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おせち

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あけましておめでとうございます。

これを書いてるのはそろそろ5日か…という時間なのですが、おせち自体は、今年もおかげさまで無事、元旦の午前中には、ご覧の通りの状態にまで仕上げることができました。例年、元旦に写真だけはアップしているのに、今年は三が日が過ぎても更新せず、ご心配をおかけしました。スイマセン…。

今年は、前日までの仕込みが予想以上にスムーズだったのが逆に仇となったか(紅白のほとんどを、ソファに座って見られたくらい、余裕かましてた)、当日朝の盛り付け等々にどえらい時間がかかって、ホントにしんどかった…。腹ペコなのに食べられないし、夫は待ちくたびれてガン寝しちゃうし…正月から地獄や…と思いました。もう、来年のおせちは、前の日に重箱に盛りつけるまでやってしまおうか…と思っております。

1枚目の写真がブレブレだったのは、もうヘトヘトで、見返す気力もなかったからだと思います。下3枚も私には珍しく、ばりっばりに補正していますが、まぁ、記録ですから…、変な色合いなのはどうぞご容赦ください。

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以下は、作ったものメモ。

一の重

  • 八幡巻 (有元葉子さん)
  • 龍眼巻 (土井善晴さん)
  • 数の子 (辰巳芳子さん)
  • 田作り (有元さん)
  • 叩きごぼう (有元さん)
  • 昆布巻・鰊 (土井さん)
  • 黒豆 (土井さん)
  • 炒めなます (土井さん)
  • きんとん
  • 玉子焼 (大定)、蒲鉾・赤 (鈴廣)、ゆで絹さや

テキストは例年通り、『有元家のおせち25品』と、『祝いの料理』の2冊。有元さんのおせちの本には『有元家のおせち作り』という本もありますが、この2冊はほぼ同じ内容ですが、決定的に違うのが、前者は甘みをみりんで、後者はメープルシロップでつけている点。個人的には、どっしりした甘さが好みなので、むしろ、古い本のレシピを好んで使っております。

今年のニューフェイスは、龍眼巻。ゆでうずら卵を芯に穴子で巻いてこってり味に煮たもの。個人的にはスマッシュヒット。夫は泥臭くてヤダと言っておりましたが(どこがだー、と思うのですが)、これは、来年も作る予定。

普通のなますだと持て余すので、昨年か一昨年から炒めなますにしてますが、もう、こっちの方が定番になってきました。これは、すごくいいです。

失敗したのが、叩きごぼう。これ作っている時、深夜だったので牛蒡を叩くことができなかったので(叩いていたら鳥が起きてきたので)手で裂いて作ったのですが、どうも、味の染み込みかたが微妙。黒豆も少し煮汁を詰め過ぎたかも。

あれこれ気になることを書いているといつまでも終わらないので、とりあえずこんなところで。完璧には程遠いです。

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二の重は煮しめ。今年は、数年ぶりに辰巳式にチャレンジ。辰巳先生の著作でではなく、『NHKきょうの料理 2007年12月号』に掲載されている「辰巳芳子のこれだけはつくりたいおせち」で紹介されているレシピに従って作りました。

煮しめの具は、干し椎茸、鶏団子、牛蒡(堀川ごぼう)、蒟蒻、焼き豆腐、里芋(海老芋)、蓮根、金時人参。

ちなみに、わたしは、『きょうの料理』の12月号のテキスト(おせちの特集号)だけは2005年以降はすべて持っているんですが、2005~2013年までの9冊で一番出番が多いのがこの2007年の号です。次の多いのが、村田吉弘さんが関西風のおせちを紹介する2006年の号。最近は、おせちを作る若い人が増えてきているなんて話も聞きますが、『きょうの料理』を定点観測している限りは、年々、時短テクニックの割合が多くなってきていて、ちゃんと作るというよりは、買うと高いから、作れる範囲で見栄えするものを…というニーズが強いのかな、という印象があります。

ともあれ、この煮しめは、本当に大変なレシピでして、今回も、途中で何度も「なんで、あたしは、こんな辛いことをしているんだろう…」と思いました。というか、数年前に一度やってみた時にあまりにしんどくて、もうやらん…と思ったのですが、昨年の夏にたまたま古い雑誌(『考える人』2011年秋号)を読み返していて、それは色んな作家先生に料理とは? と聞いて回る特集の号で、巻頭が川上弘美さんのインタビューだったのですが、その中で川上さんが「辰巳芳子さんの煮しめは大変だけどおいしいからやります」みたいなことを仰っていたのが実に印象的でして、うむー、じゃぁ、私も今年はやってみようかなぁ…と思ったのでした。

