歌舞伎座の、鳳凰祭四月大歌舞伎の昼の回を観に行ってきました。
夜の回に私の大好きな、一条大蔵譚があるので(しかも、吉右衛門さん)迷いましたが、三津五郎さんの復帰舞台に、「藤十郎一世一代」と角書の付いた曽根崎心中と、こっちの方が揃っていたので、まずは昼の回から。やはり一世一代の効果か、特に何にもない平日の昼間にもかかわらず、幕見まで大盛況でした。
昼の回は、お祝い舞踊の「壽春鳳凰祭(いわうはるこびきのにぎわい)」、「鎌倉三代記」、三津五郎さん復帰舞台の「壽靱猿」、「坂田藤十郎一世一代にてお初相勤め申し候 曽根崎心中」の、4本。
「壽靱猿」は初めて見る舞踊ですが、「棒しばり」「馬盗人」に通じる滑稽さが面白くて、楽しかった。でも、あの、子猿が、もうズルいなぁ。子役で、動物ってだけでも卑怯なのに、あのメイクがまた、とっても可愛らしくて、それだけで面白く観れてしまう。三津五郎さんは、声の張りはまだ戻り切っていない様子も感じられましたが、やはり動きは「らしい」感じそのまま。楽しかったです。
一番の目的だった「曽根崎心中」。そこそこ観ている気がしていましたが、筋書きで確認すると、2年ほど前に国立劇場の通しで観て以来の2度目とのこと。記憶を掘り起こしてみると、どうも、わたくし、封印切と野崎村とコレがごっちゃになっているようでした。ま、確かに、全部心中ものですけど。
ともあれ、人間国宝の最大の当たり役を2度も観れて良かったなぁ…というのが最初の感想。筋書きには初演の昭和28年の時の写真が掲載されていましたが、これは「扇雀ブーム」が沸き起こるのも当然だろう…と思わせる美貌。それを平成26年の今まで演じ続けるのだから芸の力はすごい…と思います。
お芝居の最後のほうに、お初さんが「わたし19、あなた25、ともに厄年だから(こうなるのもしょうがないね…)」的なことを言うシーンがあるのですが(実際の台詞はこんな雑な言葉じゃありません)、82歳の男性が19歳の女性を演じて、特に違和感を感じないのが自分でも驚く。これからは扇雀さんがお初をやるのかなぁ。でも、しばらくはこのお芝居、しばし見納めですね。
11時開演で観終わったら16時。体力残っていたら、幕見で「一條大蔵譚」を見ようと思っていたけど、もう、へっとへと。観劇も体力勝負です。
今日はお弁当持参。
切り干し大根、ちくわ、干し椎茸、にんじんを戻し汁と麺つゆ少々で炊いた煮物と、千鳥酢を混ぜた玄米ごはんに混ぜて、白ごまふって、簡単ちらしずし風。紅生姜を添えて味を引き締める。鮭の昆布巻き2個。
地味弁でミニ弁だけど、お芝居を見るときはこれくらいがちょうどいい。