カテゴリー別アーカイブ: 歌舞伎の日

コンビニ飯

12月大歌舞伎の昼の部を見に行く。当月の昼の部はちょっと複雑で、Aプロ、Bプロ1、Bプロ2の、3パターンに分かれているのだ。

上演演目の基本パターンは、「たぬき」「村松風二人汐汲(Aプロ)/保名(Bプロ)」「壇浦兜軍記 阿古屋」の3本なのだが、問題は阿古屋。この阿古屋を、玉三郎、梅枝、児太郎の3人が演じるため、それぞれ日程が分散します。Aプロが玉様、Bプロを梅枝さんと児太郎さんで分け合います。チケット取る時、ちょっと混乱しましたね…。

声がきれいな梅枝さんの阿古屋も見たかったけど、やっぱり玉様が見たいなぁと思って、頑張ってAプロを取りました。やっぱり素敵でしたよ。

お腹いっぱいで阿古屋を見ると寝るかもしれん…と思い、お昼はコンビニのおにぎり(ローソンの熟成すじこ醤油漬)とバナナで簡単に。観劇の時、バナナいいですね。最近バナナ全然食べないので忘れてたんですが、結構甘酸っぱいんですよね、バナナって。

お芝居が終わった後日本橋に出て、お使い物の予約。その後、365日と日本橋のイートインでお茶して帰りました。お茶は小麦茶。香ばしいのかな…と思ったけど、特にそういう感じではなかった。

ここのパンは、パンじゃなくて、洋菓子だよなぁ。私、あんまりブリオッシュ好きじゃないんですが(小学校の給食で出てきたブリオッシュがあんまり好きじゃなかったのを引きずっている)、ここのは好きです。

お弁当2つ持って

歌舞伎「風の谷のナウシカ」を観に、新橋演舞場へ。

普段は、中日から後ろで見ることが多いのですが、新作は人様の感想を聞く前に観てしまいたいというのもあって、出来るだけ早めの日にちで取ることが多いです。今回は、題材が題材だけに、発表の段階から普段歌舞伎を観ない人からのあれこれがいろいろやかましかったので、初日に取ってしまいました。取れてよかったなぁ…。私は3階席でしたが、全体的に年齢層は高め。初日ということで、大向さんが集団でいらっしゃっていて、すぐ後ろだったので、結構な威圧感がありました。

それにしてもこのポスタービジュアルはよい。なんといっても、ダブルヒロインなのがよい。ジブリが絡んだ企画らしく、グッズも色々販売されていましたが、(テトのぬいぐるみを除いて)正直どれもイマイチ。よくわからんグッズを売るくらいなら、どうしてこのポスターを売ってくれないのか…と、思ったものでした。

昨日作ったチキンサンドがおいしかったので、1部の幕間用に同じのを作ってお弁当に。低糖質イングリッシュマフィンに、チキンなので、食べ応えはあるのに眠くならなくてよい。

お芝居は、昼の部3幕、夜の部4幕で、全7幕。開演11時、終演20時40分なので、昼夜通しで観ると、9時間40分の長丁場です。幕間を除いた正味で考えると6時間ですが、それでもやっぱり長い。ただ、結論から言えば、この6時間は、全然辛くなかった。きちんと予習をしていったからということもありますが、そもそも脚本がすごく良くて、原作の見どころをきちんと整理したうえで過不足なく盛り込んでいるし、台詞がいい(正直、台本を売って欲しいと思いました)。原作には時代がかったものいいをするキャラクターが存外多く出てきますが、それが歌舞伎の世界観に合うのかもしれません。

映画でおなじみのストーリーは序章でまとめられ、2幕、3幕は、原作の4巻までのエピソードを中心に構成されていました。序章のナウシカ菊之助もよかったんですが、特に3幕のクシャナ七之助が圧巻でした。「妾(わらわ)」という人称がこれほど似合うキャラクターがあるか? ってほど、大ハマりでした。同じくらいドハマりしていたのが、クロトワ片岡亀蔵で、似合いすぎ。

配役を聞いたときは、若すぎるのでは? と思ったユパ松也も2枚目に演じていて、すごくかっこよかったです。ところで、ほとんどの衣装が歌舞伎に寄せたデザインなのに、ユパ様だけ、ハットにマント、ブーツで、原作寄りです。確かにユパ様が「和」に振れた衣装だったら、大分違和感があっただろうなとは思います。

