れた万能出しでことこと煮ると、表面が軽くはぜて、少し餅っぽい食感になるのです。が、いったん冷ましてしまうと、銀杏のデンプン質が強く出てくるようになるので、餅感が薄れちゃうのね。つまみ食いしたときが一番美味しいと分かっていれば、もう少し、つまみ食いをしておくのであった…。

海老芋の含め煮は、夫の好物なので気合い入れて作りましたが、ようやくコツが分かってきた気がします。言ってしまえば、でっかい鍋で、たっぷりの出しで、ゆっくり煮るということに尽きるのか、と。今年は、八つ頭と海老芋と両方入れていて、夫は「どっちも美味しい」と言っているのですが、よーく見ていると、夫は意識的に海老芋を選んで食べているので、なんか違うのでしょうね。

おせち

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2日の夜は毎年、初芝居中継の『こいつは春から…』を観ることになっている。今年は、NHKの特番ドラマ『富士ファミリー』もほぼ同時刻の放映なので少し迷ったが、しかし、やはりリアルタイムで観るのは『こいつは春…』に決まっておろう(ドラマは録画して、後日観た)。今年も、おせちをつつきながら、お酒を飲みながら、初芝居中継が観られたなぁ…と、しみじみした気持ちで観る。今年は、芝雀さんが雀右衛門になるのもそうだが、私にとっては、橋之助さんが芝翫になるのは相当な大ニュースなのでありまして、インタビューも楽しく拝見したのでした。

しっかり飲んで食べると決めているので、おせちは石皿に盛り込み、甘いものは角皿、生ものは呉須の絵皿にと、それぞれ盛り込む。あと、2枚残っている、からすみ餅を焼いて、突き出し代わりに。ほんと、これ、素敵なおつまみですねぇ。2月くらいまでらしいので、もう1回買おうかしら…と、思ってしまう。

私は、何とはなしに昆布巻きが結構好きなのですが、夫は嫌いなので、毎年自分のためだけにせっせと作ります。が、やはり自分だけのために作ると手を抜くというか、仕上がりが甘くなりがちで、好きなのに、毎年なんやかんやと失敗したものを食べてきたのですが、今年の昆布巻きは、なかなかよく出来ました。

鯡は『お正月の手帖』にある辻調のレシピ、鮭は『祝いの料理』にある土井善晴さんのレシピで、前者はもういかにもおせちに入っているこってり甘辛い味付け、後者は普段のおかずに出てきても違和感ない感じの比較的あっさりした味付けと、味わいの方向は全然違うのですが、どちらも大変に美味しかったです。ことに鯡のほうは、できあがったばかりのものを味見したときはベラボーに甘辛く、味が濃くて、「あちゃー」と内心思ったのですが、日を置くごとになじんでいき、元旦にはいい塩梅に。さすがプロのレシピ…とうなりました。

もうひとつ、夫は絶対食べないものが、あなご巻き。これも、『祝いの料理』に載っているものです。うずら玉子の茹でたのを芯にしてあなごで巻き、甘辛いたれで煮付けるだけと簡単この上ないのですが、ものすごく美味しい! ので、これも、自分のために、せっせと作ります。それに、市場だと、あなごの開いたのがかなりお手軽価格で買えるのです。うちの近所だと、あなごなんてなかなか買えないので(あるけど、外国産だったり、しょぼかったり、高かったり)、お正月だけの楽しみ…といえるかも。美味しいのになぁ…。

おせち

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あけましておめでとうございます。

今年も無事、おせちを作って食べる正月を迎えることが出来ました。今年は大晦日にはほとんど作り終えていた上に、元旦もちゃんと、いつも通り早朝には起床していたので、もう少し早く詰め終わるかな…と思ったのですが、やはり、最後のお重詰めに手間取ってしまいました。きれいに詰めるのは本当に難しい。

以下、お重ごとに、今年作ったものメモ。

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【一の重】

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【二の重】

  • れんこんの煮しめ
  • しいたけの煮しめ
  • ごぼうの煮しめ
  • 手綱こんにゃく
  • 八つ頭、海老芋の含め煮
  • 日の出人参
  • 生麩揚げ煮 (角山本店の粟麩)
  • 黄金くわい
  • 銀杏餅
  • 絹さやの含め煮

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【お造り】


全部で28品かな、よく作ったなぁ…と思いますが、今回は今までで一番気分的にはラクでした。あらかじめ大きな紙にざっくりと全体のスケジュールを一覧にしたほか、日ごとにやるべきことリストを作っておいたのが大きかったのだと思います。やることが明確であればあとはこなすだけなので、そんなに辛くはないんですね。おせち作りに限ったことじゃないですが、見通しが見えない状態でやる作業が一番疲れる。