まだまだ未熟ですが、以前に作ったよりは、だいぶマシになったかな。料理って、真面目にやると、大変だなぁ…と、つくづく思わされました。

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お造りといいますか、生もの類。まずは、夫が毎年楽しみにしている蒸しあわび。今年のは、例年よりもやや小振りだなぁ…と思いつつ買ったのですが、その後に別のお店でもっと大きなものを見つけてしまって、内心地団太。来年はもっと上手に買い物してやる! と、心に誓いました。

あとは、スペイン沖で獲れた本まぐろの赤身。部位によってさっぱり味とこってり味と2種類提示されたので、近海物を買わない代わりに両方買ってみましたが、同じ赤身でもだいぶ違うのに驚きました。

さっぱり味は、いわゆるバリバリの赤身。鮪特有の酸味と、かすかな血の味。買って2日目だったので、もう夫は(臭くて)食べられないと言っていましたが、私はまだ全然問題なしでした。こってり味は、腹側に近いところでほんのり脂も回っていて、上等のめじまぐろみたいな感じ。夫はこっちは好きみたい。ってことは、これからはお店に行ったら、腹側の赤身を頂戴といえばいいのか。

あとは、刺身用の帆立を水を抜いてから昆布〆にしたもの、蒸したこのぶつ切り。この蒸したこが、妙に美味しくて、拾いものでした。

雑煮は、とっておきの昆布と鰹節で取っただしに、大分からの餅、菜花、せり、蒲鉾、飾り筍、柚子皮。菜花もせりも正月価格でうんざりですけど、ないと決まらないので、しょうがないですね。

ちなみに、今年夫が一番喜んだのは、大定の玉子焼…。今年はたまたま行列が短かったので並んで買ってみましたが、いつも買う松露よりも、こっちの方が口に合うそうです。

私の手製のおせちの中では、一番はきんとん、二番は数の子、三番は田作りだそうです。確かに、今年の田作りは、私も上手くできたなーって思ったんですよ。どうやら、コツは、最初の乾煎りにあるみたいです。こういう小さなコツも、来年まできちんと覚えていればいいんですけどねぇ。

大分から送ってもらった、日本酒を飲みながら、ひたすら食べて、飲んで、テレビ見て、寝て、いつも通りのグータラなお正月を送らせていただきました。

こんな調子ですが、今年もどうぞ、よろしくお付き合いください。

おせち

おせち by nekotano
おせち by nekotano

あけましておめでとうございます。
今年も無事に、おせちを作って食べることができました。よかった…。
今年もどうぞよろしくお願いします。

以下は、追記です。来年用にメモ…。

● 一の重
八幡巻 A
きんとん A
数の子 (干し数の子/ 塩漬け数の子) A
かまぼこ (山上蒲鉾店の「極(赤)」
玉子焼き (松露
昆布巻 (ソフト鰊 / たらこ) A
田作り A
れんこんの炒め煮 A
叩きごぼう A
五色なます B
黒豆 B

● 二の重
黄金くわい B
八つ頭の含め煮 B
椎茸の煮しめ B
日の出人参 B
ごぼうの煮しめ B
粟麩の煮しめ C

● 珍味
お刺身(たこ、本まぐろ赤身2種)
蒸しあわび B
合鴨の照り煮 B

今年参考にした本も、ほぼ例年通り。A「有元家のおせち25品」(有元葉子)、B「祝いの料理」(土井義晴)、C「きょうの料理 2006年12月号」(村田吉弘の基本のおせち)。有元さんのおせち本は、甘みはほぼメープルシロップを使用している新版よりも、みりんを使用している旧版のほうが好みです。ただ、八幡巻だけは、新版で紹介している手順のほうが作りやすいので、そちらを参照しました。

今年の新顔は、五色なます、合鴨の照り煮、粟麩の煮しめ、です。どれもすごくよかったです。たぶん、来年も作ります。

例年、なますは持て余し気味なので、お試しがてらに五色なますを作ってみたのですが、こっちの方が好みでした。いわゆる炒めなますですが、レシピ通りだと二杯酢を使いますが、土佐酢にしました。ガチガチに酸っぱいのは苦手なので、ちょうど良かったです。ただし、味がなじむまでに一昼夜かかったので、早めに作るのがいいのかも。

粟麩の煮しめは、これも物は試しと作ってみたのですが、もんのすごくよかった。揚げてから煮るので、味なじみがよい。めんどくさがらずに揚げるべきだな、と。煮しめはこれだけ、村田吉弘さんのレシピで作りましたが、いい味付けだったので、来年は煮しめ全部をこのレシピで作ろうかな、と今のところは思ってます。

正月と言えば、わたしにとっては、やっぱり鶏肉だろう…という気持ちがあるのですが、夫が一切手を付けないので、今年は思い切って鴨ロースにチャレンジしてみました。脂がスゲェ…と思いましたが、思ったほど難しくなく、しかも夫も喜んで食べていたので(結構レアに作ったのに)、ナイスでした。よかったよかった。和辛子と実山椒のしょうゆ漬けを添えましたが、いい感じ。