昼の部が終わって、夜の部まで1時間40分間が空いています。ずっと劇場内にいることもできましたが、気分転換もかねて、いったん外に出る。

お腹は空いてないのでお茶はしたいけど、なんとなくチェーン店じゃないところがいいな…ということで、カフェ・ド・ランブルに行く。2016年以来なので、3年ぶり。相変わらず混んでいたけど、1人だったのでサクッとカウンターに座れた。

あまーいのが飲みたかったので、ブラン・エ・ノワール。やっぱりおいしい。だけど、以前飲んだ時のような感動がなく、こんなもんか…と思ってしまった。好みが変わってしまったのかもしれない。

キュッと飲み終わってしまったので、カフェ・ノワールを追加。おいしいんだろうけど、全体的にせわしない雰囲気で、なんかあんまりゆっくりコーヒーを楽しむ感じじゃなかったのが、ちょっと残念でした。

そういえば、コーヒーを飲みながら筋書を読んでいたら、隣の人に、「僕、ナウシカがものすごく大好きなんですが、あなたが読んでいるそれ、なんですか?」と尋ねられたので、ナウシカは歌舞伎化されて、チケットは完売で、今日が初日なんですよ、ナウシカ役は尾上菊之助さんですよ、と答えたのですが、ピンと来てない感じでした。かなりの熱狂的ファンっぽかったですが、そういった方に歌舞伎化の話題が全く届いていなかったというのは、ちょっと考えさせられました。

ちょっと早めに劇場に戻って、館内をぶらぶら。これは2階にある、平櫛田中の六代目尾上菊五郎の頭部です。国立劇場にある「鏡獅子」のための習作ですが、これはこれで完成されてる雰囲気。見飽きないので、ゆっくり見てたいのですが、ゆっくり見られる場所じゃないのよね、ここ。

本公演のために制作された、タピストリー幕。この柄のグッズを作ってくれたら、買ってたなぁ…。昼の部も、夜の部も、幕が上がる前に狂言回し役の役者さんが出てきて、これを使って世界観の説明をしてくれます。昼の部は尾上右近、夜の部は道化役の種之助が行いましたが、特に種之助の狂言回しっぷりは素晴らしかったです。

夜の部の白眉は、やっぱり庭の主 芝のぶと、ヴ王歌六に尽きますね。最高でした。だもので圧倒的に夜の部のほうが好きなんですが、実際、話も昼の部よりこなれていて、夜の部だけ見ても、十分楽しめたと思います。

夜の部の幕間に、持参した鶏皮煮込みを食べる。さすがにぬるくなっていましたが、脂を徹底的に除き、根菜がたっぷり入った汁物なので、身体の負担が少ない。おかげさまで、大詰まで居眠りもせず、乗り切ることが出来ました。

ラストのあのセリフ、シンプルがゆえにとても難しいと思いますが、すごくよかった、説得力がありました。

こんな話題作で、初日なのに、カーテンコールはあっさりしていて、それだけにここまでこぎつけるのは本当に大変だったんだろうな、と。初日に見られて、本当に良かったです。

お弁当

国立劇場の令和元年12月歌舞伎公演に行ってきました。通しが基本の国立では珍しく2本立てで、白鸚の「盛綱陣屋」と、幸四郎の「蝙蝠の安さん」。

もちろん楽しみだったのは「蝙蝠の安さん」のほうで、これはチャップリンの「街の灯」を下敷きに、木村錦花が1931年(昭和6年)に書き下ろした新歌舞伎で、ほぼ初演以来の上演となるそうです(初演時の主演は13代守田勘弥)。パンフレットを読んだたら、「街の灯」が日本未公開の時にあらすじだけで想像して急いで歌舞伎用に書いたものだそうで、作家自身はあまり気に入った作品ではなかったそうです。昔の人って、結構乱暴なことしますねぇ…。

でも、お芝居はすごくよかったです。幸四郎の動きがチャップリンぽくて、舞台の上ではさほどけれんも強くなく、キュートな感じでした。衣装もかわいかったし、配役もよし。最後のキュッと切ない感じが、チャップリンぽくて、12月にお似合いのお芝居だと思いました。すんごくお客さんが少なくてもったいないなぁと思ったんですが、これから増えるといいな…。

お弁当は残り物を詰めたもの。暗くて全然見えないね。国立は、ロビーにベンチがいっぱいあるので、幕間はのんびりできて助かります。

ポンヌフ

汐留に泊まった時に困るのがお昼。汐留だとチェーン店しかないし、新橋だと忙しいサラリーマン御用達の店みたいなのが多くて、私のようなさっと食べてさっと出るというのが苦手な人間には、行ける店が少ない。めったに来ないから、あんまり知らないし。