あと、今年は、数品を同時並行で作る…という作業を出来るだけ避けて、1品ずつ作るようにしました。時間的には無駄も多かったと思いますが、最初から最後までを通しで調理するほうが落ち着いて料理が出来るので、私の性格的には却って良かったと思います。焦ってやるとそれだけ疲労感が大きいし、ミスも出る。あがり症で、1つの失敗をいつまでも引きずるタイプなので、出来るだけミスを出さないような段取りで作業を進めていくのがベストだろう…と思ったのですが、多分、それ、正解だったと思います。おかげで、今年は「やばい!」という失敗は2回しかしなかった…と思う。

おせち作りは、28日から本格的に始めて、31日の夕方にほぼ終了。作業時間的には、実質2日半位だと思います。30日の夜中が一番辛かったのですが、詰め終わったお重を見たら、なんか、もう、吹き飛びました。自分で言うのもナンですが、今年のおせちは、相当によく出来たと思います(なんか、毎年自画自賛してますが…)。なんていいますか、今年のは、しみじみと、美味しかった。

それぞれの料理に関してはおいおい別の記事で書いていきますので、以下自分用備忘録がてらに、簡単な作業メモを書いて、今回の記事はおしまいにしたいと思います。

相変わらず、穴ぼこだらけのブログですが、どうぞ、よろしくお願いします。


 

12月中旬

  • 数の子、黒豆、ごまめ、購入
  • ステンレス鍋、包丁、まな板、さらし、購入

28日

  • 野菜直売所と市場(TOC)へ買い出し。八つ頭、三浦大根、金時人参、絹さや、菜花、くわい、れんこん、銀杏
  • スーパー、デパ地下へ買い出し。玉子、ごぼう、さつまいも、鶏皮、塩鮭、日高昆布、かんぴょう、青のり、芥子の実、竹の皮、笹の葉
  • 万能だしを作る、しいたけ戻す、くちなし水作る、鯡を解凍する
  • 鯡昆布巻き、ごぼうの煮しめ、れんこんの煮しめ、しいたけの煮しめ、ごまめ、日の出人参、黄金くわい、きんとん、黒豆戻す

29日

  • 五色なます、鮭の昆布巻き(下煮)、八幡巻き(中身の下煮)、鶏皮焼く(銀杏餅用)
  • かまぼこ、購入

30日

  • 市場(築地)へ買い出し。あわび、平目、帆立貝柱、あなご開き、はもすり身、ゆでだこ、かつおぶし、鶏肉、鴨挽き肉、海老芋、玉子焼、生麩、山葵
  • 日本酒、唐墨餅、購入
  • スーパー、デパ地下へ買い出し。牛肉、鶏レバー、こんにゃく、せり
  • 黒豆、あわびの酒蒸し、たこ柔らか煮、八幡巻き、鮭の昆布巻き、炒めれんこん、生麩の揚げ煮、手綱こんにゃく、たたきごぼう、数の子味噌漬け、銀杏餅、うずら玉子茹でる(あなご巻き用)

31日

  • デパ地下へ買い出し。しょうゆ、日本酒、砂糖、そば
  • 八つ頭、海老芋の含め煮、きぬさや含め煮、伊達巻き、松風焼き、あなご巻き、菜花茹でる
  • 年越しそば作る

蒸し寿司

蒸し寿司 by nekotano

おせちの龍眼巻で使った穴子があと4尾分ある。龍眼巻の煮汁がすごくいい味だったので小瓶に入れて取っておいてあり、これを使ってなんか作れないかな…と思っていた(この龍眼巻は、土井善晴さんの『祝いの料理』にあるレシピで作りました)。

煮穴子もいいけど、夫は龍眼巻は臭みがあってイマイチだと言っていたので、焼いて香ばしさを出したほうがまだマシかも…。煮汁を塗りつつグリルで焼いて、ちらしずしの具にしてみることにした。そうだ寒いから蒸し寿司にしてみよう。

玄米ごはんは三杯酢を回しかけ、煮しめを刻んだの、白ごまを加えて、ほんのり酢飯の混ぜご飯に。器に盛って、小さく切った穴子、錦糸卵を乗せて、蒸し器で10分ほど。揉み海苔を乗せる。

穴子の焼き加減が分からなくてこんなもんかなぁ…と思いつつだったのだけど、まぁまぁこんなもんか。夫も「タレがうまい」と言ってくれたので、よかったなぁ。それにしても、蒸し寿司の真の魅力は、とにかく温かいってこと。お腹の中にぽたんと温かい塊が落ちる感じが、芯から冷えるこの時期にすごくありがたみがある。

折角なので、汁ものも京風に。志る幸というお店のレシピ本『季節を味わうご飯と汁』を参考に、おとしいもを作る。沸かした出しに山芋(つくね芋や大和芋)のすりおろしを入れてふわっと煮る。白味噌を濃い目に溶いて、器に盛って、切りごま。

とろっとした甘めの汁ものが寒い日にはぴったり。お手本とは程遠いのでしょうが、十分おいしかったです。そのうち、お店にも行ってみたいなぁ。