日別アーカイブ: 2011/05/10

お弁当

カテゴリー: つくる | 投稿日: | 投稿者:

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明治座で催されている五月花形歌舞伎の夜の回に行ってきました。明治座での歌舞伎公演は16年ぶりだそうで、当然ながら行くのは初めて。都営線の浜町駅から徒歩1分。調布駅で直通をゲットできれば、我が家からのアクセスは演舞場よりいいです。

今日の演目は、怪談牡丹燈籠。大川の船の場より幸手堤の場までを通しで上演。伴蔵と新三郎の二役を染五郎、お峰とお露の二役を七之助、源次郎を亀鶴、お国を吉弥、お米を萬次郎、円朝を勘太郎、という配役。この円朝が、数日に分けて怪談話を観客に披露します…という形で舞台は進行します。

牡丹燈篭ってのはとにかく有名な噺ですけど、実際のところ、私はあんまり筋をよく知らなかったりして。いい機会なので、筋書きを読まずにまっさらな状態で観ましたが、面白かったです。怪談話という形態をとっていますけど、本当に恐ろしいのは、金であり、女であり、欲という業に取りつかれた人間が一番恐ろしい、ということなのかな。落語はまた違った感じのようなので、ぜひ聞いてみたいと思いました。

七之助のお峰さんがかわいらしくて印象深かったです。貧乏だったときは夫婦二人で力を合わせて生きていたのに、大金を持つようになると、夫の心変わりを不安に思い孤独を感じるようになる(実際、夫は外で遊んでるわけで)。環境が変われば夫婦の関係も変わってくるってのは今でもある話で、今回の話はそのきっかけが金だったわけですが、分不相応の金を持つのはやはりよろしくないなぁ…と思いながら見ました。

染五郎丈が出ている舞台だけに、客席に牡丹燈篭を飛ばしたり(結構盛り上がっていた)、幽霊を怖がるシーン、殺害シーンで本水を使ったり(油地獄ばりにツルツルしてた)、最後にとり殺されるシーンの連理引きの演技など、サービス満点、見どころ満点といった舞台でした。

もうひとつは、高坏という舞踊。これは昭和8年に作られた新作長唄舞踊だそうで、松羽目物(能や狂言を題材にした演目)の体裁を取っていますけど、印象とすれば、コント+ダンスって感じでした。

てのもね、最大の見どころが、ゲタップ(下駄+タップダンス)なんですよ。もともと六代目菊五郎が1920年代に流行していたタップダンスを取り入れられないかということで作られたものだそうで。ゲタップと聞くと、わたしなんぞは北野武の座頭市を連想しちゃいますが(見てない)、それよりはるかに前に、こういうのが作られているんですねぇ。楽しい舞台でした。

久しぶりの観劇なので、ちゃんとお弁当を作る。ラム焼き肉用を解凍し、新玉ねぎと一緒に焼き肉のたれ(高山なおみさんレシピ)でじゃっと炒めただけ。あとはゆで卵と自家製梅干し。

結果的に、明治座では弁当をあまり売っていないので、作って行って正解でした。