少し遅いお昼はどこにしようかな…とだいぶ悩んで、そういえば新橋って、ポンヌフがある…と思い出して、ランチタイム終了ギリギリに滑り込む。迷惑だったかな…と思ったら、私の後にも数人駆け込んできたので、ああよかったとホッとする。

だいぶ昔に、おくがわじゅんいちさんの『ナポリタン』というリトルプレスを読んで覚えた店なのだけど、ようやく行けた。だけど注文したのはナポリタンじゃなくて、ハンバーグスパゲティセット。よくばりなので。

出てきたのは、お子さまランチみたいな、とってもかわいい一皿。これは気分がアガる。食べるとなかなかのボリュームなんですけど、嫌な感じじゃない。見た目、パワフルな味付けなんじゃないかと思いきや、ほどよい塩梅の後引き系で、普段なら相当苦しい量のはずなのに、すんなり食べられました。おいしかったです。

食べ終わったタイミングで、プリンとコーヒー。これがまた、お子様ランチっぽくて泣ける。

プリンはあっさりプルプルで、これまた懐かしい味。テレビ局が近いので、時間的なこともあってか、周りはテレビマンぽい人ばかりで、いろいろギョーカイだなーって話をしていました。そういったがやがやした感じも含めて、いい感じにレトロなお店でした。

お昼を済ませて歌舞伎座へ。吉例顔見世大歌舞伎の夜の回を観に行きました。演目は、菊畑、連獅子、市松小僧の女です。

菊畑は、中村梅丸さんが中村莟玉に名を改める、襲名披露公演的な意味合いもあって、非常に良い雰囲気。梅丸さんを始めて観たのは、だいぶ昔に国立劇場で「日本振袖始」の稲田姫を見て、なんつーきれいな顔の役者さんや、演技もうまいし、と印象深かったのですが、それからもう10年近く経つのですね。

連獅子は、高麗屋の親子によるものでしたが、なんかこう、連獅子って、演じる組み合わせでだいぶ雰囲気変わるんだな…と、初めて実感した気がします。お父さんのほう、少しテレが強いんじゃないでしょうか。もう少し優しさを見せてもいいような気がしたのですが、私の気のせいかな…。

市松小僧の女は、池波正太郎原作ということで一番楽しみにしていましたが、面白かった。梅幸さん、又五郎さんに当て書きされた三部作のうちのひとつとのことで、『又五郎の春秋』にも少しエピソードがあります。今回は、時蔵さんと鴈治郎さんで年の差夫婦をやられましたが、キャッキャウフフなシーンも意外と違和感なく楽しめました。

新歌舞伎なんですけど、でも、やっぱり戦前生まれの作家が書かれた市井物なので、ある意味通好みというか、本気で楽しめるのは40代くらいまでだろうな、とは思いました。なので、今のうちに、後数回は再演して欲しいです。

歌舞伎を観終わって、ホテルに戻る。私は、建物の中に突如現れる曲線が無性に好きなのですが、止まっているホテルのある建物は、なかなか良い曲線が多く、それだけで私の中ではよいホテル認定されています。

昔のSFっぽい感じが気に入っています。

ホテルのロビーで、ジントニック。ポンヌフのおかげで、幕間中も、芝居が終わっても、全然空腹感がないです。すごい。

お弁当

国立劇場の11月歌舞伎公演「孤高勇士嬢景清」を観に行っていました。先月の芝翫の「天竺徳兵衛韓噺」の時にも感じたけど、今月も客の入りがあまりよくない印象。歌舞伎座のほうも、日によってはぽつぽつ空席が目立つという話も耳にするので、2013年の新開場以来続いていた歌舞伎ブームもそろそろ一段落なのかもしれない…などと思ってしまった。

国立劇場でも、出演俳優に動画で告知させたり、ゆるきゃらをグリーティングに使ったり、文楽とコラボしたり、今月は1か月限りの措置として幕見も導入したりなど、いろいろしているのはわかりますが、いかんせん、お客さんが減っていくスピードに比べて、若い人(20~40代)への認知の浸透が追い付いていない印象があります。難しいね。