反省点は多々ありますが、筆頭は昆布巻の昆布を真昆布で作ったことでしょうか。柔らかい仕上がりのほうが好みなので、やっぱり日高にしようと思いました。ほか、叩きごぼうをゆですぎたこと。夫が「今年は酸っぱい」というのですが、理由はごぼうをゆですぎたからとしか思い当たりません。ごま酢が染み込み過ぎたのね…。八幡巻の具を下煮する際、味付けするのを忘れたのも失敗のひとつかな。うっかりミス。あとは、煮しめ用に買っておいたこんにゃくを忘れた。大晦日に気づいたんだけど、「もう知らん」と無視してしまった。なので今年の煮しめは6品になってしまい、マズイなぁ、と。来年はちゃんと奇数にしよう…。

今年抜群に上手にできた! と思ったのは、黒豆、きんとん、八つ頭。きんとんと八つ頭に関しては、よくできた理由はひとつしかなく、それは「豪快に皮をむくこと」でした。6回目のおせち作りにしてつかんだコツがそんなこと…ってのも情けない話ですが、年に1回しか作らないのだからしょうがない。黒豆に関しては、土鍋とストーブがある限り、もう大丈夫だと確信しました。逆に言えば、この2つがないと上手に作れないわけですが、まぁ当分は大丈夫でしょう…。

これをせっせと食べて、テレビ見ながらソファで寝落ち。文字通りの寝正月でした。

お弁当

お弁当 by nekotano

お稲荷さんが割り込んで出番がなかったのですが、小さく刻んだお揚げを甘辛く炊いたのと、干ししいたけの含め煮を作っていたのでした。お揚げの甘辛煮は瀬尾幸子さんの本(『のっけごはん100』)、干ししいたけの含め煮は『祝いの料理』(土井善晴)を参考に作る。

家で出す機会がなかったので弁当に転用。酢飯の上に、お揚げ、干ししいたけの含め煮の刻んだの、きぬさやのさっと煮、錦糸卵、紅ショウガを乗せて、きつねちらし風に仕上げる。

で、この日は、これを持って、新橋演舞場の五月花形歌舞伎の昼の回を観に行ったのですが、冷房直撃の席だったようで芯から冷えて帰宅し、この後がっくりと体調を崩したのでした。暑いからと言って、調子に乗って薄着で出かけちゃダメですね…。

おせち

おせち by nekotano
お刺身 by nekotano

あけましておめでとうございます。

まだ、年末の数日分の記事を書いていませんが、先にこっちから。

今年も無事、自作のおせちで新しい年を迎えることができました。作っている時は、「なんでこんなことしてるんかなぁ…」と一度二度は思うのですが、作ってしまえば清々しいもので、今は「今年もやりきったな」という(自己)満足にたっぷり浸っております。

毎年、何かしら新作を入れているのですが、今年は去年とほぼ同じもののみ。その代り、メモ帳を見返しながら、ていねいに作ることを心がけてみました。とはいえ、製作日数はおおよそ1.5日。おせちを作り始めた頃よりは、だいぶ手際が良くなっているのは実感しており、亀の歩みではありますが、少しは上達しているのかなぁということが実感できて、いい年明けを迎えられた気がします。

あと、ほぼすべての料理の甘みを、みりんではなくメイプルシロップに置き換えてやってみたのですが(有元葉子さんの真似)、モノによっては、みりんや砂糖で作ったほうが好きだな…というものもあり(メイプルシロップを使うと、キレのある甘さになるので、コッテリした甘辛味が好きな人にとっては、若干物足りない感じになる)、意外と自分は、クラシックな味付けが好きなんだなということがよく分かったのでした。

上の写真は、一の重とお雑煮。下の写真は、二の重とお刺身類。

一の重は、紅白なます、卵焼き(松露)、叩きごぼう、昆布巻(たらこ、身欠にしん)、かずのこ(干し数の子を出し漬、塩蔵数の子をしょうゆ漬け)、かまぼこ(鈴廣の古今)、八幡巻(ごぼう、金時人参)、田作り、黒豆。

雑煮の具は、餅、菜の花、鶏もも肉のグリル焼き、せり、柚子皮。

二の重は、煮しめ(八ツ頭、さといも、ごぼう、こんにゃく、干ししいたけの含め煮、黄金くわい)、れんこんの炒め煮。

刺身類は、蒸しあわび、本まぐろの赤身、平目のこぶ締め(えんがわ付きでラッキー)。偶然ですが、まぐろもひらめも、どっちも大分産。スモークサーモンの手まり寿司。

お酒は、加賀鳶。単純に、今月「加賀鳶」観に行くから…という理由だけで買ってきましたが、きりっとした味でおいしかったです。

これ食べながら、ニューイヤー駅伝、全日本女子サッカー、サッカー天皇杯と、スポーツ中継をハシゴ。いつもと変わらない正月を過ごせて、ありがたいことです。