日別アーカイブ: 2019/07/06

隼町から四谷までぶらぶら

国立劇場の7月歌舞伎鑑賞教室を見に行ってきました。

演目は、車引と棒しばり。初めて見る人には、すごくいい演目なんじゃないでしょうか。先月の「神霊矢口渡」も悪くはないんですが、後半の人形振りとか歌舞伎の演目的にもちょっと独特の演出だし、救いの全くない話だしで、初心者にはややハードルが高かった気がするので。

「解説 歌舞伎のみかた」は、新悟さんと玉太郎さん。新悟さんは、昨年もやられていて説明上手なのを知っているので、安心して見られました。ただ、年々、若手俳優による「歌舞伎のみかた」を見る度に、本当にこのスタイルで高校生たちは「面白そうだな」「これから見るのが楽しみだな」と思うのだろうか…とも思うようにもなりました。歌舞伎って面白いですけど、その面白さを伝えるのは本当に難しい。もう少し(伝えることの)プロの手を借りて作り込んだ方がいいのではないか…とも思うんですよね。

最後に、ハッシュタグ付きで写真をアップしてください! ということで、写真撮影可タイムが設けられましたが、もう少し、映えるブツを用意してほしい…とは、少し思ってしまった。でも、最近の国立劇場は、いろいろPR頑張っているなぁ、と思います。

2階ロビーには、陶板に印刷された風神・雷神図屏風が飾られていて、もうちょっと正面で撮りたかったんだけど、なぜかスーツ姿の一団が陶板の前でわいのわいのしており、斜めから1枚だけ。ちなみにこれは、昨年からあちこちでロゴを見かける機会が増えてきた「日本博」の助成によるものだそうです。私は「日本博」とは、オリパラ開催国で義務付けられている文化プログラムの一環だと思っていたんですが、検索したら微妙に違うようで、ふーんという感じ。

ところで、「名画を陶板に印刷」ということで、もしやと思ったら、やはり大塚オーミ陶業によるものでした。大塚国際美術館に行ってきたばかりなので、おーと思ってしまう。

歌舞伎が終わって普段だったらサクッと帰るけど、夕方に用事があって、数時間つぶさなきゃいけない。曇っていてそんなに暑くないのを幸い、半蔵門から四ツ谷まで歩いてみる。

四ツ谷駅周辺の、空がスコーンと抜けた感じの風景が好きだったのに、久々に来たら大きなビル(CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷))が建設中で、なんだかがっかり。

四ツ谷で喫茶店と言えばロンだけど、あいにくお休みだったので、サンマルクへ。玉子サンドとチョコクロ。何味のチョコクロか、忘れてしまった。

四ツ谷に何しに行ったかというと、迎賓館(迎賓館赤坂離宮)を見に行ったのでした。2016年から一般見学が解禁になっており、ずーっと一度は行こうかなと思っていたのですが、ようやくタイミングが合った感じ。迎賓館の隣は学習院ということもあり、この辺のエリアはあちこち警備員だらけで、ちょっと強面な雰囲気です。ただ、迎賓館の門番さんは気さくでした。料金は本館と庭園で1500円。和風別館まで見る場合は2000円。ただし、和風別館は要予約です。

内部は撮影禁止ですが、立派なパンフレットがもらえます。現役施設ということもあって、5m置きに警備員がいるという状態ですが、特に威圧感があるというわけではなく、じっくり見られます。歴史もあるし、豪華だし、現役で使われていて興味深い建物ですが、ちょっと面白みに欠けるかなというのが、正直な印象でしょうか。私は、シンメトリーな建物って結構好きなつもりでいたんですが、今回はあまりいい印象に作用しなかった。

時々、和テイストの意匠が隠れキャラのようにあるんですが、甲冑とか、日本刀とか、サーベルとか、勇ましいものばかりだった。もともと東宮御所として作られたものだから、そういう感じになっちゃうんだな。

ネオ・バロック様式の建物ということで、19世紀の帝国主義を体現しているというか、外観の迫力はやはりすごい。ネオ・バロック様式で有名な建物と言えば、パリのオペラ座だそうですが、確かにあれもすごい圧の強い建物ですもんね。日本だと、ほかに代表的な建物は、日本銀行本店とか法務省旧本館(赤れんが棟)とかだそうで。

ちなみに、この反対側は庭なんですが、普通に広場でちょっと残念。

ところで、迎賓館でアフタヌーンティーが頂けるという情報を小耳にはさんでいたのですが(20食限定、1セット4600円)、敷地内にカフェがなく、一体どこで…と思っていたら、前庭の一部エリアにキッチンカーによる飲食スペースがあって、そこで提供されるようです。

風の通り道になっているので、風が強い日はやや微妙かなという気もしますが、天気のいい日は意外といいかもしれません。なお、建物の内部には興味はないという人には、庭だけの入場券(300円)もあるので、それでお茶だけするのも可能です。

迎賓館が意外に早く見終わってしまったので、水道橋に移動して、そこから少し歩いて徳島旅行前に行こうと思って行かなかった、「なっ!とくしま」(あるでよ徳島のアンテナショップ)を併設するコンビニにも寄ってみる。それにしても、どうして徳島県は、他の県のように東京都内に物産館を置かないのだろう(大分県もそうなのだが)。

ぶらっと歩いて、数年来気になっている香港料理の店(香港 贊記茶餐廳)の場所を確認し、ようやく今日のもう一つの目的地へ。

知り合いが上京してきたので、お食事会に呼んでいただいたのでした。主催者は、おいしいものにめっぽう詳しい美食家なので、お任せですよ。出てきたものを食べるのみ。出るもの出るもの美味しいものばかりなので、気を付けるべきはペースのみです。

初っ端に出てきたのが、ホタテをカダイフで巻いて揚げたもの。この下のソースがすごくおいしかったんだけど、もうなにがなんだか忘れてしまった。

前菜盛り合わせ。これで3人前(メンバーは全員で6名)。私と夫と主催者は比較的少食なんですが(年相応の食欲ともいう)、残りの3人が私たちの少食を補って余りあるほどの大食漢ぞろいで、なんというか、全体的に肉々しい会でした。

カツオのたたき。オサレなビストロだと、カツオもこんな風になって出てくるのだ。当然、美味しい。周りにハーブソースをびっしりまとわせ、酸味の効いたドレッシングが、むっちり厚切りのカツオとよく合う。

これでも食べたもののごく一部なのが驚きだけど、あとからあとからどんどん出てくるので、撮っている暇がなかった。おいしかったなー。

帰宅して、一息ついて、届いたばかりの木村農園の天草晩柑で口直し。

今年のは、ここ数年の中でも一番いい。みずみずしさと甘さのバランスが最高。素晴らしい美味しさです。ご馳走様でした。