通しで上演されたこともあって、理不尽に翻弄される景清の鬱屈がクローズアップされた話になっていて、歌舞伎というより、現代劇に近い印象を受けました。それでも、二心ないことを見せるために両眼をえぐって見せるとか、父親(しかもあんまり会ったことのない親)を助けるために娘が自分の身を売って金を作るとか、なかなか現代では理解しづらいエピソードが多く、その辺を含めて感動するのは、結構難しいな…と思いながら観たのでした。とはいえ、さすが吉右衛門、要所要所でぐっとくるところを見せてくれたし、最後の幕切れがさわやかだったので、良かったです。

弁当は残り物を詰めて簡単に。玄米ご飯に、大根と揚げ玉の煮物、肉味噌。ひよこチップ入りのりたま。

国立劇場のロビーに下がっている照明、なんとはなしに、いつも写真に撮ってしまう。線香花火みたいで、何となく好きなのだ。今日は3階からだけど、2階から撮るのが一番きれい。

お弁当

吉例顔見世歌舞伎の昼の回に行ってきました。今日の演目は、「研辰の討たれ」「関三奴」「梅雨小袖昔八丈(髪結新三)」の3本。やはり一番印象深かったのは、初めて見た「研辰の討たれ」です。なんとなく新作歌舞伎っぽいイメージが強いのですが、少し前に『研辰の系譜』という本を読んでいて、もともとは実際に起きた仇討ち事件が元に江戸時代に作られた作品があり、それ以降「研辰もの」といわれる作品群がたくさん作られたそうです。

今回上演されるのは、それらを基に木村錦花が大正14年に執筆したもので、歌舞伎というより現代劇といった方がいい筋書となっています。実際見てみると、思っていた以上に現代劇でした。テーマ性があって、見る人によって解釈が異なるストーリーになっている。終始笑いでくるまれていたけれど、それだけに、最後の気持ち悪さが余計に引き立ちました(私は見てないんですが、その気持ち悪さをクローズアップしたのが「野田版 研辰の討たれ」だそうです)。幸四郎さんのケレンの強い演技がよくハマっていて、面白かったです。

ところで、同時代の作家において「仇討ち」というのは、興味をそそられるテーマだったそうですが、中でも菊池寛は特にご執心で、仇討ちに関する小説をたくさん書いているそうです。『恩讐の彼方に』しか知らなかったですが、ズバリ「研辰…」的な話もあるそうで、今度読んでみようかなぁと思いました。

「髪結新三」の面白さは当然のもので、見せてくれてありがとうと言うしかないわけです。菊五郎と左團次で、面白くないわけがない。

お弁当は、ご飯に海苔をしいて、肉豆腐。

お弁当

芸術祭十月大歌舞伎の夜の回を見に行っていました。演目は、通し狂言「三人吉三巴白浪」で、和尚が松緑さん、お坊が愛之助さん、お嬢は松也さんと梅枝さんのダブルキャストで、どっちも好きな俳優さんなので迷いに迷って、梅枝さんの日で。

松也さん、2014年に観たコクーン歌舞伎の「三人吉三」のお坊がすごくよかったので、お嬢も気になったんだけど…、こういうダブルキャストはほんと困るわ。

三人吉三って、大川端の場だけ見ると、様式美だなーって感想しか出ないけど(これはこれで好きです)、通しで見ると、なんだか切ない話なんですよね。ベテランのこってりした味わいもいいのですが、浅草メンバーくらいの若い人でも、通しで見てみたいです。もちろん今回は、安定感抜群の面白さでした。キリの舞踊は、玉三郎さんと児太郎さんの「二人静」。最後の口直しにぴったり。

お弁当はあるものを手当たり次第に詰め込んだだけ弁当。鶏ひき肉と大根と糸こんにゃくの煮物に、茎わかめのポン酢和え、きつね納豆。

お弁当

芸術祭十月大歌舞伎の昼の回を見に行っていました。演目は、廓三番叟、御摂勧進帳、蜘蛛絲梓弦、江戸育お祭佐七の4本と、いかにも歌舞伎らしい演目が揃って盛りだくさん。この記事のテキスト、2020年8月に書いているんですが、まぁ、なんていうか、ずいぶん贅沢な時間を過ごしていたんだなと思います。

お弁当は、ありもの詰めて。玄米ご飯に、鶏ひき肉と大根と糸こんにゃくの煮物(ほぼ糸こん)、きゅうりもみと茎わかめのポン酢和え、コープのお魚コーナーで買ってきた焼き魚。メインになるたんぱく質があると、残り物だらけのお弁当も、なんだか豪華に見える。

お弁当

新橋演舞場でやっている「スーパー歌舞伎Ⅱ 新版オグリ」を見に行ってきました。

猿之助さんと隼人さんのW主演なんですが、少し迷って、やはり猿之助主演の日に見に行きました。91年に上演された3代猿之助によるスーパー歌舞伎「オグリ―小栗判官―」を元にした舞台ということで、先代猿之助のファンと思しき年季の入ったファンも多く、スーパー歌舞伎Ⅱにしては、年齢層高めの客席でした。ただ、幕間に売店に降りたら、ワンピースからやってきたと思われる若い人も多かったので、下の階はだいぶ年齢層若めなのかもしれません(私は3階席の民)。

小栗判官は歌舞伎ではおなじみの人物で、彼が出てくるお芝居はいくつか見てますが、亀治郎(現猿之助)さんがやった「當世流小栗判官」を見ており、それがすごく楽しかった記憶があります(検索したら2011年10月の上演で、あまりに昔のことで、びっくりした)。「新版オグリ」はそれとはまた違った手触りで、すごく面白かったです。

小栗判官物語の源流をたどっていくと中世の説教節に繋がりますが、それだけに全体として信賞必罰的なところがあって、古い話だなと思うんですけど、今回の「新版オグリ」では、「歓喜」をキーワードに「心のままに生きる喜び」を前面に押し出していて、歌舞伎と現代劇のギリギリのところって感じでした。

自分に正直に生きるというのは、反面現実との違いに葛藤するというのが絶対あるはずなんですが、猿之助演じるオグリはその点では迷いが全くない人物なので、現代劇としてみるならば、ちょっと感情移入しにくいキャラクターかもしれない。迷いがないと言えば、照手姫もそうなんだけど、こっちは新作歌舞伎の経験も豊富な新悟さんだけに、歌舞伎と現代劇の間の絶妙な部分を熱演されていて、あんまり疑問も違和感も感じなかった。そう考えると、もしかすると、猿之助さんよりも隼人さんのほうが、世界観に合っているかもしれないなぁと思いました。

あと、音楽が良かったです(作曲:藤原道山、編曲:福廣秀一朗)。スピーカーを通した大音量が苦手なんですが、キャッチ―な音楽で、ギリギリ頑張れた。

お弁当は残り物を詰めて。根菜の煮物、へちまと豚バラ肉の味噌炒め、きゅうりとかにかまのサラダ、黒豆ご飯。なかなかヘルシーなお弁当でした。

ワンピース歌舞伎のスーパータンバリンに続き、今回はスーパーリストバンドという、光る腕輪を販売しており、幕間中にも盛んに宣伝映像が流れていました(申し訳ない、買わなかった)。

最後の幕にみんなで踊るシーンがあって、お客様もこれをふって客席から参加するという趣向なんですが、この日の3階席での購入率は、3割くらいでしたかねぇ。でも、ラストの盛り上がりはすごかったですよ。楽しかったです。

帰宅後、お腹が減ってしまい、ローソンの「熟成すじこ醤油漬」おにぎり。

お弁当

国立劇場の10月公演「天竺徳兵衛韓噺」を見に行ってきました。昨年に引き続き、芝翫主演の舞台で(昨年は「俊寛」)、今回はケロロ軍曹とのコラボなどイベントも多く、観客動員へ向けて気合が入っている感じだったので、結構楽しみにしていました。

正直な感想を言うと、パッとしなかったな…というのが本音なのですが、何がいけなかったのかなぁ。見せ場という見せ場をことごとく外している印象がありましたが、徳兵衛って、芝翫のニンじゃないってことなのかなぁ。2012年に博多座で見た、亀治郎の「天竺徳兵衛新噺」はすごく面白かったから(三代目猿之助が「天竺徳兵衛韓噺」に別の話をないまぜにして作り直したもの)、脚本の問題なのかしらねぇ。あんまりわかりやすく整理しすぎるのもあかんのか。

お弁当は、昨晩のおつまみの残り(アジフライ、大根スライスのゆかり和え)を詰めて、野菜代わりにわかめを添える。ええ感じの弁当になった。

一元屋に寄ってきんつばを買っていたので、幕間に1個失敬。あいかわらずうまい。

ケロロ軍曹とのコラボグッズ(クリアファイル)を頂戴した。クリアファイルは使う機会が案外多いので、結構うれしい。うまく日付を合わせれば、ケロロ軍曹のグリーティングもあったらしいが、チケットを取った後で気づいたので、無念。